かまもとみわ

'01 お笑いと音楽と本 大学生

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最近の記事

破戒/島崎藤村

穢多という身分から制度的には解放された新平民たち。しかしそれは穢多からの解放であると同時に新平民という苦悩の始まりだった_____ 一人の穢多出身の教師、丑松の人生を描いた作品 近現代文学の講義でちらっと名前が出てきて、そういえばまだ読んでなかったな〜と思って読み始めた一冊。読後一声目は「これは…傑作……」だった。考えることが多すぎて上手く言葉に出来る気がしないが私は頑張るんだあ 『破戒』というタイトルにもあるように、主人公の丑松はこの話のラストで父からの「決して素性は明

    • ✍文章を書くということ

      小説をちまちま書いていてふと思うことがある。 この中に出てきている人物、考え、行動と自分はどんな関係なのだろうかと。その姿が現実の自分とあまりにも乖離していて戸惑うことがしばしばある。 でもこのお話は誰に向けて書いているのでもない、100%自分に宛てて書いたもの。自分だけのお話。 ならここに出てきている人物は他人のために取り繕っていない、偽りのない自分かもしれない。 などと考えてしまうから、ものを書く時はすごくふわふわする。自分自身が掴めない感覚。何処にいるのかも、何がした

      • 古本を買うということ

        もはやネットでも電子版でも気軽に書籍を買うことが出来るようになったが私はやっぱり紙に印刷された、誰かに1度読まれた本に惹かれてしまう。 こんな事があった 私は小説を読む時気になったフレーズやそのお話の肝となるであろうページの角をおる癖がある。それは後から見返して読んだ時の感覚を思い出させるためでもあるし、自分の心に留めておくための封のような役割でもある。 その時もいつもの様に素敵だと思ったページの角をちょこんと折りながら読んでいた。するとそのページはまるで私がそ

        • 金閣寺/三島由紀夫

          1人の修行僧である少年が美の象徴である金閣寺に火をつけるに到るまでを独白形式で書いた一冊。 しばしば三島由紀夫文学の最高傑作と言われる。 NHKの「100分de名著」で取り上げられると聞いてもう一度読み直した。前回読んだ時より理解が深まり、味わい深く読むことが出来た。 今回は番組と併せて自分なりに考えたことを書こうと思う。 _____ 主人公溝口の大学時代の友達である柏木という男の言った言葉についてだ。 この物語では「絶対的なもの」、「美」の象徴として金閣寺が設定され

        破戒/島崎藤村

          2020.08.02 特に意味はない

          朝起きてパジャマのまま洗面所に行く 化粧してない世界一だらしない自分の顔を見て絶望して あぁ、また一日が始まったなって思う そりゃディズニーみたいに小鳥が私だけのために歌ってくれたり嘘みたいに綺麗な朝日が迎えてくれたら私だってもうちょっと背筋も伸びると思う でもまあ私の朝なんてせいぜい好きな音楽を自分で流すくらいしか娯楽要素なんてない ここでレコードプレーヤーでかけれたら格好もつくけど生憎そんな洒落たものは持ち合わせていないので 妥協してケータイ。これはあんまり良くないこと。

          2020.08.02 特に意味はない

          美しい星/三島由紀夫

          古本屋でたまたま見かけた際についでに買ってみた 案の定文章は小難しく、比喩は(私には)ピンと来ないのが多いので読むのに時間がかかったが、読み終えた後の頭の中の反芻がなんとも言えず、くせになりそう 何度も読んで咀嚼していくとだんだん見えてくるそんな作品だと思う ___ この作品は核兵器保有による人類の滅亡という政治的要素や思想も含んだ重く深い内容だが、同時に著者の美への見解も述べられている この政治・思想性と芸術性という一見相反する要素を著者はSFという設定に落とし込んで上手

          美しい星/三島由紀夫