オトコが語る不妊 その1

今回は真面目なテーマです。不妊について男性ユーザー目線で考えていきましょう。

このテーマは主に女性向けに書かれているものが多く、男性向けのものが少ないようです。そこで男性への啓蒙も兼ねて不妊治療について個人的な経験も踏まえて書くことにわずかばかりでも意義はあるのかなと思います。

男性が原因の不妊も結構ある

僕の最初の子作り経験は26歳〜27歳頃に始まります。当時は何の知識もなく、基礎体温でタイミングを測って排卵日と思われる日にゴムを付けずにセックスすればすぐに妊娠するもんだと思っていました。数ヶ月経っても妊娠に至らないので不妊を疑って病院へ行きました。そして妻は正常で、僕に「精子無力症」という診断が出たのでした。結果的にはこの甘い認識が「すぐ妊娠するのに妊娠しない!なにか問題あるはず!病院へ行こう!」という迅速な問題解決への意識へと向かわせたのが幸いでした。

精子無力症以外にも男性サイドの不妊理由はいろいろあるようですが、とにかく、男性起因の不妊はWHOの報告によると24%、男女ともに不妊症のケースもまた24%あり、合計で48%の不妊が男性起因となっています

ちなみに40代半ばになったいまでも程度の波はあれ、精子無力症であることに代わりはありません。どうやらこれは治るということはなく、遺伝的なもののようなのです。一夫一婦制が長く続いてきたヒトはチンパンジーなどの乱婚(乱交)の動物に比べて精子が強くなくても子孫を残せるため精子の質・量が低下したというわけです。その中でも特に低いのが僕のような精子無力症の男性で、とくに珍しくもない現象だと思います。

精子無力症はオトコとして恥ずかしい?

個人的にはこういうことに関して恥ずかしいという感覚がまったくないのですが、人によっては沽券に関わると認識する男性も多いようです。僕の後輩夫婦で不妊に悩んでいる後輩妻から「夫に原因があるかもしれないけど協力してくれない」という愚痴を聞いたことがありますが、そんなことがあるのかと驚いたことがあります。

子供が欲しい・欲しくないの意思確認は結婚前にしておくべきだと思いますが、さすがに不妊が分かったあとの熱意までは事前にはわからないのが悩ましいところです。上述の後輩夫のようなケースのように、子供は欲しいけどそこまでして欲しいわけじゃない、ということなら誰も責めることはできないように思います。

とは言うものの、この程度のことは受け止め方次第の問題だと思うので、科学的に捉える、変に「オトコとして〜」という捉え方をしないのが吉ではないでしょうか。精子がまったくない、だと結構深刻ですが、無力症ぐらいなら解決方法はあります。精子が少ないのは人類共通の課題であり、そこへ現代社会のさまざまなストレスや長い労働・通勤時間などの要因が重なり精子の質が落ちるのは自分のせいではないのでなんら恥じることはありません。精子無力症でも子供は作れます。

その2へつづく

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