パブロ・ラライン『エマ、愛の罠』規格化された"愛"への反抗と自由への飛翔
圧倒的大傑作。真夜中、街中の信号が一つだけ燃えている。通りの奥に光る信号が青々と光る中、赤々と燃えている信号を背に防火マスクを被った主人公エマが満足そうに歩いてくる。これまで故国チリの近過去(『NO』『トニー・マネロ』)や伝記もの(『ジャッキー』『ネルーダ』)を撮っていたチリの俊英パブロ・ララインはキャリア8本目にして初めて現代を舞台にした映画を撮った。バルパライソの街は光に溢れた魅力的な街として映像化され、躍動感溢れるダンスをバキバキにキマったショットでぶち抜いていくのは流