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スプラトゥーン3 勝つための考え方

はじめに

 2022年10月時点で私はS+5のウデマエに達しており、これ自体はさほど高いわけではないのですが、バンカラマッチのチャレンジモードで全ルール7~8割の勝率で勝てているため、私が普段実践している方法をここにまとめます。
 また、ここで書くのは飽くまでも『私はこうやって勝っている』という方法をまとめたもので、これ以外の方法では勝てないということを指してはいません。
 さらに、私自身にうまく言語化できていない部分もあるかと思いますので、ここに書いてあることだけで必ずしも勝てるとも限りません。

また、記事の中で以下のオリジナル造語を使います。

ガチオブジェクト
 ガチエリアのエリア部分、ガチヤグラのヤグラ、ガチホコのホコ、ガチアサリのアサリとゴールを総称してこう呼びます。

前線
 両チームのインクが塗られている中間のあたりのこと。
 概ね画像の緑で囲んでいる辺りの場所のことで、最も戦闘が活発な場所です。

ハラス
 ハラスメントの略で、ゲーム的にはローリスクローリターンな牽制攻撃を指します。
 主にボムで行い、相手に移動を強要しそれによる分断やミスを誘発させ、その隙にキルやカウント進行などの本命を通すために行います。

ネットで拾った画像です


ミクロとマクロの考え方

 あまりこういったったゲームで使われにくいゲーム用語なのですが、スプラトゥーンではこの考え方が重要になると私は考えているので最初に軽く触れておきます。

ミクロとは


 試合の中での小さな動きを指します。
 スプラ的に言えばキャラコンやエイムの上手さがこれです。操作制度に関することは概ねこれです。
 1対1での撃ち合いでの勝敗はミクロの技能が大事になります。

マクロとは


 試合の中での大きな動きを指します。
 スプラ的に言えばキャラの立ち位置やガチオブジェクトのカウントを進めるタイミングやルートの判断など、操作とは別の部分で試合に関わる要素がこれです。

 ざっくりと、ミクロが兵隊それぞれの強さを指し、マクロが作戦と戦術のことを指していると考えればOKです。

 試合をしていて「沢山キル取ったのに負けた」という試合が発生することがあると思います。
 そういった試合では概ね「ミクロ(兵隊の強さ)では勝っていたが、マクロ(作戦と戦術)で負けている」といったことが起きていると考えます。

 これを理解していないと、「マクロ負けしてるのにエイム練習を繰り返す」といった無駄な練習を繰り返すモンスターが産まれてしまいます。

 このゲームはキルとデスの数自体は勝敗には一切かかわらず、勝敗は進めたカウントのみで決定します。
 そのため勝つためには戦闘以外にやらないといけない事が沢山あり、目の前の戦闘にばかりかまけてはいられません。

 そういった理由から、私はスプラトゥーンはマクロの優秀さが勝敗に出やすいゲームだと考えており、つまり手っ取り早く勝率を上げるのはキャラコンやエイムの練習ではなく、ルールの理解と判断の精度を上げることだと考えます。

前線の考え方

 こんな僻地の記事まで読んでいる人には、前線という言葉の意味や考え方は既に概ね理解しているだろうと思うので、この言葉の意味などについては割愛します。

 スプラトゥーンではインクの塗られている場所が足場になるため前線より奥の相手のインクがたくさん塗られている場所では、こちらの足場が少なく場所もバレバレなのに対し、相手は泳ぎ放題で隠れ放題という圧倒的に不利な戦闘を強いられ、基本的にこの状況で撃ち勝つのは無理と考えていいでしょう。

 しかしガチオブジェクトを進めるためには相手の陣地の中まで進んでいく必要があります。
 そこで前線より奥に進むのではなく、全員で床を塗りながら進み前線ごと前に進んでいくことで、上述した圧倒的不利な戦闘を避けるというのが前線に関する基本的な考え方です。

 人数で有利な場面では全員で連動して前線を前に進め、不利な場合は前線を下げつつ最小限の後退でデスした味方の合流を待つ、といのが前線に関する基本のキです。

前衛 中衛 後衛の考え方

 ここでのそれぞれの意味は、前線との距離で考えています。
 ブキ毎に特異な前線との距離が違うということをしっかり意識することで、それぞれの役割も理解しやすくなると思います。

