画像なしでかつて乗っていたクルマのインプレを語る試み(その2)

※追記:今さらながらその1を読み返してみました。いつになく常体で書いてたのか。すみませんが、今から文体統一する気になれませんので、今の段階ではそこは触らずにおきます。あしからずご了承下さい。気が変わったら随時手直しするかもしれません。以下の文章でも「フランス製」と「仏製」、「MT」と「MT車」等、標記の不統一頻発です。同じものを指すときは用語は統一という原則を徹底した文章を書くお仕事をしているのですが、ここではその原則には敢えて従いません。読み返して意味が取れないところとかあったら直します。以上、長ったらしくて見苦しい言い訳でした。

その1はこちらからご覧下さい。では前置きはこの辺にして。

というわけでその2です。その1では、新車で買ったシトロエンAX GT後期型のざっくりした紹介と、ぱっと見わかりやすい変さと濃厚さは薄れたとはいえやっぱり独特の風味は健在の、いろんな意味で過渡期のフランス製小型車の上っ面を軽くなでる程度の手探り感満載のインプレを一時の衝動だけで書いちゃいましたごめんなさい。

思いがけなく終焉を迎えたAX GTの後釜を探す必要が生じたので、仏製小型MTを探そうとした矢先、今は亡き奥様が、仏車は壊れるから嫌だという、恐れてはいたけどあまりの真っ当さにぐうの音も出ない正論を述べたので、観念して国産MT車を探すことに。一押しはスバルドミンゴだったのに何故か敢えなく却下。ちぇ。真面目だったのに(私はいつだって真面目だったのに、いつもふざけてると怒られており、この価値観のずれが後年の離婚協議につながるわけですが、それは別の話)。それではと、初代AX GTの際にお世話になったユーノス改めマツダ物件ということで、出たばかりの初代デミオを試してみました。私はこれで手を打とうと、頬を伝う涙と仏車への未練を拭って前に進む決心をしたのにですね、奥様は曰うわけでありました。「なんか運転しててつまらん」

かくして2台目の仏製小型MT車として、シトロエンAX黒3ドアがめでたく納車されました。これだけだと1台目とどこが違うのという話ですが違うんです。まず今回は中古。新車で買った1台目よりも登録年次は1年古いやつ。その割に走行距離が短かったです。グレードはGTi。マルチポイントインジェクション採用で最高出力が20馬力増し。それに伴って足回りも兄弟車のプジョー106だかのものが移植され、ホイールのネジが、古き良きシトロエンの証たる(?)3本から普通の4本に正常進化。だいぶ違いますね。見た目にはあまり変わらんけど。車変えたのに気づかない人もたくさんいましたとさ。重たいステアリング、冷えないクーラーには懲りたはずだったのに。まあ、新車価格の3分の1以下だったのでいい買い物ではありました。

肝心のトラブルはというと、この個体はほぼノートラブルでした。唯一と言っていいトラブルは、都市高速道路走行中にクーラーのコンプレッサーが壊れて、火花と煙が上がるという、過去に類を見ないスリリングな展開でしたが、都市高速を降りてすぐのところがお世話になってるお店だったので、その足で入庫できたのはラッキーでした(笑)。その後は、クーラーはなくなったので夏を除けば快適でしたが、奥様が事故を起こして全損という形で、またしても急なお別れと相成りました。なかなか超えられぬ10万キロの壁。

画像1

唐突ですが、何かAXの画像はないかといろいろ漁った結果、カラー写真をスキャンしたものが出てきました。撮影日時と場所は、1999年2月13日、リバプールのペニーレイン。左手前に映ってるのがまさにシトロエンAXです。私のじゃないよ。当時、単身赴任でオランダ東部のとある街に住んでて、任期終了間際だったので、イギリスへの旅行を企て、ついでに聖地巡礼したときの1枚です。

