画像なしでかつて乗っていたクルマのインプレを語る試み(その1)

※誤字の訂正と共に若干書き足りないことを加筆したのですが、殆どその2に書いてあったことが今更わかりました。そのままにしておきます。通しで読むと、その1での書きっぷりの方が二番煎じ感満載なことがおわかりかと思います。

かれこれ四半世紀以上にわたり、フランス車ばかり6台ほど乗り継いで来た。運転免許を取って最初の1台は中古の国産車だったが、当時読むようになった「NAVI」等の自動車雑誌の影響で、欧州の小型車に関心を持つようになり、車の買い換えにあたり、各種インプレッション記事を読みあさったり、何軒かディーラーを回ったりして、(1)原則右ハンドル、(2)マニュアルトランスミッション(MT)車、(3)できるだけ廉価グレード、(4)できれば4枚以上ドアがある小型欧州車から決めようということにした。信頼性などを考えると、妥当なところではVWゴルフ(当時はまだ5ナンバー)あたりなんだろうけど、何と言うか正しすぎるような気がして、なぜかその頃妙に気になっていたフランス車から、条件に合うものを探すことに。いわゆるすぽーちーグレードじゃない右ハンドルのMT車となると意外と選択肢がなく(ルノーもプジョーも、MTは左ハンドルしかなかったように記憶している。当時は妻帯者だったので、自分だけが運転するわけでもないし、ETCもない頃だったので、右ハンドルは譲りたくなかった。)、なんだかんだでシトロエンAXの新車から選ぶことにした。マイナーチェンジしたばかりの頃で、ポリバケツみたいな質感の内装がやや普通っぽくなっていたり、ステアリングが1本スポークじゃなくなっていたりと、少し「ぽさ」が薄れつつあったけど、バンパーとか、ホイールを固定するボルトが3本とか、まだまだ十分ヘンではあった。当時、シトロエンは西武自動車とユーノス(5チャンネル展開時のマツダのディーラーの一つ)が扱っており、5ドアのTRSのグリーンっぽいレア色のものにしようと思うも、納期がかなりかかるとのことで、なんだかんだで3ドアのGTの黒をユーノスから購入することに。

さて、画像なしでシトロエンAXというどマイナー車をどう説明すればよいのやら。

※追記:AXに関するお気に入りのブログ記事のリンクを貼っておきます。こちらからご参照下さい。

全長3510mm×全幅1595mm×全高1350mm、ホイールベース2280mm、車重800kgだから、現行のスズキアルトより10cm長く、12cm広く、15cm低く、ホイールベースが18cm短く、100kg重いといったところか。オートマチック車がなく、パワステもなく、しかも右ハンドル車にはエアコンではなく後付けっぽいクーラーしかないという、およそ日本では売れ筋からほど遠いところにある車なので、まあ街中で見かけることは殆どありませんでしたな。ただ、さすがフランス車、ちっこいのにシートの出来の良さも相俟って乗り心地はよく、高速道路での直進安定性も高いので、長距離乗っても疲れないし、旧フランス車のような強烈な個性や空飛ぶ絨毯のような乗り味という独自性は薄れつつあり、濃いめのマニアからは多少蔑みのまなざしを向けられつつも、国産車からの乗り換え組には洗礼としては十分すぎるものがあった。まあ、人生変わったかな。パワステないけど、走り始めてしまえばそんなにステアリングも重くなく、車重が軽い(エンジンかからなくなっても押して動かすのはラクだった。)のもあって、低スペックの割には加速もいいし、案外よく走る車でもあった。2度ほど速度超過で反則金払う羽目にもなったし。とはいえ、スピード出さなくても十分速度感が堪能できる車ではあった。ほらあるじゃないですか、知らん間に思った以上にスピードが出ているという、スピード感を感じさせない車。そういうのとは対極にあった気がする。

工業製品としての信頼性はというと、どうも外れ個体だったようで、納車初日の深夜に、割と人里離れた新幹線高架下で走行中にエンジンストールからの再始動不能となり、いきなりJAFのお世話になった。シトロエンというと、ハイドロニューマティック(金属バネの代わりに、油圧とガス圧利用のサスペンション。エンジンかからないとへたり込んで牽引不可になる。)のイメージが強いせいか、ロードサービスの人に嫌がられつつも、金属バネなのでと頼み込んで来て貰った。このやりとりはその後何度も経験した。あと、立体駐車場でも、エンブレム見た途端に断られかけ、同じ説明して納得してもらったことも何度か。おっと脱線。納車が4月下旬で、連休はクルマで四国まで出かける予定だったけど、そのまま長期入院となったので、四国へは代車のユーノス100(後出)で行きましたとさ。

原因不明だけど症状なしということで戻ってきて以来、特にトラブルもなく時間は経過したものの、その後、保証期間が切れたのを見計らったように、ラジエータファンの故障(梅雨場だったけど、ヒーター全開でディーラーまで走った。)、雨漏り、クーラーのトラブル、バッテリー突然死(前兆がないので困った。)、冷却水漏れ(途中、行く先々に緑色の染みを残しつつ、水を注ぎ足しつつディーラーまで走った。)、燃料ホース外れ(非セルフのGSで、従業員が給油ノズルをねじ込んだ際にホースが緩んだらしく、ちょっと盛大にガソリンが噴出したこともあった。)等々、電装系とゴム部品の経年劣化に伴うマイナートラブルは結構あった。不思議なのは、他のクルマに興味を持つと不調になることが度々あったこと。例えば、シトロエンCXのオーナーから、CXの譲渡を打診された翌日に件のバッテリー突然死が起こったなんてなことがあった。

当時、しがないwebサイトを細々と更新していたけど、AXのトラブルをリアルタイムで報告した時だけアクセスがはね上がるのにはちと笑えた。どいつもこいつも、AXとか濃さが足りないってバカにしてたじゃん。

ディーラーへの持ち込みも度重なり、その都度代車生活だったので、新旧取り混ぜていろんなマツダ車を試すことができたのは望外の喜びだった(笑)。初期の頃は、ユーノス100(リトラクタブルヘッドライトに皮シートの5ドアクーペ。マツダ系列での名前はアスティナ)、初代ロードスター(これは返したくなかった)、ユーノス800(市販車初のミラーサイクルエンジン搭載車)から、新旧ファミリア、カペラ、元教習車のルーチェ(まさかのLPG車)と、一通りマツダ車を堪能させていただきました。

派手に追突事故をやらかした後、全損は免れたので修理して乗り続けたけど(修理後にラジエーターに異物が詰まってオーバーヒートし、出先からディーラーまで100km牽引なんてなこともあった。)、納車初日のエンジン停止の元凶と思われるECUの不調は最後まで治らず、10万キロを目前に、走行中に頻繁にストールするようになり、エンジンとECU全取っ替えしないと治らないかもと言われたのを機に、5年ちょっとでお別れとなった。その間1年ほど、ヨーロッパに単身赴任していたので、私がお世話になったのは正味4年少し。ひとつ褒めてやりたいのは、トラブル起こすのは私が運転しているときだけだったので、当時の連れ合いにひとりで怖い思いをさせずにすんだこと。

今回はここまで。文章は随時直します。画像は見つかったら追加するかも。誰もお読みではないとは思いますが、ありがとうございました。

追記:写真1枚だけ追加します。
古いプリントをiPhoneのカメラで撮ったので画質とかいろいろアレですが、こんな感じです。車格の割に大ぶりなシートが乗っかってるのがわかるでしょうか。


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