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卵プリン・アイスカフェラテ

約25〜30日日前のゴールデンウィークに書いていた日記を追記して公開したものです。

体がなまるのでできるだけ意識して散歩した方がいいなと(知ってはいたが)思い始めた。まったく外に出ない日もあるので食後にはちょっとでも歩くなど自分でルールを決めておいた方がいい気がする。朝食をとって片付けをしたあとに長めに歩いた。

最近は毎日蒸しパンを1個ぶん蒸して仕事に行くまえ朝食に食べていた。いつもパン屋でパンを買っていたんだけど、いつも買っているパン屋が休業に入ってしまいパンがコンスタントに買えなくなってしまったからだった。で、作っていて蒸しパンてパンじゃなかったんだ……と思い知った。蒸しパンてあんまり食べたことなかったからよく知らなかった。薄力小麦粉ときび砂糖と全卵と牛乳とベーキングパウダーと植物油をぐるぐる混ぜて生地を作り、ご飯茶碗に入れて蒸し器で15分蒸して毎日食べていた。朝起きて手を洗ってすぐに生地を作ると蒸している間に歯磨きしたりコーヒーを淹れたりする感じでまあまあちょうどいいなという感じだったけど、手持ちの小麦粉もなくなってしまって、とうとうパンを買いに行くしかないという気持ちになっていた。蒸したての蒸しパンは毎朝美味しかったけど、砂糖の量が多くて毎朝ちょっとウッとなった。南インドの食べものにイドゥリという蒸しパンのようなものがあって、以前Kochinという都市に旅行したときに毎朝食べていた。イドゥリは米粉と豆でできているんだけど、イドゥリの方が発酵を過程を経ているぶんよりパンっぽいなと思う。でも英語で言うとイドゥリはrice cakeなんだろうな……。

暑いとか夏日になると予報で見たのでsuicokeの歩きやすいサンダルを出して履いて出た。腕には日焼け止めをぬらなかったので長袖のUVカットのテックウェアみたいなのを羽織ったのだけど、風も通さない素材だったので歩いていたら暑くなり(これがまた、マスクもしているから本当に暑い)、脱いで日焼けするか、着て暑い思いをするか、うだうだと二択を迫られながらずっと着て歩いた。首や耳の後ろにも日焼け止めをぬらなかったので日陰を選んで歩いた。20分くらい歩いてパン屋に行ったら営業時間が短くなっていて、着いた時間から2時間後に開店すると貼り紙がしてあった。まあ、散歩が目的だったので、またあとで来ればいい。散歩を続けることにする。人も歩いていてすれ違うのだけど、圧倒的にいつもより少ない。歩道の脇などに大きな石とかがあってそこに人が腰掛けていると「石が働いてる」というふうに思う。街路樹とかも設置中のガードレールがくくりつけられて支えに使われていたりして「木が働いてる」と思ってしまう。

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「木が働いている」と思う状態↑

歩いている途中でコーヒースタンドが開いていたので冷たいコーヒーを飲みたくなってカウンターで頼んだ。コールドブリューにしようかと思ったけどお店の人に「ミルク入りのコーヒーにしますか?」と言われ、そう言われるとなんとなくそうしたい気になってきてそうしますと言ってアイスカフェラテを作ってもらった。提供されたものは、ミルクとエスプレッソの層状になっているのではなく白くて冷たいミルクの中にもやもやと色の濃いエスプレッソがマーブル模様を作ってだんだん混ざっていく見ためだった。「コーヒーはブラジルの豆のエスプレッソです。このカフェラテはこのまま飲むと卵プリンみたいな感じの味なんです。混ぜないでなるべく早く飲んでください」と言われ、卵プリン……!?と思いながら模様を少しだけ見つめた。ゆっくりと動いている模様はまだ作ったときの力が残っていてこれはオートマティスムだと思った。飲むと本当に卵プリンのような味に感じて頬がほころんだ。でも卵プリンって何なんだろう。私の記憶が正しければ、一般的にプリンには必ず卵が入っている。このとき飲んだカフェラテは、なんでかわからないけどこれまでで一番「牛乳ってやっぱりコロイド溶液なんだ……」と感じた。

2月末ごろから続けて飲んでいた紅茶を飲み終わった。一時期気分を変えるために違う紅茶も挟んだので飲み切るのが4月末になった。これは人からもらったものだ。年末に、自給自足に近い生活をしている方の家に泊めてもらった。家が茶畑に囲まれていて自家製の紅茶を作っているのをおみやげにいただいのだった。最初は薄い感じとかミントにも似た清涼感だとか慣れない飲み口に戸惑ったけど、だんだんいれ方にも慣れてきて飲み慣れてくるととてもしみた……。飲むと自分の中に波が立ち、心が静かに清らかになって波紋だけ広がっていって……これは紅茶でぶっ飛んでるのか……?と思うほどだった。年末に人の家に泊まりに行ったのはいい経験だった。このお茶を作っている人は数学者で、毎日家の中で薪ストーブを焚いてくれた。滞在したうちの一日は、焚火をして過ごした。焚火は焼き畑も兼ねているので、すぐ傍の茶畑から折れたお茶の木の枝を拾ってきて次々と燃していく。お茶の木は乾燥していてとても軽く、足で踏むとすこしくらい太い枝でもすぐに折れて、炎の中に投げ込むとすぐにぼうっと燃えていく。とても扱いやすい木だった。そのことを初めて知った。

紅茶を飲みきったあとは、日本茶の在庫がけっこうあるので、しばらく紅茶は飲まないで我慢していようと思っていたけど、すぐに毎朝紅茶に飢えるようになってしまい、近所のスーパーで茶葉を買った。

ビールもいくつか飲んだ。いくつかというよりいくつも飲んだ。近所の飲食店が酒販免許(期限付酒類小売業免許)を得て、いつもは通販しないと買えないような国内のマイクロブルワリーのビールがすぐに買えるようになった(なってしまった)からだ。この4月に、ビール業界ではAll Together Beerというプロジェクトがリリースされている。ニューヨークのブルックリンにあるOther Half Brewingという醸造所で、ビールのレシピを公開し、All Together Beerとして売り出すことを全世界のブリュワリーに許諾する。その売上を飲食店への寄付にあてるという内容のものだ。日本のクラフトビールの醸造所も参加していて、静岡県静岡市のWest Coast Brewing、山梨県北杜市のうちゅうブリューイング、東京都西多摩郡のVERTEREのものなどを既に飲んだ。Other Halfは数年前、来日イベントのときにイベントをしていたビアバーに並んだことがあるのだけど、ものすごい行列だったな。いにしえの表現をすると「ビール売るってレベルじゃねえぞ」みたいな感じだった。

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West Coast Brewing 


以前書いた日記では、アディクションしてしまいそうだからアルコールを飲まないようにしようとか言っていたのにこの体たらくだ。良くも悪くも状況に慣れてきてしまった。つまりあまり何もしないということに慣れてきてしまって、仕事も、毎日しているけど、本来業務の中でできることがそもそも今少ないし、一方でいつもはまあまあ働いているのでなんだか際限なく怠けている感じがする。気持ちとしてはなんだか焦るような、しかたないと諦めるような、恐れていたような急峻な変化、怒涛の展開はないんだけど、そういう平坦な低地に落ち込んでだらっと寝ていて動けない感じ、それを誰にも言えないでいる。仕事を解雇された人、働くことのできない人はこの実感はなおさらで焦る人も多いだろう。みんなどうしているんだろう。直接会って話したい。

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