5/12対日本海オセアンリーグ選抜戦 まとめ


こんにちわ。Yです(Twitter→@kngw_baseball)

5/11.12と横須賀スタジアムで横浜DeNAベイスターズのファーム(以下DeNA)が日本海オセアンリーグ選抜(以下NOL選抜)との交流戦を実施していました。NOLにとっては初の関東遠征となったらしく、ギリギリまでメンバーを発表せずに選手たちにメンバー入りを争わせるなど本気で倒しにきた2日間でした。今回は2日目のみ映像配信があり、観戦することが出来ましたので感想などを含めて書いていきたいと思います。5月11日の試合についても簡単に触れてはいきますが映像配信がなかったため、簡単な成績だけになっています


5月11日

5月11日@横須賀スタジアム
NOL001001010=3H7E2
YDB002200002=6H7E1

NOL選抜出場選手成績
DeNA出場選手成績

公式Twitterでのテキスト速報のみだったので詳細は不明ですのであらかじめご了承ください。

DeNAの先発は5月5日のJFE東日本戦以来、中6日での登板となった新型コロナウイルスから復帰したばかりの濵口(神奈川大学)がマウンドに。前回登板では3回途中でマウンドを降りたものの、この試合では5回を投げ切り1失点でまとめた。おそらくだがDeNAでは復帰プログラムを設けており、復帰初戦は50球前後、2戦目が70球前後、3戦目以降は100球前後と段階を踏んでいく形になっていると考えられており、2戦目となるこの試合では5回を投げたのではないでしょうか。6回からは2番手としてルーキーの徳山(早稲田大学)がマウンドへ。彼も4月27日のイースタンリーグ公式戦・対ヤクルト戦以来の登板となっておりこちらもかなり間隔が空いていたのではないでしょうか。4回を投げて2失点とまずまずの結果も、8回に臨時代走で出場していた選手に味方の悪送球も絡んでの失点とはいえ、2盗.3盗と決められてしまい失点してしまった部分がクイックを盗まれていたのかギリギリのタイミングだったのかどうかまでは分からないものの少しの不安要素として感じてしまった。

野手陣では粟飯原(東京学館高校)に本塁打が出たものの、5イニングでノーアウトまたはワンアウトからランナーを出したものの得点に繋げられなかったところを考えるとここぞという場面での一打が出ずに苦しんだという印象が残る。その中でも田部が4打席で1安打2四球と3度出塁をし、そのうちの1打席は粟飯原の本塁打を呼び込んだ。今シーズン初めて1軍に昇格し、試合にも出場するなど順調にステップアップしており、ファームで確実性を身につければ再昇格する日もそう遠くはないだろう。



5月12日


5月12日@横須賀スタジアム
試合終了 (特別ルールで9回裏も実施)
NOL000000000=0 H2 E1
YDB051000030=9 H14E2

二塁打)
NOL:鈴村(滋賀)
DeNA:勝又、知野
三塁打)なし
本塁打)なし

NOL
投)菅原.荒川.岡部.秋吉.岡野.藤川.松原.山川
捕)長谷川.植.古本

YDB
投)石田.坂本.クリスキー.浅田.石川.スターリン.三浦
捕)益子.東出


NOLスタメン
6濱 将乃介/福井ネクサスエレファンツ
D大崎 太貴/滋賀GOブラックス
9野村 和輝/石川ミリオンスターズ
3吉村 慎之介/福井ネクサスエレファンツ
7小原 駿太/滋賀GOブラックス
5根本 大輝/富山GRNサンダーバーズ
4藤村 捷人/石川ミリオンスターズ
2長谷川 勝紀/滋賀GOブラックス
8鈴村 亜久里/滋賀GOブラックス

