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モノの対価

少し歳を重ねて、若干頭でっかちになった気もするけど、モノの対価や付加価値みたいなもんに喜ぶようになってきた。

安くてエエもんが買えたら嬉しいのだけど、お店のホスピタリティ、購入に至るストーリー、本なら情報以上の能動的になる何か、食べ物なら味以上の何か、いろいろあるけど、人の温度や文化的ぽい(あえてぽいと言う)のが嬉しい。

この前、むちゃくちゃ旨いチョコレート屋さんのケーキを店頭で食べた。むちゃくちゃ旨かったのだけど、旨いを通り越して、言葉にならず、店長に向かって、ああ、とか、うわ、とか嗚咽を漏らしながら食べていた。人として少し壊れかけていた。あれはケーキを媒体に、幸せを売ってるんだと本当に思った。

播州織の生地を使ったオーダーメイドのシャツを作るという、お気に入りのシャツ屋さんも同じ。いい生地だし店員さんもよく話してくれる。そこには制作に至る物語があって、着る人のライフスタイルへの想いがあって、結果がデザインと着心地に繋がっている。そこまでがセットなんだと。

ほかに本の話もあるのだけど、それはまた別で書こう。

まあそんなことを考えながら、思い入れの詰まったモノが増えていく部屋を眺めると、眺めてるだけでニヤニヤして時間が過ぎる。

そういえば、よく考えたら、バンドのライブなんて思いっきり付加価値だ。バンドは空気揺らしてるだけなのに、お客さんがニッコニコして体揺すってくれたりする。

なんでも労力掛けずにそこそこのものが手に入るし、世も仕事も無駄を省いて突き進めって感じだけど、やっぱりちょっとした余白が心を豊かにするし、余白が気持ちいいと思える感性は持ち続けたい。

(画像は、ジョジョの奇妙な冒険の4部が好きな人なら笑ってくれるかもしれないと思って撮った写真。これも余白が生んだものかもな、と思って貼り付けました。他意はありません。)

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