Sammy Nestico 0117

何回も書いたことがあるが、僕が中学生のときにカウントベイシーをお客さんの前で初めて演奏したのは「The Queen Bee」で、アレンジはSammy Nestico。もう30年も前の話だ。それからずっとカウントベイシーを演奏し続けている。僕の楽器歴=ベイシー歴、だ。歴史の流れからすればNesticoは御大ベイシーの後期のアレンジャーとなるが、僕の個人的ベイシー史で言えば、70年代のNesticoから、ちょっとモダンなQuincyやゴリゴリのFosterやオシャンティなWilkinsなどへ遡っていったことになる。つまりNesticoは、僕の音楽歴の起点だ。そして、そのSammy Nesticoが亡くなった、というお知らせを見た。

今日のこの悲しいお知らせで、多くの周りの人がSNSで思い出を投稿されていたが、Nesticoアレンジによるベイシー楽団の名盤『Straight Ahead』を取り上げる人も多かった。上記のQueen Beeもこのアルバムの最後に収録されている。このアルバムの中盤でパンチを効かせるアップテンポの「Magic Flea」は、大学3年生のときに一夏を費やして挑んだ山野ビッグバンドコンテストで演った。また御大ベイシーが亡くなる前に最後にスタジオ録音をした『Fancy Pants』というアルバムのタイトル曲「Fancy Pants」は確か中学校のときにソロで緊張しまくったし、同じアルバムの「Time Stream」「High-Five」は高校2年生のコンテストで演奏した。後者はソロに緊張して吐きそうで、人生で唯一、王将のランチセットを残した。またこのアルバムの最後の曲が「Strike Up The Band」。曲名だけで泣ける。他にも「The Heat’s On」なんて何十回も演奏したし、「The Plunger」「Fellin' Free」「The Spirit Is Willing」他にも思い出の曲は何曲でも出てくる。かつて西宮でParagonを聴かせてくれていたジャズ喫茶Corner Pocketで最後にかけてくれた曲が「Freckel Face」。僕の音楽人生の最初からずっと、Nesticoサウンドが散りばめられている。

お知らせを見てとりあえず書き始めたけど、思った以上に考えがまとまらなくて、混乱しているのがわかったので、今日はここまで。結構な喪失感。あの内声まで気持ちいい暖かいアレンジが好きでした。どうぞ安らかに。

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