DeNAベイスターズスタメン
7村川 凪/徳島インディゴソックス
6知野 直人/新潟アルビレックスBC
8勝又 温史/日大鶴ヶ丘高校
5小深田 大地/履正社高校
4田部 隼人/開星高校
9大橋 武尊/茨城アストロプラネッツ
D東出 直也/小松大谷高校
2益子 京右/青藍泰斗高
3田中 俊太/日立製作所

【投手寸評】

試合開始前から雨が降ったり止んだりした天気の中で開催されたNOL選抜vsDeNAベイスターズの交流戦2回戦。NPBの編成担当やスカウトが多く集まるなどを注目を集めた試合。

石田 健太

DeNAの先発は昨日の濵口と同じく新型コロナウイルスからの復活した石田がマウンドへ。この日が復帰後初めてのマウンドとなった石田は先頭の濱(福井)を三球三振に切って取る最高のスタートを切る。ストレート、変化球共にコースがまだまだ甘い部分はあったものの、大きく外れるということはなくゾーンの中で勝負が出来ていたように感じました。2回は小深田の送球エラーでランナーを背負うと、牽制で誘い出したランナーを味方の不味いプレーにより得点圏へ進めてしまうなど1アウトながら1.2塁とピンチを迎えるものの、落ち着いた投球でピンチを凌ぎ2回を投げ無安打で復帰初戦を飾った。

坂本 裕哉

3回から継投に入る。2番手として坂本をマウンドへ送る。坂本は先発として開幕ローテーションに入るものの1軍では結果を残すことが出来ずに先日ファームへ。しかし、本調子ではないのか先頭の鈴村 亜久里(20歳/外野手/左打/滋賀GOブラックス)にレフトへのツーベースで出塁を許すと、エラーも絡みノーアウト1.3塁のピンチを招く。1軍での坂本はここから連打を浴びたり長打を打たれ大量失点を許す場面が見られたが、この日は一味違うところを見せた。まずは野手の
エラーで出塁を許した1塁ランナーを牽制でアウトにすると、その後は2者連続三振で切り抜けると、続く4回は3者凡退で簡単に抑えるなど、3回のピンチの場面で大崩れしなかったのは坂本にとって一つのターニングポイントになるのではないでしょうか。

B.クリスキー

5回はクリスキーがマウンドに。ストレートに関しては元々のポテンシャルだけで勝負が出来るだけに、変化球の精度が今ひとつの状況を打破できるかに注目をしてみていた。結果としては1回を投げ三振を2つ奪うなど結果を残したものの、フォークの制球が今ひとつであり打者の手元でバウンドするなど見極めやすい状態だったのではないでしょうか。元々の入団前から制球に課題があるという事は言われていただけにどうにか活路を見出してほしいところ。

浅田 将汰

6回は浅田がマウンドに。イースタンリーグでは打ち込まれる場面が目立つ浅田だが、この日は安定した投球で1回を3人で抑える。ストレートはまだまだスピードもキレも発展途上のような感じがある。浅田こそBCリーグ・神奈川フューチャードリームスに派遣をして実戦経験を積ませるのも一つの手段として考えてもいいのではないだろうか。

石川 達也

7回は石川がマウンドへ。久々の登板となったものの今シーズン育成選手ながらもキャンプ期間の対外試合やOP戦で1軍登板を果たしており支配下登録に1番近い投手としての呼び声も高い左腕。球速表示がなかったのでどれくらい出ていたのかは分からなかったが、140キロ中盤くらいのストレートと武器でもある大きく縦に割れるカーブ、ブレーキの効いたチェンジアップと相手打者を一切寄せ付けない完璧な内容だった。

スターリン

8回は石川同様に久々の登板となったスターリンがマウンドに。201cmの長身から繰り出されるストレートは魅力的な部分が多かったが、変化球の制球が相変わらずとっ散らかっておりマスクを被っていた東出はGKのように左右上下に飛ぶようにボールを止めていた。それでも見逃し三振を奪ったボールは左打者のアウトローにビタっと決まっており、このボールを10球中半分くらい投げられるようになれば変化球の制球力も向上するのではないだろうか。

