見出し画像

マイナーカプのオタクが韓国へ自カプの同人誌を買いに行った話


韓国の同人イベントへ行こう!

2024年4月21日(日)のAM9:00、私は韓国・ソウルにいた。この度の旅行の目的は同人イベント(D.FESTA)で自カプの同人誌を買うことで、その日がイベント当日だった。
金曜の夜にソウルへ到着したので、滞在は既に三日目に入っていた。そして翌日の昼間の便で日本へ帰らなければならない。旅行はまさにクライマックスを迎えようとしていた。
私はウォン現金とパスポート、そして用意した差し入れを握り締め、ホテルのあるカンナムから地下鉄に乗って会場へと向かったのである。

この記事は、私がどうして韓国へ同人誌を買いに行くことになったのか、そして当日どのようなことがあったのかの個人的な記録だ。
この記録が、韓国の同人イベントで同人誌を買いたい誰かにとって、ほんの少しでも役に立つことを祈る。

D.FESTAとは? - いわゆるオールジャンルイベント

おそらくこの記事を読むのは大半が日本人のオタクで、韓国の同人イベントについてはあまりご存知ない方も多いだろう。なので、まずはD.FESTAについての概要を簡単に紹介する。

D.FESTAとは、一言で表すといわゆるオールジャンルイベント(女性向け)である。赤ブーのスパコミのようなものをイメージしてもらえれば問題ない。その中で更にジャンルによって오락관(娯楽館), Another Stageなどの区分がある。これはコンテンツのタイトルによる区分ではなく、ゲーム・アイドル、などざっくりとしたジャンルの分類で分けられている。
イベントの形式は日本のものとほとんど変わらない。サークルごとにブースがあり、そこで同人誌の頒布が行われる。

今回は4/20(土)・4/21(日)の2日間に渡って開催された。
土曜日は、二次創作の他にも一般創作作品、手工芸品などが含まれる。
日曜日には、もう少し特定の作品の特性化イベントが不定期に開催されるとのことだった。

今回のD.FESTAで開催された娯楽館, Another Stageの他にも、以下のような区分がある。

  • 『Another Stage』 2Dアイドルの二次創作がメイン

  • 『오락관(娯楽館)』 ゲームの二次創作がメイン(モバイル、オンライン、コンソール.. など全てのゲームを含む)

  • 『대운동회(大運動会)』 スポーツがメインの作品二次創作メイン(スラムダンク、ハイキュー等)

  • 『쩜오 어워드(.5アワード)』 2.5Dメディアの二次創作がメイン(マーブルコミックス、ドラマ、ミュージカル等)

  • 『아아─, 이것이 『소설』이라는 것이다(ああーこれが「小説」というものだ(通称「アイソ」))』 原作が小説であるジャンルの二次創作がメイン(ウェブ小説および中国BL小説千貫私服など)

  • 『다이스 페스타(ダイスフェスタ)』 TRPG関連の創作ブース。 こちらは二次創作よりは一次創作に近い。

MEはどうして韓国に?

ここで一応、私がなぜ韓国の同人イベントへ同人誌を買いに行くことになったのかの経緯を説明する。同人イベントの様子だけ知りたい方は読み飛ばしていただいて構わない。

【理由その1】自カプの本が韓国でしか買えない
これについてはまず自カプの説明からさせてもらいたい。
この記事で私が自カプと呼んでいるのは、エリオスライジングヒーローズというソーシャルゲームでの、マリ◯ン・ブラ◯ス×ガ◯ト・アド◯ーのカップリング・通称マリガスのことを指している。

マリガス説明資料

このマリガスというのはいわゆるマイナーカプであり(書いていて非常に苦しい)、日本で同人誌を出しているのは現状私しかいない。つまり、私は日本では自カプの同人誌を買えないのである。私が出しているから。

少し昔語りをさせてほしい。
私がエリオスライジングヒーローズを始めたのは2022年8月のことだった。ちょうどゲームリリース2周年のイベントを開催中で、メインストーリーの1部が無料で読めるキャンペーンが行われていた(現在は常時無料開放中)。初めは「ステやるのか〜、ちょっと気になるから読んでみるか〜」と軽い気持ちで読み始めたはずが、あまりの面白さにあれよあれよと読み進み、気づけば当時公開していたメインストーリー2部3章までをあっという間に読み終えていた。

