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【自動車整備士が解説】絶対使える工具5選!新人が最初に買うべきは?


こんにちは!komi819です。自動車整備新入社員の皆さん。そろそろ店舗に配属されて、初めての作業・点検に悪戦苦闘している頃かと思います。車検や点検も任されるようになり、支給工具だけでは不便を感じていないでしょうか?
でも工具って正直高額ですよね。なので、工具は必要なもの・必要なサイズから買い揃えるのがベターだと感じています。
そして問題なのが、歴戦の先輩方の工具箱はきれいに揃っているので、本当に必要なものが分かりにくいということです。
本記事では車検整備などで使う頻度が高く、便利で扱いやすい工具を現役ディーラー整備士が特別に解説します。

工具を自分で揃える3つのメリット

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では、わざわざ高額な工具を自分で買い揃えるメリットはあるのでしょうか?結論から言うと、大いにあります。以下3点に分けて解説します。

①愛着が湧く
支給工具とは違い、自分で稼いだ買った工具はあなた自身の大切な資産であり、苦楽を共にする相棒です。「自分の工具」というだけで大切にできますし、仕事に対するモチベーションも上がります。

②作業効率化
適切な大きさ・形状の工具を使用すること。これは時に大幅な時間短縮を促す場合があり、さらに怪我のリスクを下げる効果もあります。時間短縮ができれば、新しい事を吸収するために時間を使えるようにもなりますよ!

③先輩に工具を借りずに済む
始めた頃は先輩に工具を借りる機会が多いと思います。ですが、そのようなことが続くと申し訳なくなってくるでしょう。わからないことがたくさんある状態で、余計な精神的ストレスは抱えたくありませんよね。
さらに作業効率化にも関係しますが、先輩にその都度許可を取って工具を借りるのは、はっきり言って時間の無駄です。なぜなら、わざわざ借りに行ったり綺麗に清掃して返却したりする手間があるからです。


実際何が必要なの?買うべき工具5選

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では、一体何を買えば作業が捗るようになるのでしょうか。ここで私のオススメ工具を紹介します。気になるものがあったらチェックしてみてください。

・スイベルラチェット
支給工具でスタンダードラチェット(ヘッドの角度が変わらないもの)は持っていますよね?
私が紹介するのはスイベルタイプで、ヘッドの角度が180度動くタイプです。この工具を使うことによって、狭いスペースや角度が必要な作業時に圧倒的な効果をもたらします。
差し込み角は3/8(9.5mm)、すでにこのサイズを持っていれば1/4(6.35mm)をソケットとエクステンションバーセットを同時購入することをオススメします。
機能としては、しっかり握れるグリップが付いていると扱いやすいです。ラチェット内のギア数は多ければ多いほど使いやすいですが、ギア数が多すぎると、その分かけられるトルクが低くなります。
この工具は、これからありとあらゆる作業をする上で必須級です。ぜひ買っておきましょう。

・ラチェットメガネレンチ
よく使う工具としてメガネレンチが挙げられますが、このメガネレンチにもラチェット機能を持ったものがあります。車検整備だと、ブレーキ分解やファンベルト調整などで使用頻度は高いです。ロングサイズやショートサイズも存在しますが、各自動車メーカーにより使用頻度が高いものが変わります。ですが最初は通常サイズを一式セットで買うことをオススメします。首振り機能が付いていればなお良しです。

・スクレーパー
車検整備をするにあたり、1台1回必ず使うのがスクレーパーです。古い車検ステッカーを剥がす際に使用します。自分の手にフィットする物、余計な力が掛からないものを買いましょう。また、スクレーパーの刃はこまめに交換する必要があります。替刃もセットで買っておきましょう。

・トルクレンチ
新人に限らず誰にでも求められるものは「確実な作業」をすることです。ボルト・ナットを締めたあとに、トルクレンチで適切なトルクで締め付けることで、締め忘れ防止・オーバートルクによる部品・ネジ山の破壊を防げます。
トルクレンチは、1本で大きい範囲のトルク管理ができません。なので、使用するトルクの範囲ごとに複数のトルクレンチを買う必要があります。
また、トルクレンチは使用頻度により精度に狂いが出てきます。この狂いを直す為に、年1回以上は校正というメンテナンスをメーカーに依頼しましょう。

・ワイパー交換用の倍力ニッパー
よく行う消耗品交換としてワイパーゴム交換があります。ワイパーゴムは両サイドに金属のワイヤーが入っています。長さを切り落として調節するタイプでは、このワイヤーを通常のニッパーで切ろうとするとなかなかパワーが必要です。場合によってはニッパーの刃が負けてしまいそうなほどです。ワイパー交換用の倍力ニッパーがあればパワーを大して使いません。それどころか、ワイヤー2本まとめてさっくり切れてしまいます。爪切りのように切れます。「この作業の為だけに買うのか」と思う方もいるでしょう。この便利さは使ってみれば分かります。ぜひ試してみてください。


工具を選ぶときに注意したい3つのポイント

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①ミリ規格とインチ規格
ボックスレンチやメガネレンチの二面幅の単位にミリ規格インチ規格が存在します。
国産車はミリ規格を揃えれば問題ありません。インチ規格は外国産の車に用いられることが多いです。日産車については、13mmや16mmなどの少し変わったサイズを使うことがあります。注意しましょう。

②ボックスレンチとメガネレンチ

ボックスレンチやメガネレンチはできればセットで買うのをオススメしますが、使用頻度によってはピンポイントで買い揃えるのもアリでしょう。各自動車メーカーで推奨が変わりますので、その際は先輩に使用頻度の高いサイズを相談してみてください。きっと力になってくれますよ。


③高級なものを買えばいいわけではない!
工具は高級・高品質ブランドもありますが、最初は工具のレパートリーを増やしたほうが良いです。「使用頻度が高くて工具が壊れたのであれば、そこだけ高品質なものにしていく」という方法で揃えていくと、無駄な出費も抑えられます。


まとめ

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気になる工具は見つかりましたか?私の一番のオススメは倍力ニッパーです。
他にも便利な工具として電動ツールやエアツールがあります。
また前述した通り、工具はあなたの資産であり相棒です。こまめに工具を感謝を込めて清掃してあげてください。
これからもあなたの整備士人生が楽しく送れるように応援しています。

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