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著作権についての考え方

 「永井さんの「未発表」作品について」にやや反応いただいたので私の考え方を書きます。

・永井さんの「未発表」作品について
https://note.mu/klage/n/nbf3f2f689e9e

 私は、他人の著作を利用に関して割とゆるいほうだと思います。ことばのこてんのこともあり、著作権にうるさい人と思われているようですが、それは不本意です。

 日本の著作権は作者が了承すればかなり何でもできるしくみで、これを理解すると割と自由に他人の著作物を使うことができます。それなのに、なぜか著作者をないがしろにする使い方をする人がとても多い。テキトーに使いたいからこそ著作権を把握しておくことが必要と考えます。

 以前、twitterでも書きましたが、権利者が「ダメと言わない」内容であれば自由なのです。大事なのは「ダメと言わない」というところです。本人にみつかっても黙認してくれるであろうラインを守れば、そんなに大ごとにはなりません。
 だったらOKもらえばいいのでは、と考えがちですが権利者と関係者との力関係などもあり、OKとは言えない場合というのもあります(短歌だとほぼないと思いますが)。「OKと言ってもらう」ことは商用利用でなければ、こだわることはないと思います。

 未発表のものでも同じことです。
 私が考える未発表作の発表OKラインは下記です(あくまでも個人の考えです)。
 
 
 
・本人が生きていてもOKであろう状況であること

 発表するつもりで書いたと推定されるが、諸事情により(ボツになった、雑誌がなくなった等)未発表になったものなど、本人に発表の意思があったと推察できるものは、未発表でも公開にそんなに問題ないと思います。
 日録的な意味合いで、他人に読ませることを前提に日記を書いていた時代というのもありますから、日記類も含んでもよい場合があると思います。
 年賀状の挨拶句・挨拶歌なんかも割と許容されると思います。
 本人の意思によらない発表かつ他の人が確認できないものの利用・引用になりますから、絶対に文脈を変えないのも大事だと思います。全文掲載がベストです。「要約だけ」は最悪です。
 
 
・発表に文学的意義があること、他の文献に記載がないものであること

 書簡類なんかがそうですね。興味本位でプライバシーを暴くのが主目的であれば、発表しないほうがよいと思います。
 文豪の書簡が発見されてニュースになっている場合、「××時代の様子を知る貴重な資料」「交友を裏付ける資料」とかなんとかよくわからないコメントがありますが、そのへんのせめぎあいを感じます(文学的意義云々をとびこえて遺族の許可をとる方法に「全集」がありますが、とりあえずおいておきます)。
 「発表内容」と「発見のニュースバリュー」をくらべて「発表内容」が話題の主であることが必要と考えます。「発見しましたー」だけなら発表しないほうがよいと思います。その未発表の書簡・文章からでないとわからない情報をきちんと文学的文脈にのせるのを主目的とすることが私は大事だと思っています。
 
 
・ある程度の時間が経っていること

 「ある程度」もいろいろあります。
 確実に問題がないのは、没後70年すぎていて、かつ関係者および権利者も全員がすでに死亡していると思われる年月が経っている場合。この場合の「権利者」とは孫までです。没後70年すぎていても、不名誉な公開でしたら孫は差し止めることができます。
 関係者の迷惑や「本人が生きていてもOK」かどうかも加味しつつ、時期はみはからってください。

  
 
 ……こんなところでしょうか。
 上述のすべてを満たす必要はないと思います。

 本人が生きていてもOKもしくは黙認される程度の内容で、商用利用でなければそんなに気にすることではないと思います。ただ、許諾いらない内容でも作者名や出典は書いてね。
 興味本位でプライバシーを暴くのが主目的でなく、関係者もういないくらいの年月が経っているものであれば、許諾されるかどうかあやしい利用でもいいんじゃないかというのが私の考えです。ただ、発表の経緯というか興味本位ではないということの説明は必要と思います。

 日本の著作権の規定はグレーゾーンの広いものです。ちょっとした文言や作者名・出典の明記でグレーになるのに、なぜクロにしてしまうのか。グレーですって言える程度のところでやりましょうというのが私の基本的な考えです。
 ここに書いたのは、あくまでも私の考えであって、法律の話ではありません。「なんとなくこうやってるみたいだから」とか「こうだって聞いた」ではなく、著作権法を読んで各自考えて、判断していくことが大事だと思います。
 
 私が永井さんの件で「うーーーん」と思ったのは「未公開」「未発表」だけが前面に出ているように感じたからです。本を見るまで文章なのか、短歌なのか、俳句なのかもわかりませんでした。「こういう宣伝方法はどうなのか」というのが2回あったから書いたのです。

 過去の人はどんどん忘れられていきます。
 紹介するのはよいことだと思います。とはいえ、本人が生きていても失礼にならない範囲でっていうのは守ってほしいです。それだけです。
 全集にない永井さんの文章はまだあると思うので、また紹介があるといいと願っています。


※新年最初の更新がこれかーというのはありつつアップ。本当は毎日更新をめざしていて、28日予定のものだったのです。年末バタバタしていてPCをさわれなかったのです。



1月6日の追記
(関連話題)

永井さんの「未発表」作品について
https://note.mu/klage/n/nbf3f2f689e9e

著作権についての考え方
https://note.mu/klage/n/n2d93943e6dbf

中西亮太さんのブログの「故人の未公表の著作物を公表できるか」+コメント
https://note.mu/klage/n/nbb868c393590



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