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5月 詩 まとめ

5月2日
「表の裏」
礼儀正しく 
悪口も言わず
笑顔で働く
品行方正なあなたの
裏側に流れるドロドロの血液を見たい
肥大した心臓の音を聴きたい
深い仲になりたい

5月5日
「ソラ」
向こうのソラは明るい 「俺を見ろ」と オンステージ
だからといって見続けると 気温が上がり汗も止まず
こっちのソラは寂しい 分厚い雲に隠れる 照れ屋の太陽
顔を見せてよなんて言ったものなら 余計に隠れて泣き出してしまう

5月9日
決心は固まり始める
群がりながらも 足並みを揃える
終わらない寓話 目の色も変わり始める
守るべきもののために 攻め続ける 揺るぎない正義感
脱線する世界 もう戻れない 
元には

5月10日
「言えなくて」
数学のテストから目を背けると
窓ガラスに天道虫が止まっていた
宝の地図を見つけたみたいだった
チャイムが鳴ったら伝えてあげようと
鉛筆を転がす

証明ができなかったと語り合う友達は去年と違い現実を見ていた
自分だけ取り残されていた

5月16日
「カフェオレ」
牛乳のように温かく周りと合わせられない
コーヒーのように苦くまっすぐに貫けない
混ざり合った心の色は黄土色 また夕焼けの見れない一日が終わる

5月21日
「好嫌」
自分のことを嫌いでいると 周りがすべて殺し屋に見える
自分のことを好きでいると 周りがすべて優しく見える
自分のことに無関心でいると 生活に溶け込む一部になる

5月26日
「明日も」「誕生」
知らない誰かが
知らない町から
知ってる言葉で
知らない記憶を
知ってる記憶を 海に流す
365分の145
 還ってくるのは23の言葉

5月31日
交通ルールを破っても咎められないのだから
このまま真夜中でいいのに
バイクの吹かす音が聞こえる
サイレンも聞こえる
あの時の昼間の横断歩道のように
いくら徳を積んだって いくら冗談を重ねたって
4輪の機械とぶつかれば ニンゲンでなくなる
いったい何を待っているのだろう

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