見出し画像

2022年春季リーグ戦展望【神奈川大学野球連盟】


こんにちわ。Yです(@kngw_baseball)
今回のnoteは2020年から始めた「神奈川大学野球連盟のリーグ戦展望」を今回も書いていきたいと思います。ここ数年は新型コロナウイルスの影響により、以前と比べると球場で観戦する機会が以前と比べるとかなり少なくなってきてしまっていますが、一部球場に限り有観客での開催と全試合をYoutubeでの試合配信を行うなど、試合配信をしていない連盟などもあることを考えると様々な方に観ていただける環境になっているので是非とも観ていただけるとと思います。


神奈川大学


秋のリーグ戦では優勝決定戦を制し、その勢いのまま横浜市長杯では準優勝、その後開催された明治神宮大会ではベスト4に入るなど昨秋にだけでも多くの試合経験を積んだ神奈川大学。旧チームから新4年生を含め多くの選手が新チームでも残りこの春も優勝候補に挙げられる。

投手陣では神野 竜速(新4年・西武台千葉)川合 勇気(新4年・掛川西)のWエースに注目が集まる。特に最速152キロのストレートを誇る神野に関してはNPBからも注目されるなどこの春も中心選手としての活躍が期待されており、この春の結果次第ではNPB入りへ大きく道が開けてくるのではないだろうか。また神野の影に隠れがちだが川合も最速147キロのストレートと打者の手元で鋭く落ちるフォークを武器に打たせて取る投球が出来る投手も控える。この2人以外にも本田 眞也(新2年・相洋)石井 将吾(新2年・相洋)の両右腕などにも注目したい。

某強豪社会人とのOP戦でも好投を見せた本田

野手ではセンターラインを補っていた土井 克也(新4年・唐津商業)三浦 大(新3年・秋田商業)は残るものの、三浦はファーストなども守るためセンターラインを今年も守るかは不透明。渡邊 宏祐(ミキハウス)梶原 昂希(横浜DeNAベイスターズ)の2名が卒業。この2人が守っていたショートとセンターの穴を誰が埋めてくるのかに注目したい。ショートには庄子 雄大(新2年・横浜)と2019年のリーグ戦で試合出場をしていた柴垣 大(新3年・川之江)の2人がショートのポジションを争うことになるだろう。センターの候補には俊足が武器の渡邊 温人(新2年・大分商業)がレギュラー候補として最有力候補ではないだろうか。しかし他の選手や新1年生にもチャンスはあるのでOP戦などを経てどうなるか。その他にも吉沢 悠佑(新2年・東海大相模)金子 京介(新1年・盛岡大附属)など土井 克也に続く右の長距離砲が出てきて、一振りで試合の流れを変えられる選手が出てきてもらいたいところだ。

主将として、4番として、扇の要として大きな期待のかかる土井



桐蔭横浜大学


春と秋の2シーズン両方とも優勝決定戦を経験し、喜びと悔しさを両方味わった1年となった桐蔭横浜大学。しかしリーグ戦を勝ち抜いた先の全日本大学野球選手権や横浜市長杯ではどちらも初戦敗退を喫するなどリーグの先では勝ちきれなかった1年でもあった。

投手陣では山崎 駿(新3年・桐蔭学園)伊禮 海斗(新3年・桐蔭学園)能登 嵩都(新3年・旭川大学)の3名に期待したい。特に伊禮に関しては昨年秋のリーグ戦では防御率0.00を記録するなど安定感のある投球を見せた。山崎に関しては先発とリリーフどちらもこなせるユーティリティな投手で、能登は140キロ中盤のストレートと手元で曲がるスライダーを武器にテンポ良く投げ込める右腕にも注目したい。
また、日体大とのOP戦で先発登板した高田 恭平(新2年・壱岐)はドラフト上位候補の呼び声高い矢澤 宏太を詰まらせる程のノビのあるストレートを投ており、リーグ戦での登板に期待したいところ。

