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2020年8月のプレイリスト (2) ~ あつくるしい曲、力の抜ける曲 ~

~ あつくるしい曲、力の抜ける曲 ~
https://www.youtube.com/playlist?list=PL4R5kLX_ups0EnLOjQfUiO3W2ZuXDQKR0 (41曲、約2時間15分)

暑い季節なので、暑苦しい曲、あるいは、熱かったり、狂おしかったり、圧やら厚みやらがスゴかったりする曲たちを。

…そういう曲ばっかりじゃ疲れるので、力の抜ける曲も適宜。あつくるしくて、なおかつ、力の抜ける曲というのも多々あり。

今回は、全曲にメモを記しております。曲目リストの下、<メモ> 欄を参照のこと。

01 Malambo Number 1 … Yma Sumac
02 Yok Yok (Jump Jump) … Viparat Piengsuwan
03 Dance of Maria … Elias Rahbani
04 Mucha Muchacha … Esquivel
05 Cha Ba Da Ba Da … The Paris Sound Studio
06 おしゃれなツル子 … 喜瀬ハツエ
07 Rumba Matumba … Desi Arnaz
08 Ljubav Kraj Izvora/Zvezdanovo (Skupovo) Kolo … 3 Mustaphas 3
09 Rock Me Amadeus … Falco
10 I Want To Hold Your Hand … Mrs. Yetta Bronstein
11 Taboo … Pérez Prado
12 ハイティーン・ゴーゴー … 森本和子
13 Hay Yam Yam … Erkin Koray
14 Coney Island Washboard … Five Harmaniacs
15 One Two Cha Cha … Usha Uthup
16 Pa Pa Cha … HECTOR RIVERA
17 Shilela … Hailu Mergia
18 白浜ブルース … 屋良ファミリーズ
19 I Wanna Rule The World … 10cc
20 South Australia … The Pogues
21 Ya Ya Ya … Dr. Lee (李博士)
22 Wenu Wenu … Omar Souleyman
23 Música da Lagoa … Hermeto Pascoal
24 Mustafa … Bebi Dol
25 'Uh! Oh!' - Parts 1 & 2 … The Nutty Squirrels
26 I Put a Spell on You … Screaming Jay Hawkins
27 まつのき小唄 … 二宮ゆき子
28 Whully Bully … Alex Brown Orchestra
29 Mini Skirt … Esquivel
30 Capriccio … Piero Piccioni
31 Mary Ann … Joseph Spence
32 Neeve Nanna … Vijaya Anand
33 Mera Naam Hai Shabnam … Asha Bhosle
34 Psyché Rock … Pierre Henry
35 Yellow World … J. Girls
36 さいざんすマンボ … トニー谷&宮城まり子
37 Sway (Quien Sera) … Pérez Prado & Rosemary Clooney
38 Thai Boxing … Jiraphand Ong-Ard
39 Frenzy … Screamin' Jay Hawkins
40 Five Bottles Mambo … Yma Sumac
41 Cuz I Love You … Lizzo


<メモ>

01 Malambo Number 1 (Yma Sumac) … Yma Sumacは、1950~70年代に大活躍したペルー出身の歌手。マライア・キャリーより前に、5オクターブの音域を誇っていた人。

02 Yok Yok (Jump Jump) (Viparat Piengsuwan) … タイのポップソング。タイ語はなぜか可愛く響く。意味はちっともわからないが。

03 Dance of Maria (Elias Rahbani) … レバノンの作曲家。1月のプレイリストにも別の曲を所収。電子オルガンとドラムのイントロの後に、ズルナ (ミズマー) の音が朗々と鳴って、少しアラッ!?となる。乾いた暑さ。

04 Mucha Muchacha (Esquivel) … Esquivelはメキシコのミュージシャン。ラウンジミュージック、スペースエイジポップ、エキゾティカ辺りをよく聴く人にはおなじみの名前かと思う。活躍したのは50~60年代。ラテン音楽華やかなりし頃で、ピアノと管楽器を中心に、各種パーカッション、ギター、コーラスなどさまざまな楽器類を使って、現在から見れば何ともゴージャスな音楽を世に送り出していた。
この曲は、ステレオが嬉しくてしょうがないみたいな作り。ジャケットに "The sound your eyes can follow" とあるが、イヤホンで聞くと、本当に演奏位置をハッキリと追うことができる。
途中の語り "Me Muchacho, You Muchacha" 云々がまことにどうでもよろしく、ヘロヘロと力が抜ける。

05 Cha Ba Da Ba Da (The Paris Sound Studio) … ライブラリ・ミュージックの一曲。速いテンポで、音のたたみかけが、なかなか熱い (厚い)。

06 おしゃれなツル子 (喜瀬ハツエ) … 沖縄歌謡。「ツル子」が「鶴光」に聞こえ、笑福亭鶴光師匠がオシャレをしている絵が浮かんでしょうがなかった。「キリリンボンボン」の意味するところは不明。

