オトコが語る不妊 その2

さて、前回男性サイドに原因がある不妊も結構あるよというお話でした。今回は次のステップとしての人工授精について書きたいと思います。人工授精は費用や確率の観点から多くの夫婦がまず最初に取り組む方法かと思います。

人工授精

最初に取り組んだことは精子の質・量を高めるということで、ツムラの漢方薬やサプリ(ビタミン剤等)を処方されました(個人的には漢方薬はほとんど信じてませんが)。それと同時に自然妊娠は難しいということで、人工授精をトライしました。

人工授精は女性サイドの年齢が若く、健康体であれば3回〜5回挑戦すればかなり高い確率で妊娠できるということですが、盲点があります。それは、女性の排卵スケジュールに合わせて夫婦が不妊治療のために行動できることが前提にあるということです。

手順としてはまず排卵が近いと思われるタイミングで女性が受診して正確な排卵日を調べる日が必要です。働いている女性であればそれほど正確にわかるわけでもない排卵日の数日前に会社を休んだり、半休をとったりしなければなりません。多分結構面倒です。そして、実際に人工授精する日時の直前に男性は精子を用意しなければなりません。病院が近ければ自宅で射精し、妻が病院に持っていくことが可能ですが、病院が遠ければ男性自身が病院に行ってそこで精子を提供しなければならないのです。いずれにせよ、フレッシュな精子が必要なので、人工授精当日は夫婦ともに仕事を休まなくてはなりません

こういった一連の流れはかなり夫婦のスケジュールを圧迫します。どちらか一方が忙しくてタイミングが合わせられない月があると、また1ヶ月伸びてしまうことになり、女性の妊娠できる残り時間を考えるとかなり焦りますし、「自分はこれだけコミットしているのにパートナーは真剣に考えてくれていない」といった考えに陥り、夫婦仲が険悪になる要因にもなりかねません。

一般的には男性の方が忙しいことが多いと思いますし、女性の方が子供を強く切望するということが多いかと思います。このような場合、なんの対策もなく人工授精に突入すると気持ちがすれ違って喧嘩の原因になります。なので、男性は人工授精のタイミングで仕事を休まなければならないことを充分に理解しましょう。ほんの僅かな予告期間で会社を休んだり、半休を取ることがしばしば要求されることを覚悟してください。しかし、そう都合よく仕事休めるとは限らないので、実際には人工授精ができない月が出てくることはよくあることなのです。よって、5回の人工授精の累積成功率が50%だからといって、5ヶ月で妊娠できる確率が50%というわけではないのです*(参考文献を読み違えていたので修正しました)最低限その2倍〜3倍はかかることを覚悟するべきでしょう。

今回のまとめ

1. 人工授精は費用はそれほど高くないとはいっても1回2万円〜3万円はする。
2. 人工授精施術日は排卵のスケジュールに左右されるので夫婦ともにスケジュール調整が難しい
3. 人工授精を複数回こなせば妊娠する確率はかなり高いとはいえ、現実にはかなりの時間を要することを覚悟すべし。


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