いつかアイドル辞めてもいいよ

自称「どうしようもないアイドルオタク」が、巷で話題の名作『絶対アイドル辞めないで』を聞いた。(↓全人類聞け)


「絶対アイドル辞めないで」という"禁句"を、見事なまでのアイドル自身が鮮やかに歌い上げる姿。そんなエンターテインメントに本心と建前を撹乱させる。
いつまでも引く後味と、なんでもなかった幻想を両立させる、これとない名曲だ。
この歌を聞いて感じることが、オタクの数だけあって良い。


そして私はこの歌を、「いつかアイドル辞めてもいいよ」と読む。

なぜこの言葉に訳すのか。(そもそも言葉を言葉に訳すなて感じですが)
そこには本日2024年7月15日に27歳のお誕生日を迎えた!私の好きなアイドル、森本慎太郎さんの存在がある。



其の壱

慎太郎くんにとってアイドルは、「これしかねぇからこれにかかってる」ってほどじゃないと思っている。(長くなる話)というツイートをしたことがある。

この言葉の真義は、まぁ直訳通りなんだけど、
「慎太郎くんは選ばれし世界一のアイドルでありながら、アイドルである自分を守るために、そうでない自分の尊厳を決して疎かにしないことで、ある種の切なさと頼もしさを生み、アイドルを嘲笑うかのように見える瞬間さえもあって、決してアイドルなんかに自分自身を崩されない人なんだ」という考えから成る。


もっと具体的に話す。
私たちが見ている慎太郎くんは、
末っ子として愛らしく笑い、「分かりやすい」なんて言われながら、好きも嫌いもおおらかに表現し、自分らしく楽しんでアイドルをやっている。美学に自尊心を持ってパフォーマンスしている。

一方で、こんな慎太郎くんに触れることもある。
地元に沢山の友だちが居て、聞いたことねぇ名前の芸能界の友だちが居て、そんな漫画みたいなコミュニティ存在すんのかよと案ずるようなプライベートを吐露する姿。
サラサラの毛の犬と、果てしない海と、甘ったるい恋が好きで、知らない街で遊んでいる姿。
決して放映できない真っ黒な過去を、苦笑にも冷笑にも見えるような表情で、同志だけに囁く姿。
デッケー家で大切に育てられた故の気品や、完全に拗らせた兄弟関係を一切にタブーとしている姿。



こういった面について、私はいつも「知らねぇ」と思っている。

なぜなら、
クランクアップの際にメンバーカラーの花束を抱え、片足でターンする時にもう片足を巻きつけるように踊り、「ね、この夏は」という歌詞の際にねこの手マネをし、蕎麦を食べながらカメの脱走劇に想いを馳せる慎太郎くんこそが、私の好きなアイドルそのものだから。それで充分だから。


だけど、こういった私の好きな「アイドルの慎太郎くん」は、いつも「知らねぇ」と思っている面によって、作られ/守られていることを知っている。そのことに、心から感謝しなければならないと思っている。 

慎太郎くんにはきっと、アイドル以外に大切なものがたくさんあって、そこに充分な幸せを見出す力がある。たとえアイドルじゃなくなっても、きっと大切なものは離さない。いっぱい苦しい思いをしているのに、アイドルが天職だと感じさせる。楽しむ努力をしてくれる。

そんな慎太郎くんに「絶対アイドル辞めないで」なんて言葉を使うことができない私は、これからもずっと、笑いながら言っていたい。

いつか、アイドル辞めてもいいんだよ。



其の弐

これは、50歳を迎えたアイドルも、40手前のアイドルも、10代20代の頃から応援してきた私の勝手な独り言ですが、【25~28歳】が男性アイドルの最盛期です。(断定してしまうんだ)

そんな言葉は嘘である。アイドルはいつだって輝かしいし、それぞれに思い出や思い入れや"好み"があってそれがナンバーワンだ。(即否定しておく)

確かに、10代の自担と過酷なステージで睨みあった日々の空は、一生忘れないほどに蒼かった。息をするようにバク宙してくれた。
30代の自担と、沢山の夢を叶えて沢山の夢を諦めて、白い月に誓った言葉を覚えている。ここが山頂だという人もいた。
40代50代の自担と、岐路と再会に手を振り続ける夕暮れの、日の暖かさを守り続けたいと願う。予算なんて大量にあった。

だけれども(だからこそ)、【25~28歳】の男性アイドルが最盛期だと断言したい。

なぜなら最盛期には、"人"を酷使するアイドルという職業にとって、無理をできる丈夫な身体があるから。
「まだまだ足りない」(=野心)と「感覚で判(解)る」(=自信)のバランスが完全に整うから。
アイドルである自分に没頭することができるのは、この時期だけだから。


女性アイドルには「卒業文化」が確立されてきた。ただし私の好きな男性アイドルたちは、時代を超えて、多岐にわたり自分を表現しながら生きていくことが多い。どちらの姿にも尊さと温かさがある。
だからこそハッキリ言葉に残しておきたい。客観的に見て、顔とパフォーマンスが恣意的に麗しく計画的に銘する時期は、"ここ"が絶頂だと思う。

そんな時期をまさに生きてる自担がいる。この時期のパフォーマンスを一生忘れない。27歳のアイドル……ほんとありがとう。

慎太郎くんのアイドル道はどこまで続いていくのか分からないけど、いま確実に(私にとっての)最盛期を、想像以上の爆発力で生きている。
頭に黒いタオルを巻いて、タンクトップで大暴れするパフォーマンス。
長いジャケットの裾を持ち、羽ばたくように前進するパフォーマンス。
歓声を浴びるのが大好きだと聞こえるような片目ウインク。
幼さの残った成人の顔。
忙殺されるほどに打ち込む仕事量。
この年代のアイドル慎太郎くんを見れた我が人生に、なんの悔いもないと感じる。

だから、いつかアイドル辞めてもいいよ。


ところがどっこい、慎太郎くんは、「なんか楽しみだね、10年後!」「36歳か。旬だよ、旬!脂乗ってるぜ〜!」などと言う。
なんだよそれ。私が大間違いじゃないか。


だからやっぱり、絶対アイドル辞めないで。



でも、いつかアイドル辞めてもいいんだよ。

任せとけ、
きみは世界一のアイドルだということは、俺がゼッテー忘れない。



27歳のお誕生日、おめでとう!!!!!!




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