労働衛生コンサルタント対策記録

I. 産業医活動開始、少しだけ勉強を始める 2019年4月〜2020年10月


産業医活動を開始。オフィス系と研究所の嘱託産業医を経験。産業医の研究室に所属しているので、研究を行い、定期的に産業保健の知識を学び、アップデートする機会があった。
研究室卒業生の先生主催の産業医学勉強会にも参加し、「有害業務ってたくさんあるな」「労コンの試験勉強ってこんな感じなのか」とある程度概略を学んだ。 先輩の先生から「労働衛生の基本は、3管理:作業環境管理-作業管理-健康管理。この順番、この基礎で考えるのが重要だ」とアドバイスいただき、これを常に念頭に置くようにした。 研究室には、過去の先輩の受験体験記もあったので読んだ。
2019年には産業保健Twitterer で産業保健職の方と繋がることができた。
令和元年/令和2年度 労働衛生のしおりを購入して、チラチラ読んだ。この時はしおりが無機質に感じて資料集のような感覚だった。 その他には「産業医の職務Q&A」「改訂 写真で見る職場巡視のポイント」を辞書的に読んでいた。

II. 出願 2020年11月〜12月


すでに筆記試験免除であったので、口述試験のみ出願した(筆記試験の勉強はしなかった)。 結婚をして籍が変更になったため、医籍の変更手続きをしていたことを思い出す。出願ギリギリになって新しい医師免許証が届くという事件があり、精神的な負担が大きかった。
医師免許と産業医学講習会修了書コピーの原本証明は近くの労働基準監督署に依頼した。自分はコピーを労基署に持っていったが、原本を持っていくと、その場でコピー&原本証明の印鑑を押してくれるらしい。
「実務家のための産業保健のサイト(柳川先生)」
https://osh-management.com/ の存在を知り、今年度の筆記試験の解答をチェックした。筆記試験の内容が全然解けなくて焦っていた。
日本労働安全衛生コンサルタント会が主催する労コン講習会に参加した。
関連法令講習会(後藤先生)/口述試験準備講習会(加部先生)どちらにもオンラインで参加。資料は郵送で送られてきたので、PCで視聴しながら資料にメモする感じで学習した。 講習は後日オンデマンド配信されたので、講師の先生の講義を期間内なら何回でも視聴できるというメリットがあった。
労働安全衛生に関する法律に疎かったので、関連法令講習会も非常に勉強になった。口述試験で法令について問われたし、受講して良かったと思う。労働安全衛生法の便覧がもらえたので、今後も使えそう。 口述試験準備講習会も非常に勉強になり、だいぶ頭が整理された感じがした(特に特化物、振動、騒音、高圧環境などあまり自分が触れていなかったところ)。
産業保健Twittererのやりとりも勉強になり、刺激になった。フォローするだけで最新のトピックを拾うことができるのはありがたかった。

III. 試験前まで 2021年1月〜2月


加部先生のスライドを見て、ちょこちょことまとめを作っていたが、産業医と研究室の活動もありなかなか勉強が進まなかった。1月半ばから流石にまずいと思って勉強の方法を変えた。
加部先生のスライドは量が多すぎるので、1問1答できる資料を作り、フラッシュカードのようにして覚えることにした。先輩からも「1問1答で話せるようにしないといけない」と助言をいただいた。 勉強リソースとしては労働衛生のしおり、厚生省などの公的なサイト、「実務家のための産業保健のサイト(柳川先生)」がメイン。 「3管理で考えること」「コンサルタントとしてどのようにアドバイスするか」を念頭に考えるようにした。この頃には、しおりの載っている内容も結構わかるようになった。
「図では覚えていても、言葉に出せないとダメ」であることを痛感し、口に出すようにした。例えば、作業環境測定と管理区分、長時間労働に対する面接指導義務の基準をスラスラ言えるようにしておくことなど。
直前期には、2020年度の筆記試験で出た内容の復習、基本事項(3管理や管理濃度/許容濃度(+TLV)、作業環境測定、リスクアセスメントなど)の復習、最新のトピック(THP改正、コロナ対応、エイジフリーガイドライン、インジウム・スズ酸化物、オルト-トルイジン、特殊健康診断項目の変更、溶接ヒューム、個人サンプラー、水晶体の被ばく限度の見直し)のおさらいをした。
最後まで覚えられず、自信がなかったのは石綿/じん肺の分野や保護具。有機溶剤や特化物もうろ覚えだった。

IV. 感想


産業医経験2年ほどですが、労働衛生コンサルタント試験を1発合格することができました。もともと、産業医系の研究室に所属しているというのは大きいですが、加えて産業保健Twittererの皆さんからもたくさん貴重なご助言をいただきました。少し前までは情報を得るのにかなり苦労したと思いますが、貴重なネットワークができて、有益な情報を集めやすくなりました。
また、日頃からの自身の産業医経験を大事にするということも大きかったと思います。
私は工場/製造業の産業医経験はありませんが、それだけでは口述試験では不利にはならないと思います。
あと、重要なのは、実は出願なのではないかと思っています。 原本証明というのは慣れていないですし、出願時期も短いです。私のように医籍変更を検討している方は時期に十分に注意してください。2020年度はコロナ対応のせいか、新しい医師免許証が届くのに6ヶ月くらいかかりました。

改めて助言してくださった皆様にお礼を申し上げます。 今後試験に挑戦される方がいらっしゃいましたら、この記録が参考になれば幸いです。 私でよければ、質問にお答えいたしますので、ご気軽にご連絡いただければ幸いです。

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