聴神経腫瘍になって② 体の異変を感じたら、ちゃんと調べよう。

どうもこんにちは。山本メディカルクリニックの山本です。
今回は、どうして聴神経腫瘍の診断に至ったかを記録しておこうと思います。

最初に異変を感じたのは、2021年8月でした。
急に、右耳にふさがるような違和感を覚えたのです。(これを、耳閉感といいます)
急に耳が聞こえなくなる病気はいろいろあります。最も有名で、かつ早く治療しなければいけないものは、「突発性難聴」です。最初、僕は、自分が突発性難聴を発症したと思ったのでした。
これはまずい、早く治療しないと。と思いました。突発性難聴の治療は、いろいろありますが、まずはステロイド薬です。知り合いのつてをたどって耳鼻科に受診し、聴力検査をしたところ、やはり聴力の低下があり、経過も典型的だったので、「突発性難聴でしょう」と言う診断になり、ステロイドの内服を始めました。

その後、聞こえる感じは徐々に良くなり、あーよかった、治ったんだ、と思っていました。右耳の聞こえは若干、違和感はあるものの、日常生活で困るような事はなく、もちろん患者さんを診察するにしても、それほど困る事はありませんでした。
僕は、患者としてはちょっとお勧めできないタイプだったのですが、実はこの時、耳鼻科の先生に「また検査に来てくださいね」と言われていたのですが、忙しさにかまけて、検査に行きませんでした。まぁでも良くなっているし、大丈夫かな。と思っていました。

ところが、2021年12月、また聞こえなくなったのです。
基本的に突発性難聴は再発しません。僕は耳鼻科医では無いですが、内科医ですので、病気についての通りいっぺんの知識は持っています。再発するなんておかしい。いやでもそういうこともあるのかな。
これは、内科医の自己判断で治療するにはリスクが高すぎる。と思って、4ヶ月ぶりに、またお世話になった耳鼻咽喉科の先生にかかりました。

「また、がっつり聴力が落ちてますね」
初対面ではないので少し打ち解けた耳鼻科の先生は、このときの結果をちゃんと教えてくれました。たまに、2回なる人もいますよ、と教えてくれましたが、こんな事って本当にあるんでしょうかとよく相談しました。

「一応、聴神経腫瘍は見分けておいた方がいいかもしれませんね。」

この時、耳鼻科の先生が僕にこうアドバイスしてくれなかったら、もしかしたら僕は自分の病気を見過ごしていたかもしれませんでした。お見受けしたところ、僕よりも少し若手の耳鼻科の外来の先生、同業者の内科の医者に、色々と話すのは気を使うこともあったと思いますが、よくアドバイスしていただいたと、とても感謝しています。

こうして僕は、聴神経腫瘍が自分にあるかどうかを確認するために、自分の家の近くの検査専門の医療機関で、頭の造影MRI検査を受けることになりました。

ただ、聴神経腫瘍は、結構珍しい病気です。僕はまさか自分がこんな病気になっているとは思いもよらず、検査はそうそうに受けましたが、結果を確認するのはちょっと忘れていました。聞こえもまた元に戻っていたし。

そして、検査を受けてから1週間後、結果が僕のもとに届きました。結果には、学生の時に勉強したのとほとんど同じ、教科書に載せていい位の聴神経腫瘍の写真が映っていました。

ショックだったか?と言われると…
うーん、あんまり現実感がないというのが正直なところでした。

ただこればっかりは、放っておくわけにいかない。治療しなければ。
と言うわけで、脳神経外科を受診することになったのです。

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