三浦 銀二

9回は三浦がマウンドに。開幕を1軍で迎えた右腕は相手を制圧するような完璧な内容でキッチリと3人で打ち取る。文句のつけどころのない内容だったのでいつ再昇格してもおかしくない状態であるのは間違いなさそう。


菅原 誠也(25歳/右腕/滋賀GOブラックス)

NOLは菅原が先発のマウンドへ。慣れないマウンドに加え雨が降る中での登板だっただったためか、ボールを引っ掛けてしまうシーンが他の投手と比べると少し多く見られた。先頭の村川に対して甘く入ったところを弾き返されてしまい、その後自らの牽制悪送球でいきなりノーアウト2塁とピンチを背負う。しかしここから大崩れしなかったところは良かった点ではないだろうか。2番の知野はバントの構えを見せるが外の変化球とインコースへのストレートで簡単にはバントをさせずに追い込み空振り三振を奪うと、続く勝又も空振り三振に。最後は小深田に粘られるも外のボールを打たせてサードゴロに打ち取りピンチを切り抜ける。スライダーで空振りを奪うことができ、ストレートもこの日145キロを記録するなど完成度の高い投手だと感じた。

荒川 翔太(20歳/左腕/滋賀GOブラックス)

NOLは2番手として高卒2年目の荒川をマウンドに送る。荒川に関していえば「勿体ない」という表現が強く当てはまってしまう結果になってしまった。というのも、100キロ台のカーブがコーナーに決まっておりその後に投げている130キロ台のストレートで空振りを奪ったりすることは出来ていた。しかし追い込んだ後にことごとく真ん中にボールが集まってしまい、先頭の田部が安打で出塁すると大橋の四球、犠打を挟み益子の2点タイムリーと知野、勝又の連続タイムリーなど5安打2四球で5失点という内容になってしまった。雨や普段投げている球場とは違ったマウンドだったりと慣れない部分での登板になっていたとは思うが、どういう環境であれ順応して投げれれば道は開けるのではないでしょうか。

岡部 拳門(25歳/右腕/滋賀GOブラックス)

NOLは3番手の岡部にスイッチ。しかし岡部もDeNA打線を勢いを止めることが出来ない。先頭打者こそ内野ゴロで打ち取るも続く大橋を四球で歩かせると簡単に盗塁を許してしまう。マスクを被っていた長谷川 勝紀(20歳/捕手/滋賀GOブラックス)のセカンド送球は手動計測だが1.94を計測(誤差あり)しており、スローイングもそこまで悪いわけではなかった。しかし岡部がランナーを気にしている素振りが見られず、大橋もスタートが切りやすかったのではないだろうか。その後、東出の打球を処理した後にボールを握ることが出来ずに内野安打にしてしまうなど、少しの意識で防ぐことのできたプレーだっただけに雑なプレーに感じてしまった。

序盤3回まではDeNAの一方的な展開だったが、NOL投手陣がDeNAに傾いていた勢いを止めて見せる。

秋吉 亮(33歳/右腕/福井ネクサスエレファンツ)

4回、NOL選抜は秋吉をマウンドへ。昨シーズンで日本ハムをノンテンダーになり今シーズンから福井入りした投手は11日の試合で1回2失点と結果を出すことが出来なかったが、この日はキレのある変化球を軸にDeNAのクリーンアップを3者凡退で簡単に打ち取る。特に左打者の外へ逃げる変化球はヤクルト時代にリリーフの軸として活躍していた時期のボールそのものだった。

岡野 竜也(23歳/右腕/石川ミリオンスターズ)

続く5回にマウンドに上がったのは岡野だ。関東学院大学出身の右腕で150キロに迫るストレートが持ち味の剛腕。右打者の膝下に落ちるようなボールで空振りを奪うと、威力のあるストレートは高めに行っても打者のバットをすり抜ける。秋吉と共にこの試合で無安打で切り抜けるなどスカウトへの印象を残すことが出来たのはないでしょうか。

