アピチャッポン・ウィーラセタクン『MEMORIA メモリア』コロンビア、土地と自然の時間と記憶
2021年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。前作『光りの墓』以降、監督は軍事政権下のタイでは映画を作らないと公言していており、本作品は確かにコロンビアを舞台としている。主人公はボゴダで入院する妹を見舞う蘭農家の女性ジェシカである。彼女は自分にしか聴こえない爆発音に悩まされており、身の回りでの不思議な現象に巻き込まれていく。爆発音に関して、知り合いのフアンを通して教え子で音響技師の青年エルナンを紹介してもらい、爆発音を再現してもらうことにする。エルナンはジェシカに自分のバンドを紹