今春は先発を任される可能性も十分にある伊禮

野手陣ではNPB注目の吉田 賢吾(新4年・横浜商科大学)を中心とし、安定感のある守備とシュアな打撃が持ち味の平野 翔(新4年・中央学院)、打率.356を記録し1番打者として定着した青木 優吾(新2年・中央学院)とセンターラインは昨秋のリーグ戦、横浜市長杯を経験した主力メンバーの多くが残るなど神奈川大学にも負けず劣らずの戦力は残る。岸本 大希(新3年・長崎商業)や日体大のOP戦に出場していた古舘 智礼(新2年・弘前学院聖愛)など俊足を武器とした選手もおり、上位打線からも下位打線からも足や小技を使ってチャンスメイク出来ることが出来る。吉田の前後に和田 武志(新4年・水戸葵陵)加田 拓哉(新2年・帝京)、高校時代は力強いスイングを見せていた畠山 翔(新1年・横浜商業)など力強い打球を放つ選手がスタメンに名を連ねるようになると吉田へのマークを薄くすることが出来るようになるのではないだろうか。

大学野球選手権で公式戦デビューを飾った加田。今春でリーグ戦デビューを飾りたい

横浜商科大学

昨秋は最後まで優勝争いに絡みながらもあと一歩のところで優勝に手が届かなかった横浜商科大学。数年前は入れ替え戦も経験したチームが春に悲願の優勝を狙う。

投手は主将兼エースだった飯田 琉斗(ENEOS)を筆頭に河野 颯太(ヤマハ)やリリーフとして登板していた松島 和輝(京葉銀行)などチームを支えていた投手陣が卒業し、リーグ戦経験の多くないフレッシュなメンバーで春を戦うことに。その中でも中心になるのが中島 航(新4年・平塚学園)米井 武瑠(新4年・筑陽学園)の両左腕。中島は重心の低いフォームで打者の手元で差し込むようなボールを投げ、米井は変則気味のフォームから曲がりの大きいスライダーを投げ込むなど2投手ともリーグ戦経験があるだけに中心投手として期待されるだろう。他にも日本通運とのOP戦で先発を任された斉藤 倖介(新4年・花咲徳栄)や昨秋にリリーフとしてリーグ戦デビューをした遠藤 和樹(新3年・霧が丘)にも期待がかかるし、猿山 広輝(新1年・向上)五十嵐 蓮(新1年・聖光学院)などにもチャンスはあるのではないだろうか。この投手陣を1年生からリーグ戦でマスクを被り続けている粟田 千宙(新4年・愛工大名電)がどのようにリードしていくかが鍵になるだろう。また、2022年からDeNAベイスターズやJFE東日本でリリーフなどで活躍した須田 幸太氏が投手コーチに就任するなど投手陣の整備にも期待がかかる。

2022年対外試合開幕戦の先発を任された斉藤
経験豊富な須田幸太氏がコーチになりどのような変革を遂げるか


野手では大学日本代表候補に選出された鷲田 亮太(新4年・八王子実践)須田 敬人(新4年・藤嶺藤沢)の2名を軸に千葉 龍大(新4年・平塚学園)野道 大誠(新3年・敦賀気比)と打線で見れば昨秋の上位2校にも負けない打力はある。特に千葉はチャンスに強い印象があり、野道も横浜スタジアムで本塁打を放つなどしっかりと振れる打者が揃っている。また宮崎 海(新1年・愛工大名電)も木製バットに対応できるようになれば春からのリーグ戦でデビューする可能性は非常に高いのではないだろうか。OP戦では社会人や六大学のチームと対戦し2桁失点を喫する一方で野手陣は複数得点を奪うイニングも出ており、野手がどれだけ投手を援護できるかが鍵になるだろう。