前衛

緑の前線に対して、青が前衛の主にいるポジション

 前線に一番近い位置で立ち回り、最も戦闘が多く、最もキルしやすく、最もデスしやすいポジションです。
 デスしやすいためスペシャルの強さよりも、メインとサブの性能が重要になる場合が多いです。
 これの役割は前線を維持することで、後述する中衛と後衛が仕事をするための戦闘をこなすのがメインの役割です。
 オブジェクトのカウントには直接関わりにくいポジションですが、前衛がしっかり仕事をすることがカウントを進めることに繋がります。

 戦闘が役割のポジションですが、重要なのはキルをすることではなく死なずに前線付近で戦い続けることです。
 「あのシューターを倒さないと前に進めないんですけど!」と相手に思わせればOKなので、相手を深追いして相打ちみたいなのは駒損と考えていいです。

 また、キャラコンとエイムのミクロが重要なポジションでもあり、これに自信のある人は積極的にこれを選ぶといいと思います。私はあんまり得意じゃないです。

 前衛に求められるブキ性能は主に、『近づいてきた相手をキルできる性能『自分の足元を即座に確保できる性能』の二つです。それに追加でちょっとは射程もあるとなお良しって感じです。
 キルが絶対に必要なわけではありませんが、キル性能の低いブキでは前線を維持するための怖さが足りません。

適正ブキ例 スプラシューター .52ガロン スプラローラー マニューバー系

中衛

緑の前線に対して、青が中衛の主にいるポジション

 前衛と後衛の間に居座り、その双方のカバーと自分のブキ毎の役割をこなすポジションです。ここがどんな動きをするかによってどういう展開で勝つか決まります。
 前衛よりもデスしにくいため、スペシャルを戦術に組み込みやすいです。
 戦闘以外での以後とが最も多く、監視する範囲や試合の中での様々な重要な判断を強いられる、臨機応変に考えて戦うポジションと考えます。私が最も多くプレイしているのはこれです。

 基本的には前衛のフォローが最も多い仕事になります。そのフォローの方法も様々で、以下にいくつか例を挙げます。イカだけに。

  • ボムで相手のチャージャーを高台から降ろす

  • 相手の前衛を削って味方の前衛にキルさせる

  • 味方の前衛が戦っている相手を横から撃つ

  • 相手の前衛をボムで分断する

  • 前衛がデスした際に安全な場所で肉ビーコンになる

  • 前衛がデスした際に一時的に前衛に加わる(スペシャルを使ったりする)

  • 前衛が立ち回るための足場を確保する

  • 裏取りを狙って単独で動いている相手を倒す(相打ちでも駒得)

 書き始めたらキリがなくなっちゃいそうですね。こういう沢山の仕事をその場の状況によってこなしていきます。
 縁の下の力持ち的なポジションで、キルもほとんどとらないため相手からは「あ、いたんだ」と思われる感じになってればOKです。
 でもアシストがつきやすいのでリザルトの数字は大きくなりやすいです。

 このポジションの武器に求められる性能は、『前衛と相打ちできる程度のキル性能』『一歩後ろから前衛をフォローできる射程(ボムでも可)』『スペシャルウェポンの強さ』です。

 上述したように、スペシャルを戦術に組み込みやすいためスペシャルの強さが武器選びで重要になります。前衛がやられた際の耐えや、前衛が勝った際の押し込みに使えるものを選ぶといいでしょう。
 これも繰り返しになりますが、キャラコンやエイムのミクロよりも場面ごとの判断が重要な、考えて戦うポジションなので、フィールドを俯瞰で捉えて自分含む味方と敵を駒としてどう動かすかといった具合の思考が得意、または好きな人におすすめです。イメージは画像の感じ

ワールドトリガー11巻より
ワールドトリガー13巻より

適正ブキ例 わかばシューター スクリュースロッシャー ブラスター系 スクイックリン バレルスピナー RACT-450

後衛

緑の前線に対して、青が後衛の主にいるポジション

 基本的にチャージャー系がこれに就く、前線から最も遠い距離に立って長い射程で前線に関わるポジションです。他のゲームでいうところのスナイパーがこれに近いですね。
 狙撃による一方的なキルを安全圏から行い、また目立ちやすいため相手からのヘイトを買いやすく、ナイスダマやウルトラショットが山ほど飛んできます。なのでやってみると想像以上に過酷です。

