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東京スカイツリーが高すぎる

東京スカイツリーが高すぎる。
怒っている。なぜなら、あまりにも高すぎるからだ。
なぜこんなに高いのだろう。高すぎて、人を舐めてるとしか思えない。
どれくらい高いのかというと、まず東京タワーより高い。まあ、しかしこれは理解できる。
しかし、ギザのピラミッドより高い。一般的な感性の持ち主なら、当然ここで疑問を覚えるはずだ。ピラミッドより高いのは妥当なのか?と。
さらに、上海タワーより高い。ほんの2m高さが違うだけで、調子に乗りすぎではないか?
より悪いことに、ペトロナス・ツインタワーと比べてもまだ高い!おお!この世に神はいないのか!

東京スカイツリーの展望デッキ+天空回廊のセット券を当日に購入すると3400円だ。これは休日料金なので平日だと300円ほど安くなるが、平日に東京スカイツリーに上るような暇人はこの世に存在しないので無視していいだろう。むしろ、これは当局側がありもしない平日の来場客向け料金を安くすることで入場料を実態より安く見せる、悪質な優良誤認の一環といえる。
ここで冷静になって考えて欲しいのだが、いくらなんでも3400円は高くないだろうか。時給100円のひとがいたとすれば、34時間も働いてようやく一度上れる計算になる。流石に酷だと思う。これでは、上りたくても上れない。上れない展望台など、何のために存在する?

いかに東京スカイツリーが高いか理解してもらうために、他の高層建築を引き合いに出そうと思う。
まず、東京タワーのメインデッキに大人が入場するために必要な料金は1200円だ。東京タワーには天空回廊にあたるものがないので、それを考慮して×2しても2400円。1000円、すなわち10時間労働分の差がある。いくら東京スカイツリーが東京タワーより301m高いとはいえ、こんなに高いのはやりすぎだ。
次にギザのピラミッドについてだが、インターネットで検索してヒットした個人のブログっぽいサイト調べでなんと200ポンド(約1200円らしい)しかかからないようなのだ。渋谷の女子高生100人を対象に「スカイツリーとピラミッド、どちらに行きたい?」とアンケートした時ピラミッドが圧倒的支持を獲得したことからもわかるように、観光地としてスカイツリーよりピラミッドは遥かに価値が高い。にもかかわらず、3倍近く入場料に差がついている。これはもう、エジプト5000年の歴史が培ってきた、観光客を喜ばせる"おもてなし"の精神が日本というたかだか建国75年強の国に決定的に欠如していたことの現れであろう。
上海タワー展望台の料金は約3060円らしい。先述の通り、上海タワーと東京スカイツリーの高さは僅か2mなのだが、これはつまり東京スカイツリーはその2mに340円の価値があると考えているということなのだろうか。あまりの世間知らずに、失笑するしかない。
さて、ペトロナス・ツインタワーについては、ピラミッドと同様の方法で料金を調べたところ98リンギット(約3000円)らしい。ペトロナス・ツインタワーは高さ451.9mなので、182.1mが400円なら妥当では?とそこの君は考えただろう。甘い。全てにおいて甘い。甘すぎてほとんど天井努といっていい。

甘くはないらしい

いいか、ペトロナス・ツインタワーは名前の通りツインタワーだ。タワーが2本建っているのだ。それに比べて東京スカイツリーは?たったの一本しかない!当然、展望台の効用とタワーの本数は比例するので、シングルタワーでの比較という観点においてペトロナス・ツインタワーの入場料はたったの1500円といえる。182.1mで1900円の差額が生まれていると言えば、いかに蒙昧な諸君でも東京スカイツリーの悪どさが理解できると思う。

ここまで高層建築を列挙してきたのだから、やはりあのビルに言及しないわけにはいかないだろう。そう、泣く子も黙る世界最高のビル、ブルジュ・ハリファだ。実に828mの高さを誇るこのビル、当然展望フロアもある。全体の高さ自体が東京スカイツリーを194m上回るこの建物だが、展望台AT THE TOP SKYの入場料はAED500(約15000円)のようだ。 "おいおい…194mに11600円の差額が生まれてるじゃねえか、頭おかしいのはどっちなんだよ(笑)" などと、今にもそういった声が聞こえそうではあるが、それは物事を多角的に捉えられないバカの言うことだ!実は、この料金にはエレベーター乗り込み前のコーヒー&ドライフルーツ、展望台でのウェルカムドリンクやスイーツのサービスが含まれている。近年、オタク盛んに経済をグルグル回すと自称していることで有名な、金銭感覚が欠如したカモの集団相手の商売でただのサンドイッチやレトルトカレーにキャラクターのカードをブッ刺しただけの食事を1000円超の法外な価格で売りつけるやり方が問題視されているが、それを考えればきちんとクオリティの高いスウィーツとドリンクを用意するこのサービスに2000円をも上回る価値があることは明白であろう。まずこれが一つ。次に、展望台での設備にも大きな差がある。百聞は一見に如かずというが、これはAT THE TOP SKYの内装イメージだ。