パンチ力のある打撃が持ち味の野道





関東学院大学

春は優勝決定戦まで持ち込むもあと一歩届かなかった関東学院大学。秋もクラスター発生などでスタートから躓いてしまうなど波に乗り切れなかったがスタートさえ躓かなければ優勝も十分に狙える。

投手で期待したいのは昨秋のリーグ戦で主に2戦目の先発を任されることが多かった吉田 康一郎(新3年・浜松工業)だ。球速自体は140キロ前半くらいという感じだが制球が安定しており、打者の内角を厳しく投げ切れることができるし、内角に厳しく投げ込んだ真っ直ぐにも力強さがあるので変化球の出来によっては大化けする可能性も秘めている。その他にも最速147キロ左腕の上ノ山 倫太朗(新4年・啓新)嶋田 勘人(新4年・坂井)大西 海翔(新4年・駒大苫小牧)など経験豊富な4年生投手陣も揃っており、そこに2021年のドラフト候補にも名前が上がっていた山岸 翠(新1年・横浜創学館)も加わるなど楽しみな投手が多い。

1年春に磯と共にリーグ戦デビューをした上ノ山

毎年、強力な打線を形成するチームカラーで上位には必ず俊足の選手を配置する打線を組むのが特徴。昨年は仁藤 圭悟(島田掛川信用金庫)がトップバッターを任されて打率.357と核弾頭の役割を果たしており、この位置に誰が入るのかが関東学院大打線の大きな鍵となりそうだ。候補としてはリーグ戦で1番として試合出場の経験のある木川 玲(新2年・健大高崎)国崎 澪(新3年・向上)の2人に加え、代走での出場が多いもののアグレッシブな走塁で塁上をかき回す細田 一輝(新4年・東海大相模)が候補として上がる。この中から誰がスコアボード上の1番上に名前がくるのかにも注目したい。そして昨年からマスクを被る磯 一輝(新4年・作新学院)を中心とし堅い守備が持ち味の谷 直哉(新4年・花巻東)、広角に打ち分ける打撃が持ち味の大河内 陸斗(新3年・作新学院)、チャンスに強い打撃を見せる黒田 直人(新3年・冨島)、昨秋にリーグ戦デビューをし打率.436を記録した濱田 蓮(新2年・立花学園)など、リーグ戦で打率3割超えを経験している選手が多く、まるでマシンガン打線のような切れ目のない打線が形成されるのではないだろうか。

神奈川No.1捕手といっても過言ではない磯



神奈川工科大学

秋は開幕週が空き週で2週目からの登場だった神奈川工科大学。しかし思わぬ事態が発生し試合がなくなってしまう。その影響からかうまく波に乗り切れずにシーズンが終わってしまったものの、チームの力は決して劣っている訳ではない。

古堀 廉太(新4年・多良木)工藤 佑太(新4年・鶴岡東)の経験豊富な両右腕がラストシーズンを迎える。主に1戦目の先発を任されることが多い古堀は、140キロ中盤の真っ直ぐでピンチの場面でも粘りの投球を見せれば、リリーフなど大車輪で投げる工藤は、右のサイドハンドからキレのあるボールを投げてくる。他にも2戦目の先発を任されていた東田 翔(新3年・日大三島)は制球こそ不安定な部分もあるが、手元で小さく曲がるボールと曲がりの大きいスライダー、そして強気に打者のインコースを突くことができ、実際に昨秋のリーグ戦ではピンチの場面で神奈川大学・梶原相手にインコースで内野フライに抑えるなどボールに力がある。その他にもリーグ戦経験のある八神 辰大(新4年・逗葉)高畑 空(新3年・津久井浜)笹木 柊之介(新2年・瀬谷)なども力のあるボールを投げておりこの投手たちにもリーグ戦の登板チャンスはあるのではないだろうか。