 これの役割は狙撃でのキルなのですが、ただ漠然とキルを取るのではなく、『いつ誰をキルするのか』が重要になり、具体的には『最初の1キル』を担うことを目指します。
 これは試合開始時のキルということではなく、発生する集団戦ごとの最初のキルを指します。
 後衛が最初のキルをとることで、前衛中衛は人数が有利な状態で前線で戦うことができます。
 また、後衛がキルを取ることが期待できる場合には、前衛と中衛は前線での戦いで『自分で倒す以外にも、後衛の射程内まで釣る』という選択肢がうまれ立ち回りに余裕が出来ます。こういったものも後衛に求められる役割です。

 安全圏から攻撃をする性質上、復活ペナルティアップとの相性がいいです。これは、一発ごとにチャージが必要で連続キルをしにくい後衛でも、2人以上の人数差を作りやすくするギアでもあります。
 余談ですが復活ペナルティアップは、相手を倒した際のリターンよりも自分がデスした際のリスクが大きいギアですので、これを装備することでデスによる重みがより増すことになります。

 一般的にチャージャーなどのスナイパー職はエイムが難しいと言われており、シューターなどと比べた場合は実際その通りでしょう。
 また、チャージャーを使っていれば『この1発を外したら負け、当てれば勝ち』というような重いプレッシャーのかかる場面を強いられることが必ず起きます。
 そういったプレッシャーの中でも落ち着て当てられる胆力や度胸、集中力のある人が適任でしょう。
 ここで書くのもなんですが、前衛と中衛はそういった辛い射撃を自軍の後衛になるべくさせないように、落ち着いてリラックスして撃てる環境を作ってあげるとこれも勝率に繋がると思います。

 これは良くも悪くも射撃が当たるかどうかが最重要なポジションなのですが、そのうえで意味のある場面で意味のあるキルを目指すような、考える力も同時に求められます。
 基本的には『前線での戦闘が有利になるように、最初に相手の数を削る』というキルの仕方を目指すのがいいでしょう。
 また、ステージ毎の高台などのチャージャーが強い場所を覚えて、そこを巡回するように動き続けるのも大事になります。
 「あのチャージャーずっとあそこにいるな」と相手に思われてしまうと、射線を切って動かれてしまい満足に射撃を当てられなくなり試合に貢献できなくなってしまうためです。

適正ブキ例 スプラチャージャー(スコープ) リッター4K(スコープ) バレルスピナー トライストリンガー

最後に
 ここまで読んでいただいてなんなんですが、この前衛中衛後衛の考え方に固執しすぎてはいけません。
 試合の展開や状況、チームの編成次第では適正の低いブキで他のポジションに就く必要があったり、そもそもポジションの考え方自体が邪魔になる場合もあります。
 ポジションの考え方についても、『こういう考え方もあるよ』という程度で、これが全てではないとしっかり考えておきましょう。

役割の考え方

 ここではブキ毎にそれに求められる役割について触れます。
 メジャーなブキや私の理解が比較的高い武器に絞りますが、今回触れない武器に関しても、同じような考え方で役割を考えていいと思います。

スプラシューター .52ガロン
 ポジション:前衛
 主な役割:戦闘 前線の維持

 役割と仕事としてはもっとも単純なブキだと考えます。前線付近で戦って生き残り続けることで最も貢献できる純粋な戦闘職です。
 ポイントとしては、『二人倒してデスする』よりも『一人倒して生きて逃げる』方が貢献度としては高いということです。
 また、プレイしていれば思い当たると思うのですが、このゲームでは相手をキルした瞬間が、最も目立って標的にされやすいです。相手に位置もバレていてインクの飛び散りも激しいためです。
 なので、極端な話ですが『一人倒したら欲張らずに安全を確保する』という方針を取った方が試合に貢献しやすいでしょう。

わかばシューター
 ポジション:中衛
 主な役割:前衛のフォロー 戦場の足場確保 カウントの進行

 初心者向けのイメージのある武器ですが、実際は求められる仕事が多く忙しめな結構テクいブキです。

 試合開始時には前線にボムを投げながら前衛の退路を作り、その後は前線を囲うように足場作りと相手の裏取りルート潰しを並行して行う。
 人数差が出来た場合、有利ならスペシャルを使ってカウント進め、不利ならスペシャルを使ってカウントが進まないように維持する。
 これら全てを前衛のフォローをしながらこなします。操作以外の見る範囲の多さや対処の優先順位を考える頭脳労働で大忙しです。
 こまめにマップを開いて盤面全体の状況を把握し、起きてる自体に対処することを目指します。
 マップで自軍の位置と相手の位置を予想して、数秒後に戦闘が発生しそうなポイントを予め、自軍に有利なように塗っておく事ができたら完璧ですね。