俺の部屋より豪華で、羨ましい

ご覧の通り、ゴージャスな内装の部屋には広いソファが用意されており、客は思い思いに寛ぎながら景色やスイーツを愉しむことができる。それに引き換え東京スカイツリーはどうだ?こんな気の利いたスペースなどなく、彼らは折角の来場客を激混みの窓際に立たせ、徒に人々を疲労させている。日本のホスピタリティは、またも外国の"おもてなし"精神に敗れ去ったのだ。
さらに、我々は肝腎要の展望台からの景観にも着目せねばならない。荒涼とした砂漠に現れたるオアシス、世界屈指のビジネス都市にして観光都市のドバイの街並みは壮観の一言。あるロシア人の写真家はリオ・デ・ジャネイロにあるコルコバードのキリスト像を
"この彫像は見る者に「すべては神の手中にある」との想いを抱かせる。"
と評したようだが、そう言わしめる力があるという点でキリスト像とドバイの街並みは同じと言えるだろう。
翻って東京の街並みに目を移すと、ある区域では一たび火がつけばたちまち全てを焼き払ってしまいそうなほど密集した住宅街があり、ある区域では業務が謎な会社と如何わしい会社と矯正歯科が無節操に入居した雑居ビルが醜く立ち並び、ある区域では変なキャラクターのグッズを売る店と変な格好の従業員が接客する喫茶店で満ち混沌とした様相を呈している。かような街を見て感動する者がいるだろうか。いないだろう。いてはならない。
展望台の効用の8割はそこから見える景観の素晴らしさに拠るものだ。したがって、仮に同じ高さにある展望台でも函館の夜景を望む展望台と東京を望む展望台ではそれこそ一万ドルの差がある。要するに、ブルジュ・ハリファ展望台の価値と東京スカイツリー展望台の価値は根本的にあまりにも違いすぎるのだ。
ここまで言葉を尽くして説明すれば、いかに愚鈍な諸君でもブルジュ・ハリファのAT THE TOP SKYには差額11600円分の価値が十二分にあるということが理解できるであろう。

そもそも、東京スカイツリーを取り巻く東京ソラマチとかいう複合商業施設の時点で高すぎるのだ。東京ソラマチで有名なスポットといえばすみだ水族館があるが、これに入館するには2500円も要求される。日本で全国的に名高い水族館といえば沖縄の美ら海水族館が挙がると思うが、この水族館の入館料は2180円だ。すみだ水族館はジンベエザメを筆頭に無数の海棲生物を擁し、エンターテインメント要素も充実している美ら海水族館にコンテンツ力で優っているつもりなのだろうか?もしそうだとしたら、私はすみだ水族館の経営マネージャーに己の立ち位置を客観的に見つめ直すことを勧めたい。これは、明らかに東京の観光客の足元を見た不当な料金だ。

諸君は騙されている。ブランド力にものを言わせた悪質な値段設定により、諸君は本来払わなくてよい、払うべきではない金をも東京という都市に巻き上げられている。東京スカイツリーはもっと謙虚にならねばならない。有名な諺に「実るほど頭を垂れる稲穂かな」というものがあるが、東京スカイツリーには頭を垂れる素振りは微塵もなく、むしろ頭を高く、高く掲げている。
東京の危険性が理解してもらえたと思う。本来ならば東京という都市そのものの体質を変革するのが最良なのだが、なにせ東京という都市は頭が凝り固まって巌となった時代遅れの保守派が牛耳る日本国、その枢軸とも言うべき場所なのですぐに我々が望む変革を齎すことは難しい。ゆえに、諸君は東京に、ひいては日本という国に騙されないリテラシーを身につける必要がある。諸君は幸運だ。私は諸君が身につけるべきリテラシーを細大漏らさず伝授する用意がある。もうあなたは騙されない!詳しくは有料部分をチェック👇


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