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エルドリッチ的な勇者ギミックの話

はじめに

 前回の烙印エルドの話の追記的な話です。
 エルドリッチ的な勇者ギミックへの考え方を個人的にまとめてみます。

勇者ギミックとの相性

 まずエルドリッチは勇者ギミックと相性がいいのかどうか、という点についてですが、個人的には「悪くはないが総合的には大きなうま味はない」という考えです。

 勇者ギミックの簡単なおさらいですが、基本的な特徴は以下のようになります。

  1. アラメシアを使用するターンは通常召喚したモンスターの効果を使用できない

  2. グリフォンライダーの先出しで、誘発を弾きながら先攻展開が出来る

  3. ドラコバックによって相手に1回部分の妨害を消費させられる

 1に関してはエルド的には問題なしです。
 2は先行では基本的に罠を伏せて次のターンに動くのを目指すため、誘発を弾きたい機会がそんなにありません。
 3は後攻での捲りの手段が増えるだけでなく、後述するエルド関連カードとドラコバックの相性がいいため、勇者ギミックを採用するうえで一番うまみのある部分はここかなと思います。

先攻で勇者を引いた場合のメリット・デメリット

 例えば天威勇者などではグリフォンライダーを使用して先行展開を通せるため、勇者ギミックが展開の成功に直接関わっています。
 対してエルドリッチで行う先行展開は罠を複数伏せるというもののため、先行展開の成功率に勇者ギミックがほぼ関与しません。
 つまり、エルドリッチの先行で引いた勇者ギミックは「先行の展開を補助するカード」ではなく「グリフォンライダーによる1妨害を用意するカード」でしかないということになります。
 1妨害にしかならないのであれば罠を引いても妨害数は変わらないので、先行で勇者関連カードを引くうま味があんまりないという考えです。

 また、勇者関連カードのうち、アラメシアと水使い以外は勇者トークン+グリフォンライダーにならないため先行では妨害にはならず、場合によっては負け筋にすらなります。
 勇者ギミックでは最低で7枚のカードを入れることになりますが、このうち3枚が先行で引いた場合に死に札になるということです。
 それだけでなく、本来なら効かなかったはずの増殖するGをアラメシアに使われるというデメリットもあります。

 以上の理由から、エルド的に先行で罠ではなくアラメシアを引いた場合のメリットとデメリットをまとめると以下のようになると思います。

メリット

羽根帚を受けても1妨害(グリフォンライダー)が残る。
もしくは羽根帚を無効に出来る。
次のターンに使えるリソースが増える(ドラコバック、運命の旅路)

デメリット

相手に増殖するGによるドローを許す
うららを使われた場合に妨害数が減る

最初のターン以外で勇者を引いた場合のメリット・デメリット

 次に考えるのは先行以外で引いた場合に関してです。
 デメリットに関しては概ね変わらず、増殖するGやうららなどの誘発に対して弱くなるというくらいですが、メリットが大きくなります。

 エルドは捲りの際にコストになる魔法罠を沢山要求してくるので、使用後に場に残る運命の旅路や、コストとして使っても帰ってくるドラコバックは相性バツグンです。水使いも墓地から魔法を供給できるため、コストを確保しやすくなります。
 アラメシアをエルドリッチのコストとして考え、運命の旅路はこれを維持することで水使い(アラメシア)をターンごとに1枚サーチし、魔法を1枚増やすカードとして考えます。

 ちなみにドラコバックのバウンス効果は勇者トークン以外の通常モンスターについていても使用できるため、コンキスタドールとワッケーロに装備することでも使用できます。
 そうして使った後は、勇者トークンを出した後に、フィールドのドラコバックをコストにエルドリッチの②を使うことで装備のしなおしができます。

 以上のことを踏まえて、罠ではなく勇者を引いた場合をまとめたものが以下の通りです。

メリット

エルドリッチのコストを確保しながら妨害を踏める
次のターン以降のリソースを確保できる

デメリット

うららに弱くなる
罠複数で捲る、というプランが取りにくくなる

勇者を採用するメリット・デメリット

 最後に勇者関連カードを採用することに関してです。
 ざっくりと「デッキ内の罠濃度」「引きたくないカードの枚数」がポイントです。

 まず罠濃度に関して、エルドでは先行での妨害以外に後攻での捲りにも罠を複数使う場合があります。この罠の捲りプランをとるためには罠を多く引いている必要があり、端的に言えば「勇者じゃなくて罠を引いてれば、手数が足りて捲れた」という展開が発生します。

 次に引きたくないカードに関して、エルドリッチもとい罠デッキの特性上、手札の枚数=妨害数になるデッキでは、グリフォンライダーやアラメシアの被りなどで実質的に手札が少ない状態からのスタートは特に先行で致命的です。
 7枚採用した勇者関連カードのうち、2枚以上は引きたくないといった具合になります。
 そのためデッキの枚数を増やしてこれらを引きにくくするなどの工夫が必要になると思います。

 以上のことを踏まえて、ざっくりとまとめると以下のようになります。

メリット

水使い、旅路、ドラコバックによるリソースの供給、維持が強力
トークン、グリフォンライダーの2000打点でライフカットが早くなる

デメリット

一部カードの素引きが負けに繋がる
デッキの枚数が膨らむ

総括

 最後にエルドリッチ的な勇者ギミックへの考え方を、ざっくりとまとめます。

  • 先攻での妨害数は増えない

  • 妨害を罠だけでなく前後に分けられる

  • エルドリッチのコスト供給の役割ではとても強力

  • 複数引きが負けに繋がる

  • 複数引きさえしなければ、後手の捲り力が上がる

 こんな感じの具合かなぁって感じです。
 ざっくりとコストの供給と後手の捲り力が上がり、負け筋が増えるといった感じだと思います。
 端々でギミックとしての相性自体はいいのですが、デッキとしてみた場合に私はあんまりかなぁって思います。
 妨害を前後に分けられる利点も、烙印関連や手札誘発を採用した方が裏目も少なく強そうに感じます。
 エルドリッチミラーではコストを多く供給できる勇者採用型の方が有利になると思いますが、他の対面で勇者の有無が負けに繋がることはあっても、勝ちに関わることがあんまりなさそうと思います。

最後に

 ここまで読んでいただいてありがとうございます。
 また誰かの参考になれば嬉しいです。

 今回は割と私の個人的な考えをつらつらと書いた感じなので、もっと別の考え方もあるかと思います。
 また、勇者採用は微妙という結論で書きましたが、前シーズンでは私は勇者採用していました。
 金満で謙虚な壺が3枚使えて、デスフェニックスガイもディバインの存在から強く使えたため、被った勇者関連カードをアナコンダにできて、前述の被りが弱いというのがマシだったためです。
 こういう具合に、私も制限改定次第ではまた勇者アリの方がいいってなる場合もあります。
 他にもランクマッチではデッキの流行りがあるので、マッチングしやすい相手などに合わせて勇者採用を検討することもあります。

 エルドリッチもとい罠デッキは、環境に合わせて採用する罠を変えられるというのが強みです。
 エルドリッチ的には勇者も採用できるという選択肢があることが強みなので、一概に「これが強い」と思考停止するのではなく、「今は入れてないけど、刺さりそうな環境になったら勇者採用もできる」という具合に環境に合わせて常に考えながら構築とプレイをしていくのがいいと私は思います。

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