2022年春のOP戦ではキレのあるスライダーを投げていた八神

野手は投手陣と比べると野手陣に関しては昨年のレギュラーメンバーのほとんどが卒業したためレギュラー争いは熾烈なものになるのではと予想。その中でも長嶋 峻佑(新3年・関東一)と原田 耀大(新4年・日本航空)の2人に注目したい。長嶋はリーグ戦では試合出場数こそ多くないものの、広角に打ち分けるバットコントロールは兄・亮磨(関東一→神奈川工科大→現七十七銀行)にも負けず劣らずの武器になっており、結果としても昨秋のリーグ戦で規定打席未到達ながらも、打率.353を記録しており、原田は広島の菊池を彷彿とさせる守備範囲の広さが持ち味の選手。この2選手の春のリーグ戦での活躍に期待したいところ。その他にもB戦での試合出場をしていた小林 快志(新4年・拓大広陵)福田 晟央(新2年・関東一)なども鋭いスイングを見せておりリーグ戦出場のチャンスを狙っている。固定されているメンバーではないだけに誰がスタメンの座を掴むのかに注目したい。

ここぞの勝負強さが光る原田




横浜国立大学

2019年秋以来の1部復帰を果たした横浜国立大学。昨秋のリーグ戦では1季での1部復帰を狙う鶴見大学との優勝決定戦を制した勢いそのまま、入れ替え戦もストレートで勝ち抜き昇格を果たした。

投手は通算防御率1.80の成績を残している杉崎 夏輝(新4年・東海大高輪台)が軸となるだろう。変化球も多彩で何よりもコントロールが大きく乱れず試合を作ることができる。1年春からリーグ戦経験があり、前回の1部での戦いも経験しているだけにこの春も1戦目を任される可能性が高いだけにチームに勢いをつけられるような投球を見せたいところ。他にも独特なフォームでリリースポイントが見づらい富田 航平(新2年・川和)なども控えており、どこまで1部の舞台で通用するかに注目したい。

4シーズンぶりの1部をエースとしての投球を期待される杉崎


昨秋のリーグ戦、野手陣はチームで8本塁打と非常に振れている。その中でも注目したいのが内野を守る守友 太飛(新4年・富山)と外野を守る山野井 一彰(新4年・山手学院)の2名が中心となるだろう。守友は安定した守備と卓越したバットコントロールで左右に打ち分けてくる打撃力が持ち味。山野井は昨秋のリーグ戦(2部)では打点王を獲得し本塁打も2本記録するなど勝負強い打撃を見せてくる。その他にも山野井と同じくリーグ戦2本塁打を記録した藤澤 涼介(新2年・佐野日大)にも注目をしたい。

チャンスでの一打に期待のかかる山野井



まとめ

以上が2022年春のリーグ戦展望となります。
また、既に決まったり昨秋からのリーグ戦から変更点が判明しています。

【決定している内容】
・4月2日(土)開幕
・5月14日.15日が最終週(第7週)
・横浜スタジアムは有観客試合
・大学グラウンドでの開催は無観客試合
→関東学院大ギオンパークと神奈川工科大学KAITスタジアムの2会場と予想
・優勝校は6月から開催される全日本大学野球選手権に出場
・6位校は2部1位校との入れ替え戦に回る形に

【昨秋からの変更点】
・勝率制→2戦先取の勝ち点制
・相模原球場、俣野公園薬大スタジアムが無観客試合→有観客試合
・コールドなし→7回以降10点差以上の場合コールド成立

2022年2月23日 神奈川新聞より引用


2部では既に導入されていたコールドゲームが1部でも導入され、勝率制から勝ち点制と戦い方が昨秋までと大きく変更となる形になり、各大学の監督がどのような采配をとるのかにも注目。神奈川大学には岸川監督、関東学院大学には薮田コーチ、横浜商科大には須田コーチと元NPB選手が指導に携わるなど神奈川大学野球も首都や東都などにも負けずリーグ全体としてレベルアップしてきている印象があります。卒業し社会人野球に進んだOB達も1年目から活躍しており、そのような選手を輩出している神奈川へ是非、足を運んでみてはいかかでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?