ひろプリ 中盤のレビュー(一部批判あり)

こんにちは。プリキュアを長年観ているKLP(ケーエルピー)です。

現在放送中のひろプリこと「ひろがるスカイ!プリキュア」、徐々にお話の背景が分かってきました。
エルちゃんが何やら特別な運命を背負っているらしいと分かった今、考えた事を色々と書いていきます。
今回はやや批判的な事もあるので、読んでいる方はご了承下さい。

ところで、自分の記事のビュー数を確認すると、だんだん特定の人の話題ではなく、普通の感想記事が伸びてきています。
それはそうだろうな、と思います。せっかくのブログですし、いつまで続けるか分かりませんが、普通の記事ももう少し書きたいですね。
とはいえ、あっちの記事も実は準備中で……もちろん読みたくない方はスルーでOKです。


ツバサの夢

人間の姿になれるが空は飛べない鳥・プニバード族である夕凪ツバサ。たまたまこちらの世界に落ちてきた彼は、かねてよりの「飛びたい」という願いを叶えるべく、航空力学を学んでいました。

しかし第21話では、飛行能力のあるプリキュアになったことで、航空力学への興味関心が薄れていたことが分かりました。

この点は率直に言うと、拍子抜けしてしまいました。

第8話で初登場した際のツバサは、本当に勉強熱心で真面目な性格が伺えたんですね。夢や目標に向かうために理論からきちんと学び、カバトンが襲ってきたときには「航空学的にあり得ない!」なんて言い方もしていて、理屈で叶えようとする本気度が分かった気がしたんです。

しかしキュアウィングとしての能力は魔法みたいなものですし、それこそ「航空学的にあり得ない」はずです。あんなに勉強してきた彼が、ウィングに変身中だけ飛べるようになれれば満足だったとは思いませんでした。ウィングになってからも飛行機を眺めている描写などがあったので、以前と変わらない熱量で勉強をしていたと私は思っていたのですが、違ったんですね。

もっとも、飛ぶということの原理が分かればかつての父親と同じことができる、と思っていたところ、思わぬ形でできてしまって、ツバサ自身が拍子抜けしていたのかもしれません。現実に、どんなに熱心に勉強していても、だんだん興味をなくすということはあり得ます。

ただ、ツバサの性格とこれまでの努力を考えると、やっぱり学び続けていてほしかったという気持ちが強くあります。

それだけに、「どんな学びもムダにはならない」「学びはどんどん広がっていく」とヨヨさんに教えられる展開はとても良かったと思います。

欲を言えば、ツバサもこちらの世界の学校に通えないんでしょうか。人間に換算して12歳ならまだ子供でしょうし、様々な生徒と交流するのも学びの一つだと思うのですが。

エルちゃんの秘密

第24話では、エルちゃんがスカイランドの国王と王妃の実の子ではなく、あるとき空から降りてきて預かっている子だということが明かされました。
エルちゃんが只者ではない、敵に狙われるほどの何かを背負っている赤ちゃんなのだと、はっきりしたわけです。

ここで私が思ったのは、「もう少し早く明かしてほしかった」ということですね。

もちろん何の特殊な事情もない赤ちゃんが、ソラたちにプリキュアの力を与えられるわけはなく、代わる代わる敵に追われるわけもないのですが、エンディングテーマが後期になるまで何も分からないままただ襲われ続けるのは、ちょっと引っ張り過ぎと感じました。

ひろプリでは、意図的に悪役会議を描いていないと聞きます。また、例え悪役サイドで何か話し合いがあっても、それはプリキュアサイドには伝わらないことなので、「プリキュアの気持ちが分かっていい」という感想も見ました。
ただ、会議の場面を描かないにしても、悪役がプリキュアに対して「こういう理由でその赤ん坊が必要だ」と表明することはできますし、事実これまでのプリキュアにはそういう描写もあったと思うので、情報を小出しにしていくことはできたような気もするんですね。
急にいろいろ言われるより、徐々に謎が解けていくのを楽しみたかったです。