この時点までに、私は「マリガス好きかも……」という気づきを得ていた。そしてネットの海を一通りサーチし、日本で同人誌が一冊も出ていないこと・韓国では同人誌が複数冊出ていることを知ったのである。そもそもTwitter(現X、以後Twitter)で"マリガス"で検索すると、韓国の方々のツイートのほうが多く出てくるような状況だった。
そこで早速私はハングルによるカップリング表記"마리가스"をメモし、以降韓国司令(エリオスのプレイヤーは"司令"と呼ばれる)たちのツイートをひたすら翻訳にかけて読みまくる日々を過ごすこととなる。
※ちなみに同社の別コンテンツ『あんさんぶるスターズ!!』とは異なり、エリオスライジングヒーローズに韓国版はない

この時点ではほとんど韓国語が読めなかったが、「これ、自分で翻訳できるようになったほうが色々と捗るんじゃないか?」と思い、韓国語の勉強を始めた。これは絶賛継続中で、旅行の1週間前にはTOPIK(韓国語能力試験)を受験した。まだスラスラと読みこなせる域には到底及んでいないが、韓国司令のツイートが自カプに関する内容かどうか分かる程度には読めるようになった。
ありがたいことに、現在ではエリオスで繋がったFFさんの7割は韓国司令の方々だ。公式からの告知があった直後などはタイムラインのほとんどを韓国語が占めており、私自身は日本語話者でありながら日本のコンテンツの情報をなぜか韓国語で得ている。
そんな折、マリガスの先輩である메이즈님(メイズさん:今回最もお世話になった大恩人)と昨年9月に東京でお会いする機会があった。その際、メイズさんの既刊をプレゼントしてくださり、次は4月の同人イベントでマリガスを出す予定だという話を聞いた。
これは、マリガス本を買うチャンスだ。そう確信した。そしてぼんやりと、2024年4月に渡韓し同人イベントへ行く計画を立て始めた。

メイズさんがプレゼントしてくれた韓国伝統酒・ムンべ酒とグラス

【理由その2】マイルの利用期限が差し迫っていた
もともと私は海外旅行を趣味としていて、大学を出て働き始めてからは年に2回ほど旅行へ行っていた――コロナ禍の前までは。
昨年ようやく様々な制限が解除されてからは、2023年12月末までに韓国旅行を含めて4回海外旅行を敢行し、ようやく飛行機に乗る生活が帰ってきた。また、大阪に行く機会(ヒプステBOP)もあったので、その際にも羽田から往復で飛行機を利用した。
全世界的に渡航に制限がかかり海外旅行が遠のいていたコロナ禍中には、私の貯めていたANAマイルは有効期限延長の措置が取られた。ヨーロッパへの長距離フライトに何度か乗っていたので、そこそこのマイルがそのまま保持されていたのだが、その利用期限がちょうど2024年4月だった。

延長された分のマイルと、2023年以降に取得したマイルを合算すると、ちょうど韓国往復の航空券を取れるくらいのマイル量になった。

【理由その3】海外ひとり旅がしてみたかった
航空券を取れる算段はついた。となると、もうあとは気持ち・覚悟の問題になってくる。
前述の通り、私はもともと海外旅行が好きなので、海外へ行くこと自体の心理的ハードルはほぼないに等しかった。韓国へも既に2回行っていて、なんとなくの雰囲気は分かっている。韓国は治安が良いので、身の安全という点でもほとんど不安はない。
そして、今回の目的は同人イベントだ。仮に友人を旅行に誘ったとしても、わざわざ同人イベントにまで付き合わせるのも気が引けるし、私自身も韓国司令の方々と交流する時間がほしい。
これは明らかに、「海外ひとり旅」のチャンスだった。ひとりで飛行機に乗って現地で同行者と合流するパターンは何度か経験があるが、完全にひとりで行動する経験はまだなかった。いつかはやってみたいと思っていたし、その初めての場として韓国は最適だった。


こういった感じで様々な要素が積み重なった結果、私は自然と韓国へ導かれたのである。

イベント入場方法&当日の様子

外国人、一般入場券買えない問題

渡韓の約1ヶ月前、私はD.FESTAのサイトを見て入場方法を確認していた。
入場にはサークル入場と一般入場の2種類がある。これは日本のイベントと同じだった。
違うのは、サークルだけでなく一般の場合も入場券が事前に入手できるという点だった。クレジットカード決済ができるようなので、アカウント登録をして、早速入場券購入に進んでみる。そしてすぐにこの画面で詰んだ。

