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♪八雲神社へお参りすると・・・

歌手の森高千里さんが1993年1月25日に発売した17枚目のシングル「渡良瀬橋」。その一節をタイトルにしました。

2024年6月25日から28日まで3泊4日の草津温泉旅行は、「草津温泉に行ってきました」というタイトルでnoteに投稿しました。今月はその旅の計画立案中の思いがけないエピソードを紹介します。

我が家の旅は自家用車で行くスタイル。若いころには宮城県から九州の鹿児島県、桜島まで行ったこともあります。もちろん、到着するまでには数日かかりました。1日当たりの走行距離、自分の中ではこれを航続距離と称していますが、加齢とともに短くなってきました。若いころには1日1000キロメートルと豪語していた時期もありました。それは過去の栄光。800キロメートルとなり700キロメートルが精一杯となった。宮城県から実家まで日帰り往復するとこれくらいの距離となる。何とかこの700キロメートルを維持している。

さて、宮城県から草津温泉までは距離にすると450キロメートル、先ほどの航続距離ならば1日で到達可能な距離だ。しかし、旅行である。直行直帰では味気ない。道中を楽しまなければ。そんな考えで往路は軽井沢経由、帰路は栃木県の足利市経由というプランがまとまった。

軽井沢経由にしたのは、「横川SAで峠の釜めしが食べたい」という妻のリクエストに応えるため。栃木県の足利市をセレクトしたのは、そこに東京ディズニーランド、ユニバーサルスタジオジャパンに匹敵するほどインバウンドに人気の足利フラワーパークがあるからだ。名物の大藤の見頃が終わり、夜間のイルミネーションには少し早いそんな時期。

足利フラワーパークの他に足利学校や鑁阿寺といった観光名所はすぐに思い浮かんだ。これだけでは時間が余ってしまう。もう少し、見どころ、遊び場所が欲しい。

Google検索。その過程でここが森高千里さんの渡良瀬橋の聖地であることが判明した。昔大好きだった。何度も何度も聞いた曲。即座に歌詞が頭の中に浮かんできた。

♪渡良瀬橋で見る夕日を
あなたはとても好きだったわ
きれいなとこで育ったね
ここに住みたいと言った

電車にゆられこの街まで
あなたは会いに来てくれたわ
私は今もあの頃を
忘れられず生きてます

今でも 八雲神社へお参りすると
あなたのこと祈るわ
願い事一つ叶うなら
あの頃に戻りたい

床屋の角にポツンとある
公衆電話おぼえてますか
きのう思わずかけたくて
なんども受話器とったの

この間 渡良瀬川の河原に降りて
ずっと流れ見てたわ
北風がとても冷たくて
風邪をひいちゃいました

誰のせいでもない あなたがこの街で
暮らせないことわかってたの
なんども悩んだわ だけど私ここを
離れて暮らすこと出来ない

あなたが好きだと言ったこの街並みが
今日も暮れてゆきます
広い空と遠くの山々 二人で歩いた街
夕日がきれいな街♪♪

歌詞の中の渡良瀬橋も八雲神社も床屋の角にポツンとある公衆電話も実在するらしい。渡良瀬橋のたもとには歌碑もあるようだ。八雲神社もお参りしなくては。公衆電話、床屋の店先に小さな電話台が置いてあり、ちょこんと赤電話がのっているイメージだったが、YouTubeの映像を見る限りは電話ボックスのようだ。これも見てみたい。

足利市は、渡良瀬川によって南北に分かれている。市内の12本の橋で南北の連絡をしている。その橋の一つが渡良瀬橋だ。森高千里さんが1993年に新曲を制作する際に、特にイメージが湧かずに困っていた時に、橋の詞を作ることにし地図を広げ「言葉の響きの美しい川や橋」を探し、「渡良瀬川」という文字が気に入った。森高は1989年に足利工業大学でライブを行っており、大学のある足利市内に渡良瀬橋という橋があることが分かり、その後、現地を再訪して橋の周辺を散策し、そのイメージを使って詞を書いたという記事は容易に見つかった。

八雲神社は869年清和天皇の命により、須佐之男命を祀り東国の第一祈願所として当社が創立され、1084年には足利市の祖、源義国が足利の総鎮守と定め、以来、城主や市民からの信仰を集めているようです。社殿は2012年の火災により焼失しましたが、2017年に再建された。再建にあたり、伊勢神宮の式年遷宮(平成25年)の「月讀荒御魂宮(つきよみのあらみたまのみや)」の
本殿・幣殿一式と瀧原宮(たきはらのみや)の一部が社殿奥に移築された。
森高千里さんもこの再建に関わったようだ。

床屋の角にぽつんとある公衆電話は、足利公園近くに実在する。この公衆電話は、利用者の減少によりNTT東日本が撤去対象としていたが、市側の要望で撤去が回避されたというエピソードがウイキペディアにのっています。

旅の計画そっちのけで幾つもヒットしたYouTubeの動画に見入ってしまった。今回の旅行のメインは草津温泉、それは頭で理解しているものの、帰路途中の足利市訪問に気持ちが移ってしまった。あの頃の情熱的な気持ちがふつふつと湧き上がってくる。ほんのりあったかい思い出に思わず頬を染める。
旅はプランニングの段階から楽しめる、それを実感できた今回の出来事は旅の醍醐味のひとつだ。

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