07 Rumba Matumba (Desi Arnaz) … Desi Arnazは、キューバのミュージシャン。だがむしろ、Lucille Ball ("The Lucy Show"、"I Love Lucy" などのテレビ番組の主役) の旦那さんとして、よく知られているかもしれない。
ジャケット写真を見る限り、たぶん世界一コンガがよく似合う。

08 Ljubav Kraj Izvora/Zvezdanovo (Skupovo) Kolo (3 Mustaphas 3) … 3 Mustaphas 3は、イギリスのバンド。シェゲレリという架空の村の縁者・知人が集まってできたバンドという体で、中東っぽい曲を中心としたワールドミュージックを世に送り出していた。

09 Rock Me Amadeus (Falco) … 80年代に結構ヒット。オーストリアのロックシンガー。曲もそうだが、ルックスも暑苦しいというか濃厚だな。

10 I Want To Hold Your Hand (Mrs. Yetta Bronstein) … Alan Abelという、ユーモア作家…と言うよりは、悪ふざけの大家みたいな人がいる。動物が服を着ていないのはわいせつだ! と言って、家畜に服を着せるための委員会を作ったりとか、そういうことをしていた。
で、その奥さんが、この企画の延長で、大統領選に出馬することにした。そのときに使った名前が Mrs. Yetta Bronstein。で、なぜか、その名前でビートルズの曲をカバーして、レコードを出した。それが、この曲。
(※ この項は、YouTubeに記載されていた説明を元に構成した)

11 Taboo (Pérez Prado) … マンボの王様、ペレス・プラードによる「タブー」。ペレス・プラードは、50年代のマンボブームを産み出した人にして、マンボの合いの手「ウッ」を最初にやり出した人。日本ではこの曲はむしろ、ドリフターズ 加トちゃんの「ちょっとだけよ」で流れる曲として知られていると思う。

12 ハイティーン・ゴーゴー (森本和子) … 口三味線ならぬ口エレキギターがほとばしる。

13 Hay Yam Yam (Erkin Koray) … トルコのロック・ミュージシャン。トルコでロックンロールを最初に演奏した人らしい。 デヴィッド・バーンが "Turkish pop psych funk progressive music" の一つとして、この曲を紹介していたりする。

14 Coney Island Washboard (Five Harmaniacs) … 1920年代に活躍したジャグバンド。使用楽器は、ウクレレ、バンジョー、ハーモニカ、ウイスキーの空き瓶 (ジャグ)、洗濯板、カズー。

15 One Two Cha Cha (Usha Uthup) … インド映画の劇中歌。たぶん元の映画はこれ

16 Pa Pa Cha (HECTOR RIVERA) … これぞラテン! といった感じの熱い曲。音楽のジャンル的には、パチャンガに該当するみたい。

17 Shilela (Hailu Mergia) … エチオピアの草分け的電子楽器奏者。アフリカ音楽と電子楽器の融合…となるのだろうが、何とも牧歌的な感じ。最後に「ドン ドン」と余計な音を入れたりする辺り、何かフニャッとなる。

18 白浜ブルース (屋良ファミリーズ) … タイトなドラムと電子オルガンのグルーヴィーなイントロに乗っかってくるのは、沖縄民謡唱法のコーラス。ここでちょっとズルッとなるが、虚心坦懐に聴くと、なかなかの佳曲である。

19 I Wanna Rule The World (10cc) … 真ん中の独裁者風演説が暑苦しいわけだが、曲の変化が目まぐるしく、音楽としての圧やら厚やらも何気なくスゴイのである。

20 South Australia (The Pogues) … アイリッシュ・パンクのパイオニア、Pogues。この曲も実はトラッドなのだが、全力でぶちかましてくる。ライブで前の方に座っていたら、つばがバンバンかかってきそうな。

21 Ya Ya Ya (Dr. Lee (李博士)) … あまり詳しくはないのだが、ポンチャックも入れておきたくて。いわゆるK-Popなんかより、こういう力が抜ける感じの方がしっくり来るんだけどな。

22 Wenu Wenu (Omar Souleyman) … Omar Souleymanはシリアのミュージシャン。シリアの伝統舞踊の音楽を現代的なダンス音楽に高めたとされている。結婚式で歌を披露していたが、その曲を収録したカセットテープが空前のヒットとなり、国民的な人気を得たとのこと。ジリジリと焼かれるような曲。

23 Música da Lagoa (Hermeto Pascoal) … 天国で牧神 (パン) の奏でるがごとき音楽…とでも言いたいところだが、映像を見ると、オッサンどもが水の中でフルートと空き瓶を使ってはっちゃけているようにしか見えない。Hermeto Pascoalという人は、ブラジル音楽界の重鎮らしい。真面目な話、楽器と水を合わせる実験性はちょっと面白い。メロディーも、のどか。

