契約書のタイトルの付け方と契約書雛形のバージョン管理について

契約書のタイトル

私は、契約書の原本がどこにあるか分からなくなると困るので、契約書は「契約書一覧」というスプレッドシートで管理している。

・保管場所(ファイル番号もしくは電子契約サービスの名称)
・相手方の名称
・文書名
・締結日
・所管部署

を書いているので、事業部門から「●●の契約書見せて」と言われれば大体サクッと取り出せる。だが、これでも困る場合がある。

密な提携関係がある取引先とは、同じ部署でも複数の取り組みが行われ、複数の契約書が交わされる。そして、取引条件を変えるために覚書なんかも締結する。

その際にタイトルが「契約書」や「覚書」だったりすると全部引っ張り出さないと行けないのである。「業務委託契約書」も多すぎてダメ。

こんなことを経験してから契約書のタイトルは、可能な限りパッと見で分かるよう工夫している。具体的なサービス名だったり、この契約を他と区別できるように要約したタイトルをつける。

例えば、「noteの執筆に関する業務委託契約書」

「覚書」も、何を定めた覚書なのかが分かるように、何の契約書に基づいた覚書なのかが分かるようなタイトルをつける。

例えば、「note執筆の委託料の変更に関する変更覚書」。流石にこれだと「の」が多くて格好悪いので「委託料の変更に関する変更覚書」とかにすることもあるが、分かりやすさは大事にしたい。少なくとも「覚書」という名称の覚書は撲滅したいと思っている。

契約内容を構成しない「契約書名」は、相手方もそんなに拘らないので、意味不明なタイトルでなければ、通るはず。

契約書雛形のバージョン管理

事業の中心となる契約については、当然、雛形(テンプレート)を用意している。締結数が多いものなので、自社雛形を使うときは、特に法務に声をかけずに使ってもいいようにしている。それで、相手方からの修正依頼がなければ、すぐに捺印に進められる。

ここで起きがちな問題として、古いバージョンの雛形を自社の担当者が誤って使ってしまうケースだ。アップデートがすぐに反映されるように、社内ポータルの雛形置き場にあるもののみを正として、随時そこから使うようにアナウンスしている。

それでも、自分の手元にある契約書雛形や、遠い昔に作った契約書を、法務に無断で取引先に提示してしまうケースがある。捺印自体は、法務承認がなければいけないので、食い止めることは可能。しかし、少しずつアップデートしている関係もあって、パッと見で分からないパターンも多い。

という問題が起きがちだった。文書名に日付を入れておくのは無意味で、担当者が相手方に提出するときに勝手に変えられがちである。

解決法は、Word等の文書内のフッターに、社名のイニシャルと日付をセットで入れておくのだ。「KM20190831」のように、そっと。この位置にある文言をわざわざ変えようと思う人はほとんどいない。

これにより、いつ作った雛形かすぐに特定できて、楽ちんなのである。

あとがき

こういうちょっとした工夫は大変なことではなく、すぐに実践できることであるが、思いつかないとやらない事である。そもそも、こういった問題は、もう少しリーガルテックが進めば簡単に解決できそうなものであるが、こんなちょっとした気付きや工夫をnoteに残しておきたいと思った次第。






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