「夜は短し、歩けよ乙女」
1年前の受験生の頃のわたしは不気味だなと思う。生活のすべて、1年のすべてをそのために支配されていた。生活というものがあって、そのうえに受験のための準備があるというよりは、受験という土台のうえに生活がある感じ。いわば、24時間365日、受験に人格と身体を支配されたような1年だった。ちなみにこの支配は、「大学受験生としてのあり方」のもやっとした規範を過剰に内面化することで、わたしが主体であるかたちで成り立っている。(わたしは社会で模範的な何か、を過剰に内面化しようとして身を削って