6.大家さんの秘密

大家さんが売却されまして私どもが新オーナーとなりました。

電話を折り返すと不動産デベロッパーの担当者を名乗る男が出た。建物の建て替えを考えていると言う。

大家さんは長く留守をしている。それを知った何者かが接触をしてきた可能性を疑った。大家さんはあっさりしているとは言え、挨拶もなく引越すことはない。メールで用件を送るよう要求したが、1度は会って話したいという。真偽を確かめるべく先方が希望する翌々日に会う約束をした。

電話を切ったあとに不動産デベロッパーのホームページを見つける。担当者のメールアドレスは聞かなかったので、問い合わせフォームから事前に資料を送るよう要求しておいた。

この不動産デベロッパーが実在しているかどう確認したら良いのだろう。ホームページを確認するとNot Secureと出てくる。HttpsにしていないためSSL証明書で実在証明書を確認することはできない。

問い合わせフォームもHttpなので本来問い合わせるべきではない。今回は不動産デベロッパーの実在確認も兼ねている。あえて使用した。

翌日、大家さんがやってきた。本人から売却したことを聞かされる。さんざん聞かないふり気がつかないふりをしてきたが、あっけない。事前に伝えたかったが守秘義務があったとのことだった。次回から家賃は新オーナーへ支払うことになる。大家さんは元大家さんになった。

明日、新オーナーと会う。