  相手の目線ではほとんど前線に顔を出さないため目立ちませんが、実際は裏で全ての戦闘に関与している、というような状態が理想ですね。
 ポイントとしてはボムの使い方の手札を増やすことで貢献がしやすくなります。これについてはかなり長くなるので、具体的な話は機会があったら別の記事に書きます。ざっくりとどこに投げるか以外に『見せるように投げるか』『見せない位置に投げるか』を使い分けることでボムによるキルトアシストがぐっと増えます。

スプラチャージャー リッター4K
 ポジション:後衛
 役割:キル 相手の進行速度を落とす

 前の項でも書いた通り、最初の1キルを迅速に取ることで前線での人数有利を目指します。また、打開の場面でも最初の1キルをこれが取ることで4人揃ってスペシャルを使うことが出来ます。
 相手の進行速度に関しては、これが生存しているだけで相手は正面から愚直に進むことが出来なくなるということを指しています。
 相手にチャージャーがいる場合には、少し撃ったら移動するといった具合に、身体を長く晒さない立ち回りが必要になります。
 チャージャーがいい位置にいると相手は『二手に分かれる』『遮蔽物を利用して進む』などの対応を強要され、その対応している間が時間のロスや人数不利の原因になります。
 基本的に前衛や後衛などの戦闘に関わってくる相手を狙って倒せると、より貢献できるでしょう。

スプラローラー
 ポジション:前衛 中衛
 役割:前衛のフォロー キル スペシャル使用によるカウント進行

 他ゲームでいうアサシン的な立ち回りを行えるブキです。移動のために床を塗る必要があるこのゲームでは裏取りの成功率自体が高くないので、基本的には『味方と戦っている相手を横から倒す』のがメインになります。
 成功率が低いとはいえ、カーリングボムによって素早い移動ができるので、状況によっては相手の視界の外から裏側に回り込むことも可能です。
 また、前衛の撃ち合いにカーロングボムによるハラスで参加するのも大事な役割です。
 スペシャルを自分で活かすのは難しいため、前衛の味方が上手く使えそうな位置に置くといいと思います。
 注意点として、床の塗りが足りないと接近ができずキルの選択肢が取れなくなってしまうため、味方の塗り意識の高さによって貢献できるかどうかがある程度決まってしまいます。
 そう言った理由から、有利な状況でより有利になるブキですが、不利を覆す力はあまり高くないという感じです。
 個人的には『味方への依存度の高さ』と『味方のプレイを歪める』という2点であまり野良では好んで使用していません。
 刺さったらめちゃ強いんですけどね。

ホットブラスター ロングブラスター スクリュースロッシャー
 ポジション:中衛
 役割:前衛のフォロー カウントのストップ(ガチヤグラ)

 スクリュースロッシャーだけ浮いてますが、役割が近いので一緒にしました。
 前衛を担うに足場を即座に作って逃げる力が足りず、ブラスターの直撃を除いてキルスピードでシューターに勝てないなどの理由から、前線での打ち合いよりも味方の戦闘に横から介入する方が得なブキです。
 それぞれ爆風と渦+曲射による独自な射線を通せるのが特徴ですね。
 どちらも咄嗟に足場を塗って逃げるのが得意ではないので、常に自分の退路を意識することが生存に繋がります。
 ポイントとして、『1発当ててあとは味方に任せる』といった判断が上手くなるほど貢献度の高さに繋がります。
 また、ガチヤグラのルールではヤグラの上に乗った相手を倒すのが大得意であることなどから、大事な場面で生きていることが最も重要です。
 すぐ後に相手がヤグラに乗りそうな場面では、目の前の戦闘をするよりも、数秒後にヤグラに乗った相手を倒すために一度引くといった判断ができるような視野の広さも必要です。

最後に
 これらの役割も前の項と同様に、編成や味方の動き次第では不得意な役割に就く必要があることを覚えておきましょう。
 例えばスクリュースロッシャーで自陣の床塗りをしなければいけない場面もありますし、わかばシューターで相手の前衛と撃ち合わなければいけないこともあります。
 事前の予定や個人の理想的な行動から外れたとしても、味方の編成と動きや好みに合わせて臨機応変に自分の動きを変えましょう。