現段階でも全てが明かされたわけではありませんから、今後もエルちゃんの正体からは目が離せません。

キュアバタフライと、合体技

話が前後しましたが、4人目のプリキュアであるキュアバタフライが、満を持しての登場となりました。

例年なら追加戦士の時期に初期メンバーが来ることには様々な意見がありますが、「この時期はこういうことがある」といつも先が見えてしまうよりいいと私は思います。

また、初の成人メンバーとして大人の余裕のような雰囲気や頼りがいも見せつつ、攻撃ではパワーで押すタイプでないというのも好印象ですね。
ひろプリはどのメンバーも何かしら特殊な要素があると感じますが、それでいてとても心地のいいバランスが取れているのが不思議です。

そして、キュアスカイとキュアプリズムというコンビに対して、キュアウィングとキュアバタフライというコンビも誕生しました。

2人の決め技である「プリキュア・タイタニックレインボー」。YouTubeで公開された声優さんのスペシャル対談では「意外」「カットが変わったかと思った」「とにかく映像を見てほしい」「これがこうなって……」と意味深なワードが出ていたので、私は楽しみにしていました。

実際に見て、本当に感激しました!

バタフライから力を得たウィングが、大きく勇ましい火の鳥の姿に変化。その上にバタフライを乗せて堂々と羽ばたいていくのですが……突然巨大なプニバード姿へと再びの変化、そのまま下に落ちてくるという技です。

バタフライが導きつつも、ウィングの変わりようが楽しめる素晴らしい構成だと思います。今までになかったような合体技で、ウィングが鳥でもあるからこそ叶った演出ですね。
そして技の後にウィングが、途中まではカッコ良かったのに……とやや不満げな顔をしたのも印象的でした。こういうのはどこまで当人の意思で決められるものなんでしょうか?でも、プニバード姿も十分カッコいいと思いますよ。

ヒーローを目指す物語

第22話、第23話はキュアスカイ/ソラ・ハレワタールの挫折と再生が描かれる、シリアスで重要なお話でした。

思えばソラのヒーローになりたいという願望には、並々ならぬものがありました。小さい頃からヒーローを目指し、ヒーローとは何かをずっと手帳に書き綴る。どんな事情で追われているかも分からないエルちゃんにすぐさま寄り添い、未知なる場所で、未知なる敵に迷わず立ち向かう。ここまで初めからヒーローになろうとしていた主人公もいなかったのではないでしょうか。
常に敬語で話すところや、異世界出身ゆえに元の暮らしがなかなか見えなかったこともあり、何やら超人的な雰囲気が漂っているようにも見えました。

それだけに、あまりにも力みすぎているきらいもあり、ガチガチに固めた理想が一つでも崩れた時にはどうなってしまうのかと心配でした。
このお話は、その心配が的中したものとなりました。理想の源であるシャララ隊長を、下手すれば死なせてしまうかも……という状況は、この上ない絶望を生み出しました。

立ち直るまでの過程では、周りの人たちの対応が見事に全員違っていてとても良かったです。それぞれ形は違えど、ソラを心配し、応援している。それが伝わったと思います。
そして最後の一押しになるのが、ましろからの手紙という点も素晴らしかったですね。それも、あえて「ヒーローでなくてもいい」と書かれていることに感動しました。

スカイとプリズムのキャラクター性の違いと、それゆえに固く結ばれている絆も改めて感じました。

ソラのヒーローへの思いは、より強くなったことでしょう。

一つ不満なのはバッタモンダーがこれ以降出てこなくなったことですね。自信家のように見えて案外気弱、しかし短気で冷酷という、見応えのある悪役だったということもあるのですが、カバトンと違ってどう退場したのかが分かりません。やはり消される前にどこかに逃げたと捉えていいのでしょうか。

今後は?

ひろプリの今後としては、エルちゃんの秘密とアンダーグ帝国の目的など、分からないことがどう明かされていくかがポイントだと思います。
また、例年より遅い追加戦士の噂も無視できません。

プリキュアシリーズの展開としては、オールスターズF、大人プリキュアにまほプリの続編、そして舞台版「ぼくプリ」と、20周年だけあって盛りだくさんになっています。
それぞれ意見はあるにしろ、公式サイドが恐れず挑戦をしているのなら、私もそれらを恐れず見ていきたいと思っています。


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