Alaska

20歳、大学2年生

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あまりにもつれづなり

 ひとの目がある場所に記録することで生活に骨組みができて、崩れてしまいそうなかたちはなんとか保たれる、ような気がしている。そんな訳できょうの振り返りのような短い文章をここに書いていきたい。  きょうはキャンパスの片隅の和室で昼寝をした。畳の上に大の字で寝転がって目を閉じる。ただただ蝉の声を聞く。突然雨のような音がして、蝉の声が少し弱まる。鳴き声の種類が減ったような気もするけれど、蝉の鳴き声が再び強まる。雨ではなくて、電車だったのかもしれない。まるで少年の夏休みだった。でもわ

    • 外在化、実験、森山みくり。

      当事者研究では、自分のうちに起こる問題をまるで何かの現象であるかのように一旦外在化させてみるのだと聞いた。心に溜まった澱に飲み込まれそうないま、それを思い切って対象化してしまいたい。 わたしはいま実家のあたたかい布団のうえにいる。なぜかというと、不透明な状況のなかで、ひとり東京に戻るのが怖いから。秋学期、東京でのひとり暮らしを再開した。週に一度の対面授業があるのは恵まれているほうなのかもしれない。それでも、気心の知れた友人や恋人と会って話せば頬や顎に疲労を感じて、長いこと思

      • 「夜は短し、歩けよ乙女」

        1年前の受験生の頃のわたしは不気味だなと思う。生活のすべて、1年のすべてをそのために支配されていた。生活というものがあって、そのうえに受験のための準備があるというよりは、受験という土台のうえに生活がある感じ。いわば、24時間365日、受験に人格と身体を支配されたような1年だった。ちなみにこの支配は、「大学受験生としてのあり方」のもやっとした規範を過剰に内面化することで、わたしが主体であるかたちで成り立っている。(わたしは社会で模範的な何か、を過剰に内面化しようとして身を削って

        • 初投稿:上京する

          1.更新の過程を記録したい「ユリイカ」の濱口竜介監督特集号に、とても好きな文章がある。哲学者の千葉雅也さんが、濱口監督と過ごした大学生時代について綴った「深夜の東京郊外で」。 「現実を織りなす線がまだ固まっていない夜。ハマの映画には、その頃の興奮、不安に満ちた興奮が、おそらくいまでも映っている。」 ふたりにも、未来が確定していなかった夜があり、その夜と同じ身体のまま多くの経験を重ねた先に、それぞれの分野の第一線で活躍しているいまがある。思いを馳せずにはいられない。 その

        あまりにもつれづなり