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塩麹唐揚げのまあるい優しさ

唐揚げをよく食べていた。昔は。

「今日の夕飯は唐揚げだよー」と母に言われるようなら、宿題のことなんてどうでもよくなるくらい唐揚げのことを考えていた。

でもある時から、唐揚げを食べるとお腹が痛くなってしまっていた。小学6年生辺りからだっただろうか。

その日も私は夕飯に唐揚げを食べていた。食べ終わってしばらくした頃、急にお腹が痛くなり始めた。その後のことはお察しの通りである。

私の「唐揚げあんまり食べられないよライフ」はそこから始まった。

🍗

3つ。それが私の唐揚げを食べられる限界の個数だ。

好きなのに。大好きってほどじゃないけど割と好きなのに。

昔は5つくらい平気で平らげてたなあ…。

そんなふうに思っていたところに現れたのが塩麹唐揚げだった。

中学生の頃。確かその日に食べた唐揚げは4つだったと思う。

「こんなにいっぱい食べられないよ!」と母に抗議した。母は「塩麹だから大丈夫だよ」とだけ言った。

心の中で「本当かよ」と疑いながらも、とりあえず一口齧ってみた。

🍗

私の中で革命が起こった。

「革命」というのは大げさかもしれないけれど。今まで食べてきた唐揚げとはちょっと違ったのだ。

確かに唐揚げ特有の脂っこさはある。
でも少し控えめなのだ。それでいて凛としている。そしてその脂っこさをまあるく包んでくれる塩麹。

びっくりした。こんなに優しい唐揚げがあるんだ!と思った。おいしくて、しっかり4つ平らげてしまった。

お腹は痛くならなかった。

🍗

ここ最近、唐揚げ以外にもお腹と合わない食べ物が増えてきた。それはだいたいおっきなトンカツとか、バリバリ食感のチキンとか。とにかく油を大量に使ったものはダメらしい。

でもトンカツでもコンビニにあるような小さい卵とじとか、これまたどこかのコンビニのファミチキくらいなら大丈夫。

自分の中でお腹と合うもの合わないものが分かってきたのだ。

昔ほどたくさんの量は食べられないけれど。それでも何か美味しいものが食べられるということが幸せだ。

書いてたらなんだか小腹が空いてきたような気がする。でももう時間が時間だから(現在22:27)今日は寝よう。

ぱくぱく。もぐもぐ。あー、おいしい。