決済画面

画面上部右の"Credit Card"を押してみるも、無反応。
"Agree to all"にチェックを入れても特に表示が変わるわけでもない。
そしてカードの発行元を選んで次のステップへ進めと言われているようだが、私は外国人なので、韓国発行のカードは当然持っていない。
清々しいまでに詰みである。

サイトには、当日に現地で現金購入ができるような記載のあるページもあったが、自動翻訳で読んでいるのでいまいち確証が持てない。
そして入場券は確実に入手する必要があるので、私は速攻でメイズさんに確認した。

結論から言って、当日現地での現金購入は不可・オンラインの事前購入のみ可能とのことだった。(23年4月のイベントからすべてオンライン販売に変更された)
ということは、外国人が一般入場券を入手すること自体が不可能なのでは……?
※こちらについては運営に問い合わせはしていないので、もしかしたら別の方法があるかもしれないことを留意してください

幸いにも、メイズさんがサークル入場券を譲ってくださるというので、遠慮なくそのご厚意に甘えることにした。本当にありがたい……
なおサークル入場券の譲渡については、日本のサーチケと同じくサークルの手伝いをするものに限られるレギュレーションがある。私も本当にわずかながら…本当にわずかながら……ディスプレイを手伝わせていただいた。

日本人が韓国語、韓国人が日本語を使ってやり取りをしている図

QRコードでサークル入場

会場の양재 aT센터(以降、aTセンター)は、ソウルの江南(カンナム)エリアからさらに南に行った場所にあった。
私は江南エリアにホテルを取っていたので、電車に乗って20分ほどで会場最寄駅の양재(ヤンチェ)駅に到着した。
駅に着くなり、痛バックを持っている方や気合の入ったロリータ服を着た方を見かけ、国際展示場駅と変わらない雰囲気に謎の感動を覚えた。

aTセンターはソウルの下のほうにある いわゆる"カンナム"の近く
aTセンター外観 ピンクの垂れ幕は「ウェデイングホール」と書いてある 結婚式場としても利用されているらしい

駅に着くと、既に入場していたメイズさんがわざわざ外へ出てきてくださって、受付へ案内してくれた。
受付では、メイズさんから送ってもらったQRコードのスクショを見せるだけで入場できた。

サークル名「おい!帰ってこい」(受けが作中で組織から離反中のため)

このとき、手首に認証済みを示すリストバンドが巻かれた。
会場内の入口にはスタッフさんが2名いて、このリストバンドを示すと中に入れる仕組みだ。

パスポートで成人認証を受ける

更に会場内には成人認証の受付があった。成人であることを示す身分証を持っていくと、入場認証のリストバンドは別に成人認証済みのリストバンドが巻かれる。各スペースでは、このリストバンドと身分証を合わせて年齢確認を行うというシステムだった。
サークル側ではこのリストバンドを持っている人に絞って年齢確認を行うので、より早く成人認証を行うことができるということのようだ。

なお、私は身分証としてパスポートを提示したのだが、ここで日本のパスポートが出されることはあまりないようで(そりゃそう)、成人認証の受付スタッフの方がやや驚いていた。

緑が入場認証、紫が成人認証

2024/05/11追記
この記事を公開した翌日、D.FESTAの運営団体・동인 네트워크(同人ネットワーク)より、2024年7月以降のイベントで成人向け制作物を頒布禁止とする発表がなされた。
これは、別のイベントで起きた事件の影響を受けてのことと思われる。当該事件の詳細また韓国の同人文化の歴史については決して明るくないので安易な言及は差し控えるが、今後の同人文化に大きな影響が出ることは間違いない。
成人向け制作物の頒布禁止に伴い、この記事に記載した成人認証のルールなども変更されると見られるので、今後のイベントに参加予定の方は特に注意されたい。


会場はゆったり2フロア分

サークル配置図 はこのような感じになっていた。

日本のイベントと比べるとこじんまりした規模感ゆえか、机が日本より大きく、ゆとりのある配置になっているのが印象的だった。
各階の入口で、前述のリストバンドを見せると中に入れる仕組みになっていて、移動に特に制限はない。
ちなみに私は一回間違えて入口から出てしまい、スタッフさんに「出口から出てくださいね〜」と声をかけられた。申し訳ない……。

