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音楽は呪いか、死か、祈りだ

筆をとるのは久しぶりになります。
ご無沙汰しています、VRサウンドクリエイターのみずのです。

障害年金の再審査請求が棄却されました。
やっぱり期待していたもの、道理が通るものが一年半以上待ってそうは行かなかったので、天から地まで落ち込みました。
もともとアーティストなんて国や政府になんて守られちゃいけない生き物なんですが。


あとメインスピーカーをFocalに入れ替えました。たまたま旧型のCMS50というモデルに、結果的に宇多田ヒカルと全く同じものを選びました。
伴って入念に測定とチューニングをしました。結果がトップ画像、このスタジオの新しい顔です。
10年かけて機材を入れ替えてきましたが、ようやくお金を取っているスタジオとしてはどこに出しても恥ずかしくないサウンドになりました。
以前いた邦楽ロックシーンからはかなり遠ざかりましたが、コロナ禍が終わったらまたこの部屋をたくさんの人が出入りするスタジオとして稼働させたいなと思います。

過不足なく前置きを書いたつもりなんですが、要するにマジになって考えてみたんです。
わたしは遠くなく引き払う実家で、障害年金を含むごくわずかな収入で(ぶっちゃけ借金しながら)暮らしています。
去年の10月にVR方向に舵を切ってから40曲は書いたと思いますが、収入はごくごく僅かです。(いまは仕方ないことだし、そうあるべきことだとも思います。)
障害や壮絶な20代もあって人生で一度も経済的自立をしたことはありません。

大人になってお金と情報の流れを見れるようになったので、いくばくか音楽収入を得る方法についてもバンド時代の先輩やVRの友人に相談しながら考えてみました。
いくつかにはトライしていて作曲そのものは楽しいのですが、たぶん肌には合わないと思います。要は飯を食うためのいくつかのトライです。

わたしは掛け値なしに自分の音楽を世界に同じものがない固有のそれとして愛しています。
しかしこれは端的に言うと「生きづらさ」とトレードオフというか、そもそも売れる音楽が作れるとか自分でビジネスがマーケティングができたらそうしているというか、そうできないからわたしのいまの音楽が成立しているというパラドックスが存在します。苦笑。

転じて、VRの話について書きます。
NeosVRを初めて半年とすこし経ち、あぁ自分はみんな以上に、いやそもそもVRのテックやビジュアル的なものの面白さには興味がないんだな、と気付きました。(!)
なぜVRChatでもなくClusterでもなくNeosVRを初めたかというとそれはある禅問答の答えを探していたからなのですが、わたしが惹かれているものはわたしの言葉で言うところの”神がつくりしもう一つの世界”的な、思想・哲学的な側面です。

これはわたしにとってその”神がつくりしもうひとつの世界”で全く新しい政(まつり)や商(あきない)ができることを意味します。
生きづらい、飯が食えない現実世界とは別のところでブルーオーシャンにたくさん苗を植えよう、種を撒こうと思って音楽を書いてきましたし、刺激的なVTuberさんたちやイベントがたの作家になることができています。

音楽家はどう足掻いても思春期に想いを馳せて聴いていた音楽に、まぁわたしの場合ビートルズでもくるりでもニルヴァーナでもレッチリでもなんでもいいんですが、巣に帰るようにそういった音楽に戻っていく、離れることができないという話があります。

わたしの弱さは、大事なことをすぐ忘れることです。その代わり、忘れたことをすぐに思い出し戻ってくることができます。


最近そうしたくるりなりビートルズなりレッチリなりニルヴァーナを聴いて涙することが増えて、”あぁ、音楽は祈りだ”と確信するに至りました。

大昔に洞窟の壁に壁画を描いていたアーティストは宗教画家としてのバックがなければそうすることはできなかっただろうし、それが純粋な祈りであることに変わりはないと思います。

生きづらいし、全然お金ないけど、死なないしとにかく音楽を作り続けようと思ったんです。祈りを捧げ続けよう。ただ純粋に。

どうしようもない、生活保護も無理かもしれない、死ぬ、ってときにはきっと誰かが助けてくれる、なんとかなると思っています。

わたしはいまVRで三方よし、みんなの相互性のあるセーフティネットのために音楽をつくる仕事をしていると思っています。生協じゃないですけど、困ったときはお互いさま、のため。
そういう網みたいなものをつくれるのも、わたしが思うNeosVRの素晴らしさだと思っています。

音楽そのものがストックになったり、ブロックチェーンでアーティストが取りっぱぐれない(取りっぱぐれるんです、死ぬほど...)未来もやってきます。もしかしたら前述の洞窟の壁画のようにパトロンが現れてくれるかもしれません。

ひとつみなさんにお願いがあります。
歌ってみたミックスでも、DAWソフトのレッスンでも、リモートRECの相談でも、身近な環境のためのマイク/ヘッドホンひとつの購入相談でも構いません、わたしに頼ってください。このなかにはお金を取らない内容もたくさんあります。

純粋な祈りには、力があります。生活がどうにかなったら、祈りはより純粋になるのかな...といったところできょうは筆を置きたいと思います。

祈りといえば、2月にリリースした楽曲”SuperStar”のサブスクリプション配信がはじまりました。
祈りのために力を貸してくれた、ベースのテラメロディさん、マスタリングのタカユキカトーさん、彼らの音楽も知ってもらえたら嬉しいです。

うまずたゆまず、頑張ります。
Kento Mizuno_210717




このnote内での活動にかかわらず、音楽家としてのわたしを応援してくれる方がいたらとても嬉しいです。読んで、聴いて、リアクションいただけるだけでも、飛び上がるくらい嬉しいです。宜しくお願い致します。