見出し画像

侮ることなかれ老人のクチコミ

だいぶモウロクしてきたうちのおじいちゃんとおばあちゃん。
終活しなきゃということで考え始めることは悪くはないが、どうかするとピントが狂う。94歳だけれどもお金のことになると細かくなるおじいちゃん。
デイサービスを増やすようにとのお医者さんの指導だが、通帳とにらめっこしては愚痴り始める。去年、JAバンクのお姉さんに老後のためにと、わずかな年金から毎月積み立ての定期預金を勧められて契約したことなどはとうに忘れている。勧める方もどうかと思うが、入る方も入る方だと笑ったことを覚えている。

おじいちゃんが郵便局に小銭を持っていくと手数料を盗られるそうだと大騒ぎした。どこかで聞いてきたらしい。ネットで調べたら、確かに一定枚数以上の持ち込みや両替には、17日から手数料がかかるということだ。おじいちゃんは釣り銭などを貯金しているので一大事とばかりに騒いでいるのだ。それならJAバンクへ預金すればいいからと諭す。

早く連れて行けと言うのでおばあちゃんも連れて出かけた。ついでに2人の定期預金を解約して普通口座にシフトした。まだ本人たちに理解力があるときにやらないと苦労するからと友人から聞いたのだ。たしかに大変だった。あれこれと書類に本人自筆で書くわけだが、2人がすべて終わるのに2時間もかかってしまった。でも、こうしておけばATMで出金や振替ができるようになる。

待ち時間で近くにいた人たちとおじいちゃんの会話を聞いていた。
「昔は貯金しろと郵便局で貯金箱をもらったが時代は変わったもんだ。ちびちびと貯金しているとお金を盗られてしまうんだから…とんでもないことだ」
『え〜え、それはほんとうですか?』
「ほんとだよ。だから急いでJAに来たんだ。まだJAでは大丈夫だ」
きっとこの話が、お年寄りの少ない話題のヒットになるような気がしました。
どちら様も大変です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?