24 Mustafa (Bebi Dol) … 1月のプレイリストにも所収。セルビアのバンド。ちょっと中東風に寄せた東欧ロック…とビミョーにややこしい。

25 'Uh! Oh!' - Parts 1 & 2 (The Nutty Squirrels) … 昔々、テレビのどこか端っこで流れていて、なんとはなしに知っている曲。案外、歌唱/演奏技術がしっかりしているのが、こしゃくである。

26 I Put a Spell on You (Screaming Jay Hawkins) … Screamin' Jay Hawkinsの出世作。オペラ歌手になりたかったはずが、なぜかブードゥー・黒魔術路線のルックスでブルースシンガーになった人。
ジム・ジャームッシュの『ストレンジャー・ザン・パラダイス』で使われていた曲として知った人も多いと思う。自分もその一人。「ザ・暑苦しい」な一曲である。

27 まつのき小唄 (二宮ゆき子) … 決して教育によろしい歌詞ではないような気がいたしますが、ほっこりしますな。

28 Whully Bully (Alex Brown Orchestra) … 脳天気なおバカ映画によく似合いそうな、実に騒々しくバカっぽい曲。

29 Mini Skirt (Esquivel) … Esquivelの数ある曲の中でも有名なチューン。ちょっと怪しげな曲調で、何か耳に残る。でも、なんでタイトルが「ミニスカート」なのかが、いまいちピンとこない。

30 Capriccio (Piero Piccioni) … ピッチオーニ先生による、ねちっこくも、胸をかきむしるような哀愁あふれる曲。でも、やっぱりちょっと暑苦しい。

31 Mary Ann (Joseph Spence) … バハマの人。テキトー千万な歌と、乾いた音の軽快なギターで知られる。歌詞がところどころ聴き取れないとか、ギターのチューニングがちょっとずれてるかもしれないとか、気にしてはいけない。

32 Neeve Nanna (Vijaya Anand) … インド映画の劇中歌。いきなり騒々しく、暑苦しい。電子楽器やサンプリングを使いたくてしょうがない感じで、色々しているのだが、それも暑苦しさをいや増す。

33 Mera Naam Hai Shabnam (Asha Bhosle) … Asha Bhosleはインド映画界最大の歌姫。録音した曲は数知れず。作曲のR. D. Burmanもインド映画音楽界の大御所。
初めてこれを聴いたときは、あまりの訳のわからなさに、かなりの衝撃を受けた。元の映像を見て、ようやく合点がいった。

34 Psyché Rock (Pierre Henry) … フランスの電子楽器黎明期の曲。モーリス・ベジャールのダンスのために作曲された。初めて聞いたときは、黎明期のピコピコサウンドと思っていたので、「鐘、鳴ってる!!」と驚いた。

35 Yellow World (J. Girls) … 歌詞はあるのだが、「シュッシュシュ、シュシュッ、シューシュ」以外、もう何も残らない。

36 さいざんすマンボ (トニー谷&宮城まり子) … コミックソングというカテゴリになるのだろうが、ソロバン操作の巧みさ、出囃子楽器を巧みにラテン音楽に融合させている点など、音楽としても聞き所が多い…と思うのだが、さて。
トニー谷の他の映像を見ていると、ソロバンの底に厚紙を貼って、反響を良くする工夫がされているのがわかる。楽器としてのソロバンはもうちょっと見直されてしかるべきとか思ったりもする。音楽専用のノコギリ (ミュージカル・ソー) なんてのもあるのだから。

37 Sway (Quien Sera) (Pérez Prado & Rosemary Clooney) … のっけから、なかなか暑 (圧) 苦しい。ちなみに、歌っているローズマリー・クルーニーは、ジョージ・クルーニーのお母さん。

38 Thai Boxing (Jiraphand Ong-Ard) … タイの曲。テレビ番組か映画の主題歌ではないかと思う。歌詞は英語。かっこいいイントロの後に、ピーチャワーというムエタイのラッパがヘロヘロっと流れ出し、腰砕けになる。

39 Frenzy (Screamin' Jay Hawkins) … この人は、暑苦しい曲に事欠かなくて、I Put a Spell on Youの他にもう1曲選んでみた (Constipation Blues にするかちょっと迷ったのだが、さすがにはばかられた)。この曲はたしか、テレビCMにも使われていたと思う。

40 Five Bottles Mambo (Yma Sumac) … 本プレイリスト冒頭にも登場したペルーの歌姫。日本語だと、妙な感じに聞こえるかもしれないが、原曲がスペイン語ゆえ何も問題はない。

41 Cuz I Love You (Lizzo) … いたってオーソドックスなソウルバラードなのだが、暑苦しく暑苦しく歌い上げたからこそ、人々の心を揺さぶるのだ。


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