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最近の記事

量られる一生

もう随分昔の話になるけれど、とある公募にて応募作が選出され、ささやかですが…と表彰式に呼んでいただいたことがある。 担当の男性スタッフさんから段取りや立ち位置の説明を受けていると、きりっと背筋の伸びた格好良い女性スタッフさんがピンヒールの音を響かせ颯爽とやってきた。(ア〇ミカさんみたいで本当に格好良かった。) 名刺を渡されるやいなや、「もっと堂々として!こんなこと、一生に一度あるかないかなんだから!」と強めに言われ、背中をトントン叩かれた。 悪気がないとは分かっていても、なん

    • 日曜の夜ぐらいは、いいよねって笑いあえたら

      ひそかに毎週楽しみに見ていたドラマ「日曜の夜ぐらいは…」が終わってしまった。 清野菜名、岸井ゆきの、生見愛瑠、岡山天音、エレキコミック、そして岡田惠和さんオリジナル脚本。 見ない理由を探す方が難しかったので放送開始前からかなり楽しみにしていた。 1話を見てみたら思っていた以上にヘビーで、自身の経験とも重なる部分があって苦しかったけれど、求めていた温かさもちゃんと感じ取れてほっとした。 同じラジオを好きで聞いている人って、きっと温度感合うよなあ。(1名は代理なんだけど。)

      • ゆめのひとつき

        スマートフォンを持つ手が震えた。 飲みかけだったビールを一気に飲み干した。 わたしは2023年5月2日18時のことを忘れないだろう。 ノミネート作品を発表! 詳細も何も分からないけれど、少なくとも関係者の方が目を通してくれたのだという事実が嬉しかったし、普段CDを買ったりライブに足を運んだり、月額会員としての日々を重ねたり、言葉を介さぬ方法で伝えるしかない「ありがとう」(彼らはきっとそれで十分だと言ってくれるのだろうけど)を、長い文字列に起こして公式的に本人たちへ届けられた

        • 夜更けの迷子とラジオの君

          私はその夜、ひとり高速道路を走っていた。 仕事終わりに、実家暮らしの年上の彼氏を暖かそうな明かりの灯る玄関へと送り届けた帰りだった。早く自分の家に帰りたい。薄い壁の寒い部屋、私だけの天国。 音楽が好きという漠然とした理由だけで何かにしがみつくみたいに地方の小さなイベント関連会社に勤め始めたけれど、おおよそ会社とは呼べないようなグレーな環境に日々忙殺され、気づけば好きだったらしい音楽を楽しむ余裕など1ミリもなくなっていた。 今日怒られたこと、明日もきっと怒られること、低すぎ

        量られる一生