両階とも見て回ったところ、日本のコンテンツの同人誌を頒布しているサークルも散見された。個人的に印象深かったのは、モンぬいを飾っているサークルがあったことだった。(私はアイナナについては詳しくないが、モンぬいの写真はよくTLに流れてくるし、特徴的で可愛い見た目なので勝手に愛着がある)

ちなみにメイズさんは日本語を話せるご友人・제제님(ジェジェさん)を呼んでくれていて、お陰で色んなことを訊くことができた。
最近流行っているジャンルについて伺ったところ、Web小説・Webtoonジャンルでの活動が多いらしい。Webtoonは日本でも翻訳されたものがよく読まれているし、やはり人気のコンテンツのよう。
あとはバーチャルアイドル(PLAVE)も流行っているとのこと。K-POPの土壌がある+Webtoonの絵柄なので、確かに人気が出そうだなと思った。

スペースで本を買うという体験

韓国の同人誌頒布事情について少し説明しておく。
韓国で多く見られるのは、事前入金で予約受付→当日に本を渡す、という流れの頒布方式だ。これは日本ではあまり見られない形式なので、大多数の日本人にはあまり馴染みがないと思う。
同人誌自体はこの事前入金での予約分のみを頒布し、当日はポストカードやちょっとしたグッズのみその場で購入できる、というパターンもあるようだ。

実際、イベントが近くなってくるとこの事前入金の予約受付に関する告知ツイートがたくさん流れてくる。この事前入金には、witchformというプラットフォームが使われることが多いようだ。
ちなみにこのwitchformの利用には韓国の銀行口座が必要なため、外国人は使えない。入手したい本がある場合、御本人に直接連絡して取り置きをお願いする必要がある。
私も今回、フォロイーの方々に直接witchformが使えない説明と共に取り置きをお願いするメッセージを送った。皆さん快く対応してくださり、それもまた本当にありがたかった。

韓国はキャッシュレス先進国なので、同人イベントもまた然りだった。
スペースに決済用のQRコードが置かれていて、そのQRを読み取ってその場で送金して購入する、といった決済方法もごく普通に行われていた。
これは本当に羨ましいし、日本でも広まってほしい。私自身は普段からほとんど現金を使わない生活をしていて、同人イベントのために小銭を準備する行為を単なる"無駄な労力"とみなしている。一時期実際に自分のスペースでQRコードを置いてみたこともあったのだが、PayPayのバラマキキャンペーンによってQRコード決済の認知が広まる以前だったこともあり、利用者はいなかった。
日本の場合は参加者数が桁違いなので、通信環境のハードルもありそうだが、是非日本の同人シーンにもキャッシュレスの波が押し寄せてほしいと切に願っている。

話を当日に戻すと、私は主に取り置きをお願いしていたフォロイーの회님(フェさん)・듀님(デュさん)のスペースに訪問し、そこで現金をお渡しする方法で同人誌を購入した。
ヘタクソな韓国語で話しかけるのは割と勇気が要ったが、あらかじめお約束していたのもあって、こちらがシドロモドロでカタコトの韓国語を話すと「あぁ!あきとさん!!!」と分かって下さった。
日本のコンテンツをプレイしている方々なので、こちらに合わせて日本語で話してくださって、ありがたいやら申し訳ないやらだった。訪問しているのは私なのに……。一応色々な韓国語のフレーズを覚えて行ったはずなのに、いざとなると全然出てこない。

他にも、会場内を見て回って、気になった同人誌やグッズを何点か購入した。こちらは完全にアポなしだし、東アジア人同士だとパッと見では外国人と思われることも少ないので、余計にドキマギした。
なんとか「これを一つください」「いくらですか」「ちょっと待ってください(現金を数える時間稼ぎ)」「ありがとうございます」などのフレーズを繰り出し、それ以外のやり取りについてはPapagoという翻訳アプリを使ってなんとか意思の疎通を図った。(前述の通り、成人認証を受けているとここで年齢確認のやり取りを省略できたのが良かった)
そんな感じでワタワタしまくっている謎の外国人にも皆さん丁寧に接してくださって、本当にありがたかった。

