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極寒のパリの思い出
凱旋門!エッフェル塔にルーブル美術館!ラデュレのマカロンにヴェルサイユ宮殿!ノートルダム大聖堂!
極寒のパリを私達は大学生活最後の時間を信じられないくらいエネルギッシュに過ごした。
寒くて寒くて何かしていないと落ち着かなかった。
当時の私は本当に知識がなく、裏地も薄いPコートで2月のパリをよくも乗り切ったもんだ。
特に覚えているのは、濃いコーヒーと濃いチョコレート。
カフェで出てくるものが、とにかく濃くて苦くて美味しかった。
2週間続いた旅も終わりが見えてきた。
ずっと寒空だったヨーロッパ旅行だったが、学生最後の休息となる時間は穏やかだった。
田舎から出てきた私にとって、都会での学生生活の目まぐるしさと親元を離れてた自由がとても楽しかった。
ああ、謳歌できたなぁ。
と、不思議な満足感があった。
熱々の苦いコーヒーと、濃くて甘くないガトーショコラが美味しいと思うぐらい大人になれたんだ、と思った。
夢の都というよりは、極寒のパリの思い出。
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