9.僕と図書館

生まれ育った家と通った小学校のちょうど中間に図書館があった。放課後は毎日寄り道する。冷水機の水をチュッと飲むだけだった日も多い。Newtonを眺め天文ガイドで星座をチェックし大人向けの本をわけもわからずに手にとって見る。

大家さんに借りた部屋は図書館と図書館と図書館の中間だ。東京には図書館が多い。10分15分歩けば図書館に行ける。運が良ければ通勤通学の通り道にある。

立ち退きの話だ。とりあえず図書館で取り寄せてもらう。4冊か5冊は読んだものの自分にピッタリな例は載っていない。定期的に同じ著者がほぼ同じ内容で新しい本を出している。どれも書いてあることは同じようなものだ。結果だけを書いてしまうと個別の案件によるの一言だ。

それでも確認できたこともある。定期借家権についてだ。東京にも空き家はいっぱいある。「都内の空き家状況について」によると58万戸だそうだ。どうせ空き家にしておくのなら安くても貸し出せば良いように思う。もちろん、そうしたいのだろうが貸すとなると数十年を覚悟しなければならない。

相続や立て替えを考えると住人はいない方がいい。そこで考え出されたのが更新できない賃貸契約である定期借家権だ。短期で貸すことが出来れば空き家は減るはず。短期契約な分、家賃も安く設定されているので住む人も助かる。通常の賃貸契約は定期借家に比べてると割高になるが住み続けることができる。

僕の部屋は定期借家権ではない。