ところで、今回の主目的は自カプの同人誌の購入である。
入場後はメイズさんのスペースに居候させてもらっていたが、日本と同じくイベント開始前の頒布は禁止されているので、開場後に受け取ることになった。
また、私も3月に新刊を出していたので自分の本を日本から持参しており、「新刊を交換する」という流れになるだろうとは予想していた。
だが、私はあくまで自カプの同人誌を"買う"という実績を解除したい。そのために韓国まで来ている。こんな千載一遇のチャンスを逃すわけにはいかない。

ということで、私は事前に準備をして臨んでいた。
メイズさんに「いくらですか?」と訊くと、「日本語分かりません〜」とはぐらかされそうになったので、私は満を持して以下のようなメモをメイズさんに見せた。

メイズさんは崩れ落ちていた。そして私は5,000₩を握らせ、無事に同人誌を受け取った。

あの瞬間のことを、きっと私は忘れない。
日本には自カプの本がないんだと分かったときの信じられない気持ち、でも韓国にはあるからという希望を胸に自分でも同人誌を出してきた日々、フォロイーと一緒に主催をやった自カプWebオンリーの思い出など、それらすべてが走馬灯のように蘇った。
韓国に来て本当に良かった。心からそう思った。

ありがとう、エリオスライジングヒーローズ

といった訳で、私の韓国旅行の目的は無事に果たされた。
イベント後には、メイズさん・ジェジェさんの案内でホンデ(弘大)へ行き、アニメイトを見物したり美味しいご飯とお酒を堪能したりと最高のアフターをしたのだが、それは韓国旅行全体の記事として別でまとめようと思う。

美味すぎサムギョプサル

ここ数年、ポップカルチャーや食文化を中心に日本では韓国ブームが起きていて、日本から韓国へ旅行へ行く人は年々増えている。
オタク文化に関しても、SNSなどで韓国含めた諸外国の方々との交流は確実に増えているだろう。
そんな中でも、今回の私のように「同人イベントで自カプの同人誌を買いたい」と思って海外まで行く人間はおそらくあまり多くはないはずだ。そもそも日本人のパスポート所持率は20%を切っているし、同人イベントの規模に関してはやはり日本のそれは桁違いだからどちらかというと"迎える側"であると思う。
そういった中でも、冒頭にも書いた通り、もし日本人で韓国のイベントに興味がある方がいるなら、その方々にとって少しでも参考になったり後押しになったりする点があればとても嬉しい。

また、今回このような記事を書いた理由の一つに、外国人の視点で同人イベントへ参加するという経験を紹介したかった、という動機がある。
実際、私も長年同人イベントにサークル側として参加する中で、外国人の方が自分のスペースに来て本を買ってくれる、という経験を何度もしてきた。
私は小説同人誌を出しているのもあり、「外国語の小説同人誌を読もうとしてくれるなんてすごい」とその度に感動しているのだが、一体どういう経緯で来てくれたのかがいつも気になっている。
今回の記事は、名も知らない彼女たちへ私から勝手に話しかけるような気持ちで書いた。日本の同人イベントはどうだった?どういうところが面白かった?どんなことが嬉しかった?そういうことを、彼女たちにも訊いてみたい。
きっと彼女たちの中にも、今回の私のように「どうしても日本へ行きたい、日本で同人誌を買いたい」という動機があったひともいるだろうし、日本に普段から住んでいるから遊びにきたひともいるだろう。
自分が経験してみて改めて、あの名前も知らない彼女たちへのリスペクトの念が沸いた。

そして、親愛なる韓国の方々。
今回の旅行は、本当に多くの方々に温かいお心遣いをいただいたお陰で成り立ち、私の人生の中にとっても素晴らしい経験となりました。
心からの感謝を捧げます。
친애하는 한국 분들.
이번 여행은 정말 많은 분들이 따뜻한 배려를 해주신 덕분에 이루어졌고 제 인생에 있어서도 훌륭한 경험이 되었습니다.
진심어린 감사를 드립니다.

そして何より、私をここまで連れてきたのは紛れもなくエリオスライジングヒーローズである。
エリオスライジングヒーローズをプレイしていなければ韓国語を勉強することも、同人イベントへ行くこともなかったかもしれない。
これらの経験は間違いなく私の人生にとって多くのプラスを齎していて、そのすべての源であるエリオスライジングヒーローズというコンテンツには感謝してもしきれない。
ありがとう、エリオスライジングヒーローズ。
どうかこのコンテンツが100年続きますようにと、心の底から願っている。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?