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メトロンズ第3回公演『僕の大好きな最悪な飲み会』感想

2022年5月4日〜5月8日。赤坂レッドシアター。しずる・ライス・サルゴリラ・中村元樹の計7名で構成されるユニット"メトロンズ"の第3回公演『僕の大好きな最悪な飲み会』が開催されました。

半年に一度やってくるワクワクな期間。今回もnoteにて気の向くままに拙いながらもつらつらと感想を残したいと思います。少々正しい正しくないの分からない考察も混じってますのでご了承ください。

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私にとっての初見は4日。初日なのでもちろん前情報一切なしでの観劇。

まずは毎回ワクワクさせられる"舞台セット"。今回はどんな感じなんだろう〜って気持ちでいざ会場に入った瞬間驚いてしまいました。「もう居酒屋じゃん。終演後このままここで飲めるじゃん。ホームランセットコスパいいな。」メトロンズの舞台セット毎回細かいとこまで凝ってるのすごく好きなのですが、開演待ちまで舞台眺めてるのが過去最高に楽しかった舞台セットでした。

そんな開演前を過ごしたのちいざ本編。今回も初っ端からマスク越しでずっと口角上がりっぱなしで頬骨痛かった(笑)

ジワジワと笑い続けてた中一気に私の中の笑いの沸点を上げてきたのが児玉さん演じる"アベ"の振る舞い。あの先輩からの偉そうなありがたい(?)教え。「いるわぁぁ…付き合うのちょっとめんどくさいやつ(笑)でもそういう私も後輩にやったことあるやつ(笑)」思いながらアベが口開くたびずっとニヤニヤしてました(笑)

村上さん演じる"フジイ"がKAƵMAさん演じる"ネモト"の次の転職先をバラすところから空気が重くなっていく展開。これを機にネモトの怒りをかいフジイはキツく問い詰められるシーン。初見時は「別にフジイはネモトを貶めるような理由なんて全くなくてプラスの意を込めて話したんだし、そこ分かってあげても…」って感じでフジイ寄りでネモトの振る舞いをキツイ印象で観てたのだけど、まぁでもあれほんと人によっては地雷なんだよね。ネモトが怒る理由も分かるのよ。人間関係の難しさというかちょっとした闇って感じ。

観てるうちにずっと思ってたのは、「田所さんいつ出てくるん?このままだと出演時間少ないし今作印象薄くなるぞ…?」ってやや心配してました。実際田所さん公演前コロナで入院してたし影響あるのか?って感じなことも脳裏に浮かんでしまったり。

……えっと、全くその心配はありませんでした。残り数十分で一気にインパクトを振り切ってくるある意味今作の大問題児(笑)"ホウジョウ"。「嫌い」「ムカつく」「殴りたい」って感想が飛び交ってるって田所さん本人も呟いてたように散々な言われっぷりみたいですが…観てる人皆をそう思わせるくらいのあの狂演はあまりに凄すぎて度肝抜かれました。私もホウジョウは「なんで相手のことも考えずそういう自分勝手な傍若無人な振る舞いをするんだろう理解できない」って印象で嫌いなんだけど、あの役を本気で演じる田所さんは今作とても好きで、この後また観る時も「仁さん早く観たいなぁ。笑」って感じでした。

初見後もう一度『僕の大好きな最悪な飲み会』ってタイトルと照らし合わせながら本編の内容を振り返って思ったのは、"大好き"って絶対皮肉だなって。あの飲み会"最悪その1""最悪その2""最悪その3"……っていくつ事例出てくるんだよって。とにかくシニカルな印象だったので「池ちゃんブラックな作品作ったなぁ!笑」って感じでございました。

今回は過去作と違いタイトルから展開は流れ察することもできなくもない作品だなとは思いましたが、その魅せ方が愉快痛快シニカルで見応えがあるのが良いなと思いました。


次の現地観劇は土曜のマチネ・ソワレでした。

この時点では話の展開等分かってるので、毎作そうなのですが2回目以降は登場人物の細かい表情仕草言動にも注目しながら楽しんでます。セリフがなくスポットが当たってない場面でも片目と耳はスポット当たってる登場人物にやりながらももう片目はスポット当たってない登場人物にやって、また新たな気づきができるのも楽しい。そしてメトロンズ全登場人物にそれぞれ気づきや面白いなとなるポイントをくれるので、毎回恒例の目が足りなくなる現象に陥る(笑)

関町さん演じる"メグロ"が後輩と楽しそうに話してるシーンではアベは隣でシュンとしてるとことか、アベが後輩に教え説いてるシーンではメグロ離れ小島で無関心なとことか、話の展開分かった上でみたら「このギスギス感おもろいなぁ」ってなれる。

今回アフタートークもあったのでそのアフタートークきっかけで徐々に登場人物のバックグラウンドストーリーが垣間見えてくる感じも面白かった。バックグラウンドストーリーを自分の中でも考察しつつ頭にチラつかせながら観てまたひと笑い。赤羽さん演じる"シマムラ店長"が急に説教し出したのってなんでなんだろうな…ホウジョウの影響なのかな、とかね。

一つ、"答えは本人たちのみぞ知る"って感じで良いなと思ったシーンの感想を。

終盤ホウジョウの手から皆を守るためネモトは立ち上がる展開。"ホウジョウさん、師匠って呼んでも良いですか?!""俺ホウジョウさんと差しで飲みたいです!!"ネモトのこの提案あたりからホウジョウちょっと戸惑いを見せ始める。でもその後蚊帳の外にいたフジイ・アベ・シマムラ店長がホウジョウ討伐に加担して最終的にわざと楽しませようとしていたことがホウジョウにバレる。

ホウジョウ、終始わざと故の振る舞いだったって勘づいてたのかなぁ。それともネモトの提案で戸惑ってるあたりは騙せてたのかなぁ(ってなるとフジイの加担が罪なのですよほんとそういうとこだぞフジイ。笑)。ここの考察でずっと楽しんでます。てかネモト酒強すぎないか?あんだけベロンベロンに酔っ払ってるのにフジイの加担の瞬間"お前何してくれてるんだよ…"って振る舞いKAƵMAさんしてるんだよな。あれも良かった。


長々とあまり脈絡もなくな感想になってしまいました。


メトロンズは、1作目『副担任会議』は難しく考えずとも男女年齢問わず誰でも楽しめるテイストで「自己紹介としてバッチリなのでは!」となりました。2作目『ミスタースポットライト』はエンタメ性が上がったり伏線みたいなのも混じったりで「次はどうなるの?ワクワクハラハラ感が堪らない!」となりました。

そこからの今回3作目。またガラリとテイストが変わり過去2回とは違う(恐らく)バッドエンドな雰囲気できたのも個人的にはめちゃくちゃ良いなと思いました。メトロンズは色んなテイストの作品が観たいなと前々から思ってて。暗めの作品もいつか観たいなって思ってて。今のところ3作ともそれぞれ違った個性と色の作品になってるのが観てて楽しいです。

冬の第4回公演も、今度はどんな色の作品が見れるんだろうなぁと思い馳せながら、楽しみに待ってたいと思います。


コロナも乗り越え無事全公演完走したのが何よりでございます!今作も楽しいひとときをありがとうございました!

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