キルとデスの考え方

 前述したようにこのゲームではどのルールでも、キルデスの数が直接の勝敗には一切かかわりません。多少極端ですがキルが勝敗に関わるのは『カウントを進める』『床を塗る』などの、勝敗に関わる仕事を邪魔をする相手をキルした場合のみだと考えていいです。

 デスに関してはわかりやすく、デス前提で突っ込めばカウントリードが出来る場面など、デスを前提とした行動が貢献につながる場面は結構あります。そういったデスで有利になる場面でデスするために、関係ないところでは必死に生き残る、といった感じになりますね。

 それ以外のたとえばガチオブジェクトから離れた位置や、進行ルートから外れた位置での戦闘はその勝敗に関わらず基本的に無駄であり、タイミング次第では利敵行動にすらなるということを肝に銘じましょう。

 『カウントが進んでいる間は関係ない場所での戦闘も有意義』といった考え方もありますが、そもそもカウントが進んでいる時点で関係ない場所にいる相手なんかに構う必要はなくて、そんなものは無視して前線で人数有利を作った方がいいです。
 放置したその相手が裏に回ってそこから全滅、といった裏目もありますが、それはその浮いた相手に構った自分が撃ち負けた場合でも同じリスクを負うので、裏に回る可能性を考慮しても無視して、その相手が裏からキルをしに来たタイミングで全員で対応する方がリスクが低いと考えます。

編成事故と編成差の考え方

 編成については試合開始の時点で有利不利が決まったり、場合によっては勝ち筋のほぼない編成事故が起きることがあります。
 ただ私の経験上の話ですが、本当に勝ち筋が0なほどの編成事故はいままで起きたことがありません。また、そういった不利なマッチングでも細い勝ち筋を通そうと考えてチャレンジする姿勢と経験は、必ず次以降の勝率に繋がります。

編成事故
 前提としてここでは理想的な編成を『前衛2~3 中衛1 後衛0~1 近接系0~1』といった具合だと考え、これから離れるほど弱い編成となり、後述する不可欠な役割が欠けた場合を編成事故と考えます。
 ブキ種などによって変動はしますが、チームの編成と味方の動きを見て、自分がどのポジションを担うべきか考えましょう。
 不可欠な役割は『足場の作成』『前線を維持する前衛』です。
 足場の作成は塗りが不得意なブキが集まってしまった場合には、全員で少しずつ足場作りの意識を持つことが重要になります。
 この二つの役割は、ブキの性能的に無理をしても誰かがやらないといけません。

編成差
 次に相手の編成との差を考えます。ざっくりと『塗り力』と『後衛の有無』について確認し、この時点でおおまかな勝ちへのプランを立てます。

 最初に考えるのは『塗り力』の差で、基本的には『8人が一切の戦闘をせずに床を塗り合った場合に、どちらのチームの塗りが強いか』と考えます。
 攻めにも守りにも足場が必要なゲームなので、ここで大きく勝っていると既に大きなアドバンテージを得ていると考えられます。

 塗り力で勝っているチームは、極端な話ですが『キルできなくても全ての戦闘で逃げ延びれば勝ち』となります。
 逆に負けている方は『コンスタントにキルを取って前線を上げ続けないと負け』となります。

 これを最初に確認することで、試合全体で戦闘への関わり方を決めます。
 前者では逃げる相手を深追いする行為が負け筋になり、リスクとリターンが合わなくなりますが、後者ではハイリスクハイリターンな勝ち筋になるといった具合です。

 次に確認するのが後衛の有無です。これによって、ざっくりと『前線付近での人数に差が出る』『身体を長く晒せなくなる』といった違いが出ます。
 こちらに後衛がいる場合は『前線付近は人数不利、深く切り込まなくても、相手を釣って味方の後衛に撃たせることが出来る』となり、相手に後衛がいる場合は『前線付近では人数有利だが、相手の後衛の射線に注意しないとすぐにその有利を失う』といった具合に意識に違いが出ることになります。
 後衛の有無が有利に働くかどうかはステージとルールによりますが、開始時点でこれをしっかり確認して試合全体を通して意識しておきましょう。

打開の考え方

 前線が自陣のすぐ近くまで押し込まれてしまい、自陣側の高台から降りられないといった状況を解決するための考え方です。
 他の場所でも言われていることですが、打開で飛び出してはいけないというのが基本なので、ここでは少し踏み込んでその意味などに触れていきます。

