フリーランスだけど電話が苦手、という話

おそらく書けば書くほど「ただのポンコツ」であることが露呈するだけだとは思いますが、気にせずに言い切ります。わたしは電話が苦手です。掛けることも、受けることも。

そもそも近しい親類や友人知人であっても、予告なしの電話は昔から「苦手」と感じていました。特に描くことに集中しているときなどは、それによって集中力が強制的に分断されてしまうため、何とも言えない不快感が沸き起こってしまいます。
以前は、主にその不快感のせいで電話が苦手なんだと思っていました。が、この仕事をするようになって電話に対して気づくことがいくつかあり、それだけではないのでは、と思うようになっています。

挿絵の仕事に関しては、わたしの記憶の限りでは「電話での打ち合わせ」を求められたことがなく、初めて漫画のご依頼を頂いたときに「電話で是非お話を」と言われ、「そういえば他の在宅仲間から編集さんと電話で打ち合わせする的なことを聞いたことがあるぞ」というレベルでの認識をした覚えがあります。その時は「そういうもの」だと思っていたため、電話番号と都合のいい日時を伝え、いざその日を迎えたのですが…ここで一つの気づきがありました。
「まだ約束まで時間があるにも関わらず、電話が掛かってくることが朝から気になり、すべきことに集中できず、ただそわそわしながら電話を待つことしかできなくなる」

時間があるのだからそれまで仕事を進めればいいのに、全く手がつかない。10分前から「電話がもうすぐ掛かってくる」という緊張が急激に高まり始め、5分前ともなると動悸もおかしくなり、電話が鳴った瞬間心臓が飛び出て、応答第一声が震えるか掠れるかボリュームがおかしくなる。電話が終わったあとはしばらく緊張を引きずり、そこで激しい疲労を自覚。ここで二つ目の気づき。
「相手が話したこと、自分が話したことを、虫食いでしか思い出せない」
電話をしながらもちろん大まかなメモ取りはしています。そして相手からの問いかけに対してちゃんと(たぶん、ちゃんと)返答もしています。が、何と答えたのかが頭に残っていない。メモにない細かい部分も記憶に残っていない。
何度か電話での打ち合わせを経験して、一事が万事この調子。ここまでのストレスを感じる上に、話した内容をちゃんと覚えていられないとなると、電話での打ち合わせはデメリットしかないと判断し、その後全てのお取引先には「打ち合わせはメールで」と希望を伝えさせていただいています。もしリアルタイムでのやりとりが必要となる場合は、LINEやSkypeを用い「チャット機能のみ」での打ち合わせでご対応いただいています。幸いどのお取引先も快くご承知くださり、電話を強要されたことは無いので大変大変助かっています。

描く仕事をする前は会社員として普通に電話応対もしていたはずなのに、どうしてそこまで緊張してしまうのかについては自分でもよく分からず…。今は「そういうものだから」として対処をしています。
会社員時代に日に何十件と電話を受ける部署にいたこともあり、おそらくそこで一生分の電話力を使い切ってしまったのでは…

…という雑談でした。

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