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歌書もろもろ

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歌集・歌書の紹介など。書影をアップしたいだけの場合もあります。内容紹介は期待しないでください。
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記事一覧

小池光特集(3)の紹介(「短歌研究」2023年10月号)

 またもでました。 https://www.amazon.co.jp/dp/B0CHKRPTQZ/klage-22  公式告知。 https://twitter.com/tankakenkyu/status/1704334573407293611  今回はオレンジの猫です。  今回は塚本賞と評論賞発表号で、そちらが冒頭です。つぎの特集が「続続「ここまでやるか。小池光研究」」です。今回は他には特集ありません。  以下、記事紹介とつけたし。 四人の選者によるテーマ別

小池光特集(2)の紹介(「短歌研究」2023年9月号)

 またもでました。 https://www.amazon.co.jp/dp/B0CF2TY4N3/klage-22  公式告知。 https://twitter.com/tankakenkyu/status/1693443029041119408  今号は、若草色の猫の表紙です。  第2特集が「続「ここまでやるか。小池光研究」」です。  以下、記事紹介とつけたし。 四人の選者によるテーマ別「小池光傑作選」 内山晶太/花笠海月/寺井龍哉/山下翔  10首×2テーマ

小池光特集(1)の紹介(「短歌研究」2023年8月号)

 でました。 https://www.amazon.co.jp/dp/B0CBKZPDCC/klage-22  公式告知。 https://twitter.com/tankakenkyu/status/1681861598770761728 とりあえず表紙を見てください。 今号は、からし色の猫の表紙です。  第2特集が「ここまでやるか。小池光研究」です。  私は小池ファンですけど、小池選歌ではないです。なので、社外の方にとっては「誰?」で、社内の方にとっては「なん

2023七夕の水葬物語

 tweetした内容です。記事にしておくと後で見返しやすいので。  「七夕古書大入札会」のの下見会が2023/7/7-7/8にありました。『水葬物語』を見てまいりました。手にとっての実見は6冊目くらい(Gケースごしに見たものは除く)。  秩入ということで期待しましたが状態はふつう。ややヤケですけれど、水葬はやけやすいですから経年ナリといって差し支えない状態であると思います。秩入、カバーあり、献呈先のお名前、歌一首、本人署名。旧蔵者のメモが書かれた一筆箋がはさまれていました

『シンジケート』諸版について

この文章のいいたいこと 関係なさそうな文章が続いてわかりづらいですが、この文章でいいたいのは と、いうことです。 『シンジケート』講談社版 発売されました。まずはこちらを見てみましょう。 透明カバーに4色で絵が入っています。帯は白。 カバーをとると1色のイラスト。コデックス装でひらきがよいです。 かつての栞文は本冊に収録。 「新装版に寄せて 書けなかった一行」(高橋源一郎)、「新装版あとがき」(穂村弘)が追加されました。 本文には楽しいしかけも(ピンぼけ写真です)

2021七夕の水葬物語

 見てきました。  『水葬物語』と三島といえば、まず「文学界」1952年9月号のことが思い浮かぶと思います。この号には『水葬物語』から「環状路」10首が転載されています。  「環状路」というタイトルですが、『水葬物語』の「環状路」の章からの構成ではなく、いろんなところからとられています。6首までは少女と少年の出てくる歌で、後は虫だったり聖母だったり、オルガンだったりみたいなカンジ(ザツな紹介)。10首一連である程度一貫性をもって読めるように構成されています(短歌の雑誌に掲載

前田透「歌壇小見」(「短歌研究」1953年3月号)

 先日、国会図書館で「短歌研究」をパラ見(といってもデジタルなのでパラパラという音はしない)していたら、目についた文章の自分用メモ。  前田透「歌壇小見」(「短歌研究」1953年3月号 p.82-85)です。「歌壇小見」は同タイトルでいろんな人が書くタイプの連載。 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/7889565  歌壇がどーのこーのという内容。これの前に何か書いて「あまり人の悪口を云つてはいけませんよ」と井本農一から言われたらしいこ