 まず打開が必要な場面をざっくりとまとめると以下のようになります。

  1. 足場の範囲が相手に有利

  2. 自軍全員の位置がほぼ相手にバレている

  3. カウントの進行が実質的な時間制限になっている

  4. 相打ちは状況の好転に繋がりにくい

 1と2の理由から、単独で飛び出しての戦闘が圧倒的に不利なことを意味しており、仮にその戦闘で相打ちまで持ち込んだとしても、4の理由から打開にはつながりません。
 相打ちが状況好転に繋がりにくい理由は、人数に差が出来ず相手は位置バレと足場の量で大きく有利で、時間を潰せば勝ちなのでデスした味方のスーパージャンプを待つ余裕があるからです。
 最後に3の理由の時間制限に関してはガチエリアを想像するとわかりやすいのですが、カウントが0になるまでの間に打開を成功させる必要があり、その時間も長くありません。
 その時間の間に無駄なデスをする余裕はまったく無くて、さらに時間がたつにつれて取れる行動の選択肢もどんどん減っていきます。
 例えば打開のためにスペシャルを溜めたり、脇道から攻めたりなどの選択をするためには時間が必要なのですが、無駄にデスをしてしまうとこれらの時間が足りなくなり勝ち目の薄い正面からの飛び出しをしないといけなくなります。

 次に打開の方法に関してですが、これは打開されて負けた試合を思い出すとわかりやすいと思います。
 ほとんどの場合で、『ウルトラショットかナイスダマを同時に撃たれて、1~2人がデスした際に人数不利で押し潰される』といった具合だと思います。これを自分でもやるだけです。
 つまり、『時間に余裕のある間にスペシャルを溜めて、味方と連動して使用する』というのが基本になります。
 その他にも何らかの理由で相手がデスして人数有利が発生した際に、味方と連動して飛び出すなどの方法もあります。何らかの理由とは、調子に乗って飛び出してきた相手をキルした場合や、ハラス用のボムを運よく相手が引っ掛かった場合などです。
 どう言った理由にせよ共通するのが『前線を一気に上げる』という部分で、これには味方との連動とスペシャルの使用が必要です。必要というかこれがないとめちゃくちゃ難しいし運も絡むという感じです。
 「適当に飛び出すな」とよく言われているのはこういった理由からですね。

リスキルの意味について

 ここではリスキルのことを、『相手のリスポーン地点付近でキルを繰り返す』ことを指し、『スーパージャンプの着地地点で待ち構える』ものは別として扱います。

 リスキルの戦術的な価値を語るうえで、前の項で読んでいただいた『キルが全て試合の勝敗に関わるわけではない』ことと『オブジェクトのカウントに関わらない戦闘は無駄』というのが基本の考え方になります。
 これらを総合するとリスキルに戦術的な価値を与えるためには『塗りと地形で不利な相手のリスポーン地点で、カウント終了まで戦い続ける』必要があるということになります。
 個人的にはこれが出来るならやった方がいいし、出来ないならやらない方がいいと考えています。

 リスキルのデメリットは単純にデスしやすいこと以外にも、相手の陣地で自軍のインクを撒くことが相手のスペシャルを溜めることに繋がることや、相手は4対1をさばいた後に4対3を行うことで打開が成立するため、人数の有利で打開が比較的簡単といったことがあります。

 また、リスキルの網から抜けた相手が前線でキルに成功した場合に、相手のスーパージャンプによって前線の人数不利を被るといったリスクもあります。

 そういったリスクとリターンを鑑みても、リスキル行為にはほぼメリットはなく、それが出来る上手さをオブジェクトへの関与率の高い場所で発揮する方が勝利に貢献できるだろうと私は考えています。

スーパージャンプの考え方

 デスした場合にスーパージャンプで前線に戻ることに成功すれば、素早い復帰ができ前線の後退をより少なくすることが出来ます。
 しかし、ジャンプの着地地点は相手にも見えるためジャンプする場所をミスすれば連続デスになってしまい前線はさらに後退することになります。

 基本的にスーパージャンプは後衛などの『リスクなくジャンプが成功する位置』に向かってのみ行います。
 自分がデスした場合には即座にマップを開き、味方の動きや盤面のインクの動向、生存している相手の数を観察して安全に飛べる位置があるか考えます。ない場合や少しでもリスクがあると判断した場合は普通にリスポーンします。
 相手が全員デスしている場合は最前線に向かって飛んでもほぼ大丈夫です。
 基本的にスーパージャンプによるリターンがリスクを上回ることはなく、少しでもリスクを感じる場合は普通にリスポーンするべきです。
 そのため本来は相手のギアや名前を見ている暇なんてないんです。