個人用webサイト黎明期に、1台目のAX GTをネタにしたコンテンツを公開していたのですが、当時の画像のありかが分からずじまいです。めっちゃ暗いけど、どんなデザインの車かについて、だいたいの雰囲気はわかりますよね。ふた昔くらい前の内装外装共に変な唯我独尊っぷりが半端ない時代と、昨今のたいそうオシャレ路線の過渡期にあたる、カッコいいのか悪いのかよく分からん(個人的にはこの頃のデザイン大好きです)時代のデザインですね。リアハッチのガラス下の部分が個人的にはお気に入りです。ちなみに、フロント以外、ガラスは全て平面です。ハッチゲートの上側は、縁は付いているもののガラスのみです。

特に1台目は、大小取り混ぜてさまざまなトラブルに見舞われました。一番堪えたのが、納車初日に人里離れた新幹線高架下でエンジン停止からの再始動不能でした。当時「NAVI」誌が長期レポート車として新車購入したAXも、納車初日に首都高で立ち往生してたような。こういう症状、出ない個体は全く出ない(1台目は数年後に再発、ついに完治せず。しかし2台目は兆候すらなし)ので、新車時の当たり外れがそれなりにあったような気がします。

当時は樹脂とかゴム部品の耐久性が、国産車に比べてだいぶ劣る印象がありました。給油口から燃料タンクへの配管とラジエーターホースが4~5年目でダメになりました。

梅雨から夏にかけて、クーラーのドレーンが車内に漏れるのとラジエータファンが停まるのがお約束でした。水漏れと併せて、水温計と水量の警告灯には注意してました。ファンが停まったらヒーター全開は、西風さんの漫画だかで見て知ってました(笑)。オーバーヒートと言えば、1台目で派手な追突事故を起こした際に70万叩いて治した(中古買えましたやん。わら)後、ラジエーターに異物が詰まって自走不能になったことがありました。県外で(笑)。まあこれは車に起因するトラブルではないですね。自走不能になったのは、フランス車のお約束(今もかな)であるところのバッテリー突然死によるものです。今はアイドリングストップなどでバッテリーへの負担が大きくなっているので、早めに交換するようになっているらしく、突然死に出くわすことはあまりないかも。実は突然死の前日、知り合いから古いシトロエンCXを手放すので買わないかという話があり、それを聞かれたのかも。他車への浮気を考えるとトラブル発生というのは結構あるあるらしいです。

上に書いたようなトラブルと夏場の暑さを除くと、機嫌よく走ってくれてる時は免許が青くならない速度で流していても幸せな気分に浸れるいい車でした。現行の軽自動車より一回り大きいくらいだけど、もう一回りくらい大きな車のようでした。軽量だし、金属バネかつシンプルな作りのサスペンションの割には、ハイドロニューマティック車を思わせる乗り心地の良さと、タイヤが路面をしっかり捉えている安心感があったし、ステアリングから路面の情報がきちんと伝わってくるのもあって、運転が楽しかったのでありましょう。ステアリングとクラッチペダルがちょい重めでしたので、渋滞が続くと帰りたくなりましたが(笑)。

乗り心地のよさにはシートも一役買っていたと思います。狭い車内にみっちみちに押し込まれた結構デカめのシートのおかげか、長い時間乗っても疲れないし腰も痛くならなかったです。シートがみっちみちだったので、隙間に100円落としたりすると拾うのが大変でしたが。

リアシートは背もたれだけじゃなく座面も外れるという謎仕様でした。2CVみたいに、ベンチシートの形でまるッと外して椅子として活用できるなんてなことはなく、取っ払っても凸凹の床面が出現するだけなので、座面は残したまま背もたれを前に倒したほうが荷室としての使い勝手はよかったです。リアトランクは図体の割には広く、ホイールアーチの出っ張りもないスクエアな平面だったので、見た目に反して荷物はたくさん積めました。これはフランス車の美点の一つですね。

用語文体ともにバラバラなど、ツッコミどころは多々あると思いますが、とりあえず私はスッキリした。その3に続きます。

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