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歌書もろもろ

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歌集・歌書の紹介など。書影をアップしたいだけの場合もあります。内容紹介は期待しないでください。
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2019年3月の記事一覧

1990年のニューウェーブ

※敬称略です。ときどきさんがまぎれていますが、文章の流れでなんとなくなのでさんのついているついていないは気にしないでください。    細井剛の2冊の評論集に目を通す。ずっと読んでなかったもの。  前衛の論者のうちのおひとりというイメージがあり、前衛にふれている文章を読んでおきたい気持があり、今ごろひっぱり出してきたもの。  両方ともいろんな媒体にその時々のテーマで書いた文章を集めた本で、1冊とおしてのテーマみたいなものはありません。     ・『現代短歌の光と翳』(雁書館

『現代短歌 ’70』特集「楯としての前衛歌集」の紹介

 もろもろ書く前に「前衛」の話をしないといけないと思っていた。  3日のイベントでもそうだったのだけど前衛短歌の歌人として山中さんをあげることに疑問を持たない人は多い。私はこれに違和感がある。  女性排除とかホモソとかの話ではない。  まず、ぼーよーとした記憶の話をする。  私が短歌をはじめたころ(1990年代前半)、山中さんは前衛に入っていなかったと思う。「森岡・山中は前衛に近いところにいたが、前衛ではない」というような位置づけだったと思う。葛原さんはどうだったか。入