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タツノコプロを創った男 

『タツノコプロを創った男 アニメの神様吉田竜夫の全仕事』宝島社 (2022/11)

こどもの頃、TVの再放送で繰り返し見ていたアニメはタツノコプロで制作されたものが多かった。

ヤッターマンをはじめとするタイムボカーンシリーズ、いなかっぺ大将、みなしごハッチ、ハクション大魔王、破裏拳ポリマー、新造人間キャシャーン、どれも印象的なオープニングとそのテーマ曲が今でも鮮明に記憶の中からよみがえる。

自分の感性の一部は間違いなく、タツノコプロによって作られたといってもいいだろう。

そのタツノコプロの創業者、吉田竜夫の業績を当時、タツノコプロで働き、巣立っていった9人のクリエイターへのインタビューをもとに振り返っていたのが本書。

そのクリエイター達だが、現在、画家として活躍する天野喜孝、メカニックデザイナー・大河原邦男、アニメ監督・笹川ひろし、プロダクションI.G会長 石川光久、スタジオぴえろ創業者 布川ゆうじなど、日本アニメ界を牽引してきたレジェンドばかり。

そのレジェンドたちの証言より偲ばれたのは、吉田竜夫は、仕事でも私生活においてもかっこよさを追求する童心を忘れない、いい男だったようだ。

巻末の年譜を見ると45歳で肝臓がんで亡くなっている。もし、生きていたら、どんなアニメを作っていたのだろうか。


人の世に熱あれ、人間(じんかん)に光りあれ。