アロンソ・ルイスパラシオス『コップ・ムービー』メキシコシティの警察官についての物語
ベルリン映画祭コンペ部門に選出された一作。"刑事の映画"と題されたメキシコのドキュメンタリーと聞けば、麻薬カルテルとのドンパチやら汚職やらを想像するが、本作品は摩訶不思議な構造で以てそんな幻想を砕いてくる。例えば、冒頭では女性警察官テレサを乗せたパトカーの車載カメラの映像が流れる。彼女が車道を歩いていた男を注意した際に、男はもの凄い剣幕でズボンのポケットに手を伸ばしながらコチラに近付いてくる。ああこりゃ銃撃戦かと思ったら、男はスマホを取り出す。かと思ったら、怪しい車に近付いた