 上記とは反しますが、リスクが高くてもジャンプする場合があります。
 残り時間的に普通のリスポーンでは前線まで到達できない場合や、あと数カウントでリードする場合のヤグラがこれに該当します。
 基本的には「大きな振りを被っても今飛ばないと間に合わない」という状況でのみ行う博打技だということは理解しましょう。
 ヤグラの場合も通常リスポーンからもう一度進めていくほどの時間の余裕があるならば、ジャンプせずに普通にリスポーンして味方と連動する方がいいです。
 ざっくりと、ハイリスクジャンプは負けがほぼ確定した試合でも、1回だけ挑戦できる運ゲーと考えます。

ブキ選びの考え方

 ここでは野良でのマッチングに関しての話をしていきます。パーティならバランスを考えてそれぞれが得意なブキを使いましょう。
 また、ここでは勝ちやすいブキ選びについて考えるもので、他のブキでも十分に勝つことは出来ます。
 そして、「勝ちやすいブキ以外使うな」といったことを指図するような意図もありません。

 結論から、前衛が出来るシューターを持つのが一番いいと私は考えています。
 編成の項で書いたように、中衛後衛近接は一部の例外を除いて2人以上被ると弱いというのが理由です。
 またほとんどの前衛ブキが床の塗りもある程度こなせるため、前衛が被りまくった場合にも中衛に就くことが出来るため、編成の事故が起きにくいです。
 逆に一番勝ちにくいのは、被った際の弱さが大きい後衛と近接だと考えます。
 これらを持つ場合は、常に被りによる編成不利のリスクを背負うことを覚悟した方がいいです。

 考え方としては、ステージやルールによって「多少の事故リスクはあっても、これだけは絶対にチームに1枚は欲しい」といったブキを優先して使い、それ以外なら前衛と中衛が出来るシューター、といった具合に使うのがいいでしょう。
 中衛後衛近接は事故のリスクがあるので自分の練度と相談した方がいいと思います。

VC時のコールとオーダーについて

 VCパーティでプレイする際、試合の中で上手に情報を交換したり作戦を提案することで、試合をより有利に進めることが出来ます。
 ここでは報告のことをコールと呼び、作戦提案のことをオーダーと呼びます。
 余談ですが、私は試合中に意味のない会話や雑談をするのが大好きなので本来はこれには肯定的なのですが、ここでは価値に貢献しない無意味なものとして扱います。

コール
 意味のあるコールを行うことが大事です。基本的には以下のことを気付いた人が積極的に知らせるといいでしょう。

  • 相手チャージャーの大まかな位置

  • 相手の裏取りの有無と大まかな方向

  • 前線人数の有利不利

  • 相手のスペシャルが溜まっている

 これらは主に前線で戦闘をする前衛に向けた情報です。
 忙しいと見落としがちな情報を口頭で伝えることで、前衛を有利にする意図があります。
 ポイントは位置の報告を大まかにすることです。具体的な位置を伝えようとすると、それだけ言葉が長くなってしまうためです。
 1回のコールが長くなると、『他の人のコール機会を奪う』『その間に報告の内容と場所が変わる』『聞くことに集中力のリソースを割かれる時間が延びる』などのデメリットがあります。
 同様の理由でスペシャルのコールは『誰のスペシャルが溜まっている』ではなく、『相手のウルトラショットが溜まってる』といった方法で伝える方がいいでしょう。
 コールは短く簡潔におおまかにが基本となります。すべてを伝えればいいというわけではありません。

 次にしない方がいい、邪魔になってしまうコールについてですが、一番多いのは「○○にやられた」という報告です。位置を知らせる訳でも人数の有利不利を知らせるわけでもなくこれを言われても、聞いた方はその情報を戦術的に活用することはできません。
 自分がデスした際にやるべきなのは、即座にマップを開いてその中から必要な情報を伝えることです。
 裏取りルートの塗り状況を見れば、裏を狙っている相手がいるかどうかがわかりますし、相手のどのスペシャルが溜まっているかどうかを見る余裕もあります。

 最後にコールのポイントとしては、自分が伝えたいことではなく、受けた人間が活用できそうなことを伝えるのを意識すると無駄になりにくいでしょう。
 より厳密にしたい場合は、マップの要所にそれぞれ名前を付けてそれを共有することをお勧めします。