藤川 一輝(23歳/右腕/石川ミリオンスターズ)

岡野の後にマウンドに上がった藤川が6回.7回の2イニングを任された。岡野と同じようなタイプだが小さく曲がるボール(カットボール?)が効果的に決まっていたように感じる。特に勝又から空振り三振を奪ったボールは完全に打者のバランスを崩しており完璧な一球だったのではないでしょうか。

松原 快(23歳/右腕/富山GRNサンダーバーズ)

藤川の後に登板したのは松原は、NOL選抜の投手で最速タイの148キロをマークしたサイドスロー気味の投手。スライダーは曲がりが大きく右打者の体に向かってくるようなボールだった。しかし追い込んだ後に甘く入ってしまい痛打されてしまうなどもう一つのところの内容だったように思えた。ただ、上記でも挙げたようにスピードとスライダーという武器は見せられただけにこの先のリーグ戦での登板に注目してみたい

山川 晃司(25歳/右腕/富山GRNサンダーバーズ)

特別ルールのためDeNAがリードしていたが9回裏も実施。その9回裏のマウンドには山川が上がる。元々は捕手としてNPB入りをしその後投手へ転向した経歴の持ち主は、2020年に右肘の故障をしたとは感じさせない投球を見せた。最速は松原と同じく148キロを計測し、落ちるボールを有効的に使っていた印象がある。ヒットは1本打たれたものの、アウトは全て三振で奪うなど貫禄が違った。まだ25歳ということでリリーフに不安のあるチームが獲得に名乗りを上げてもおかしくはないでしょう。


【野手寸評】

こちらでは全選手ではなく気になった選手をピックアップさせて頂きます

鈴村 亜久里(20歳/外野手/左打/滋賀GOブラックス)

NOLのシーズンでは打率.080という成績が嘘のような内容だった。対左投手で初球からバットを出していきライン際に落とすと、俊足を生かして2塁を陥れる。タイミングとしてはアウトだったがスライディングでベースカバーに入った野手のグラブを上手くかわすスライディングは非常に上手かった。守備でもランナー2塁の場面でのセンター前ヒットを猛チャージをかけ、見事にワンバウンドストライク返球で2塁ランナー・勝又をホームで刺すなど守備でも印象に残るプレーを見せてくれた。

野村 和輝(19歳/投手兼外野手/石川ミリオンスターズ)

11日の試合では先発投手としてマウンドに上がり、この試合では「3番・ライト」でスタメン出場を果たした二刀流選手。石田、坂本、浅田、三浦と全くタイプの違う4投手を相手にノーヒット2三振と結果こそ出なかったが、打席での雰囲気やスイングを見ると発展途上ながらも高卒1年目という部分を考えるとこの先の伸び代には期待しかない。どのような成長曲線を描いていくのかに注目したい

村川 凪&大橋 武導

村川は4出塁(1安打3四球)、大橋も3出塁(1安打2四球)と2人で7度出塁を記録。2人とも足を武器としており、大橋は盗塁を1つ決めた。村川も打者がファールにしてしまったがモーションを盗んで3塁へスタートを切ったシーンがあり、もし仮にファールになっていればスライディングをせずに3塁到達していた可能性が非常に高かった。2人とも2021年ドラフトで育成入団しており、OP戦では1日のみ合流し足で結果を残している。チームとしては足を俊足の選手がいても盗塁が出来ておらず、彼らの走塁技術で塁上を賑わして欲しい。


勝又 温史

この試合ではヒット1本のみだったものの、その1本が逆方向へワンバウンドでフェンスまで運ぶタイムリー2ベースというしっかりと結果とインパクトを残した。昨秋に投手から野手へ転向し、経験的にはまだまだな部分も多いがパワーも付いてきており、怪我人が出ている外野陣を踏まえると早期での支配下登録があってもおかしくないのではないでしょうか。


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