Kindleセール情報(1)

 Amazon「プライムデー Kindle本最大70%OFFセール」が始まりました。  期間は「2019年7月1日(月) 0時00分~2019年7月16日(火) 23時59分(日本時間)」。対象商品はAmazonプライム会員でなくてもセール価格で購入できます。ややこしいですが、毎年恒例の7月の2日間に開催されるAmazon全体のセール「プライムデー」と別のようです(少なくとも日程かちがうのでうっかり購入を避けるために別と考えたほうがよいと思います)。 https://amzn

『藤原月彦全句集』の紹介

『藤原月彦全句集』の紹介 待望の『藤原月彦全句集』が六花書林から刊行されました。http://rikkasyorin.com/ https://amzn.to/2JeW8aX  装幀は真田幸治さん。タイトルが銀の箔押しでシルバーグレーとも青錆色ともとれる色で森とその中の沼が描かれています。タイトルを題箋のように囲んだ地色っぽいところはこげ茶(紙の地色はまた別です)。手前の樹が重い色で描かれ、奥は青い色が散った紙あらわになってひかりさす場所が示されています。沼をかいま見るすば

1990年のニューウェーブ

※敬称略です。ときどきさんがまぎれていますが、文章の流れでなんとなくなのでさんのついているついていないは気にしないでください。    細井剛の2冊の評論集に目を通す。ずっと読んでなかったもの。  前衛の論者のうちのおひとりというイメージがあり、前衛にふれている文章を読んでおきたい気持があり、今ごろひっぱり出してきたもの。  両方ともいろんな媒体にその時々のテーマで書いた文章を集めた本で、1冊とおしてのテーマみたいなものはありません。     ・『現代短歌の光と翳』(雁書館

『現代短歌 ’70』特集「楯としての前衛歌集」の紹介

 もろもろ書く前に「前衛」の話をしないといけないと思っていた。  3日のイベントでもそうだったのだけど前衛短歌の歌人として山中さんをあげることに疑問を持たない人は多い。私はこれに違和感がある。  女性排除とかホモソとかの話ではない。  まず、ぼーよーとした記憶の話をする。  私が短歌をはじめたころ(1990年代前半)、山中さんは前衛に入っていなかったと思う。「森岡・山中は前衛に近いところにいたが、前衛ではない」というような位置づけだったと思う。葛原さんはどうだったか。入

『歌人の行きつけ』とどいた

(感想はありません。)(自分語りがあります。)      田村元さんの『歌人の行きつけ』(いりの舎)が刊行されました。 http://irinosha.com/index.html http://irinosha.blog.fc2.com/blog-entry-340.html   背表紙にもタコさんウィンナーが。      とりあえず小中さんと仙波さんのところを読む。    で、つらつら思い出したことを書く。 (仙波さん話題)  活字にしたかどうかおぼえてないけ

『めくるめく短歌たち』とどいた

 錦見映理子さんの『めくるめく短歌たち』(書肆侃々房)が刊行されました。 http://www.kankanbou.com/books/tanka/essay/0348  入手しただけでまだ未読です。各媒体に書いた短歌の入っているエッセイに撮り卸しの対談がついています。お相手は穂村弘さん。  ここの部分だけざっと目を通しました。  以下、記憶によるだらだらした話になります。  ふたりそれぞれの写真が、なんとなくむかいあっているっぽく配置されています。  これを見て私

【紹介】『水甕論考の歩み』(水甕社)

 今さらのように紹介。 http://blog.rikkasyorin.com/article/63735984.html  2013年の刊行。水甕社百周年記念出版です。尾上柴舟さんをはじめとした豪華メンバーによる論集アンソロジー。 もくじ  私の興味はもちろん「I」の部分です。  加藤將之さんの文章には、石井直三郎さんが出てきて、六高短歌会の人脈が水甕初期にはいたという話題が出ます。加藤將之さんといえば八高短歌会な訳ですが、そちらの話はまったく出ません。残念。  初