オーダー
 基本的には盤面を広く見られる中衛か後衛が多くやる事になります。
 チーム全員で連動して動きたい際にそのことを伝えるのが目的で、主に以下のことを伝えるといいと思います。

  • 開始時に勝ちのプランを共有する(いのちだいじに、ガンガンいこう など)

  • タイムアップが近い時の勝ちプラン共有(ホコをもって逃げ切る 延長に入れさせてスペシャル使用で勝つ など)

  • 攻めるタイミングとルートを指定する(前線を上げる ホコを左右どっちから運ぶ アサリをゴールする)

  • 前線を下げる(気付かなかった前衛を置き去りにしないため)

  • 防衛にシフトする提案(ヤグラ、ホコ、アサリなどで前線での戦闘を中断してカウントの防御にシフトする場合)

 これも書き出したらキリのない項目なのですが、ざっくりと普段私が行うオーダーをさらに以下に書きます。

「ゴール防衛、集合急いで」
 ガチアサリを持った相手が自軍のゴールに迫っていて止められなさそうな時
「いったんちょっと下がって仕切りなおそう」
 前線付近の足場作りが間に合っておらず、前衛が不利な戦いを強いられそうな時
「右後ろから裏取り一人来そう→倒したわ」
 右から裏取りが来てる時。左の場合もある。私が倒せた場合はそのことを追加でコールします。
「今左から進めるよ」
 ホコやアサリでゴールまで大きく進めそうな時。ホコの場合は「道作ってくれ」を追加でオーダーすることもあります。
「ここでリードしないと時間足りないよ」
 制限時間的に今ここで無理してでもカウントリードしないといけない時。仕切り直しでは間に合わず、無理してでも攻めを継続する必要がある場合にオーダーします。
 これをオーダーして負けると責任を感じてへこむので、あまりやりたくないですね。
「あとは引いて守って勝とう」
 カウントでリードしており、制限時間が30秒を切ったあたりで状況を見てオーダーします。
 攻めを継続してデスした場合の逆転負けのリスクが大きいと判断した場合にオーダーします。
 これも負けると責任を感じるので緊張しながらオーダーしています。

 他にもいろいろありますが、メインはこんな感じだと思います。
 コールと比べてオーダーは責任を重く感じやすい行為なので緊張しがちですが、「こうすれば勝てる」「こうしたら負ける」という思い付きは私は積極的に言っていく方がいいと思っています。
 そして、オーダーを受けた場合はなるべくそれに従うようにしましょう。
 従う人と従わない人で足並みがそろわないのが一番ヤバいというのと、ある程度全員が従わないと、後で「オーダーの内容が良かったのかどうか」という反省が出来ないからです。

最後に
 コールとオーダーについてここまで書いてきましたが、VCアリでのパーティープレイで最も重要なのは雰囲気を悪くしない事だと私は考えています。
 暴言やチームへの文句によって雰囲気を悪くするプレイヤーが混ざるとコールやオーダーの量が減り、操作への集中力も下がります。
 こうなってしまったチームでは本来勝てる試合でも負ける場合があります。勝てない上に楽しくないではやってる意味がありませんね。
 暴言もそうですが、「自分のせいで負けました。ごめんなさい」的なことを負けるたびに言うのも、やりすぎると雰囲気を悪くする原因になります。
 相手との関係性などによりますが、何事もやりすぎはよくないし、ゲームプレイ上の会話も人間同士のコミュニケーションの延長線であるということを忘れてはいけません。
 極端ですが、無駄なコールや質の低いオーダーも、チームの楽しさや盛り上がりに繋がるならプラスに働くと私は考えています。
 ルールとマナーを守って楽しくプレイすることが継続するモチベーションに繋がり、継続するモチベーションが上手さと勝率に繋がるのです。


最後に

 ここまで読んでくださった方は本当にありがとうございます。
 私の文章がヘタクソなので、冗長でまとまりのない記事になってしまいましたが、これが少しでも誰かの参考になるようであれば幸いです。

 本当はルール事のポイントや一部のブキの立ち回りなどにも触れたかったのですが、長くなってしまったので別の機会に別の記事にしようと思います。

 繰り返しになりますが、最後まで読んでくださった方はありがとうございました。
 また機会がありましたら、次の記事でもお会いしましょう。

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