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2021.10.01 洛北のバス路線を巡る②

前回の続きです。

快速35系統復路、36系統往路、直行36系統復路、直行36系統往路と京都産業大学前 - 出町柳駅前間を行き来した後は、既乗の40系統復路を利用して国際会館、岩倉方面に転戦します。「岩倉」とは京都市左京区南部の広域名で、狭義には北方の若丹山地と南方の松ヶ崎丘陵(宝ヶ池周辺の丘陵地)に囲まれた岩倉盆地を指します。

岩倉盆地はしっかり北端まで開発されており、交通に関しては、北端の岩倉村松停留所から市内各方面へ京都バスの路線が設定されています。そのほとんどはメインストリートの岩倉中通を経由しますが、今から乗車する29系統だけは東側の長谷地区を経由します。この系統は地域住民のMM(Mobility Management)により復活した系統で、平日昼間のみ1時間に1本運行されています。

29:国際会館駅前 - 岩倉下在地町 - 岩倉駅前 - 長谷八幡宮 - 岩倉村松

(緑色が29系統、水色が26系統)

国際会館駅前を13時44分に発車。車両は日野ポンチョ(SDG-HX9JLBE)で、コミュニティバスでよく見る小型バスです。これから先、狭隘道路が待ち構えていることが想像できます。宝ヶ池通を西に数百メートル進み、市バスの岩倉操車場が奥に見える交差点を右折。ここを左折すると宝ヶ池トンネルを経て松ヶ崎方面に出ることができ、九条車庫とを行き来する市バスの回送車が利用しています。

叡山電車の線路をくぐると道ごと進路を東に変え、岩倉の中心部を走行します。ここにはスーパーマーケットや銀行、学習塾、飲食店など一通りそろっており、よくある地方都市の駅前のような雰囲気です(地下鉄駅が近くにあるのですが・・・)。岩倉駅前で一定数の乗車あり。26系統などが通る岩倉中通を北に分け、少し進んでから左折。いよいよ29系統の独自区間です。さっそく一軒家の裏路地のような場所を走行し、ポンチョの本領発揮です。(ちなみに今の道路をそのまま直進すると白川通に繋がります。)

裏路地にポツポツとあるバス停で買い物帰りの老人を降ろしていき、地形に合わせて少し登ったり下ったりして盆地を進みます。だいぶ山が近づいてきたと感じたところで、いつの間にか進路が西に変わっていたようで、岩倉中通にぶち当たって右折しました。これで独自区間は終了です。

村松団地前で最後の客を降ろすと、次が終点の岩倉村松です。国際会館駅前から約15分の道のりでした。まあ、不便な場所です。関東であれば「郊外の閑静な住宅地」として好評を博すのでしょうけれど・・・。

岩倉村松の転回場ではバスが数台休んでいました。私はさっきと同じ29系統で国際会館駅前に戻りますが、先述したように四条河原町方面の系統もあります。また何回か来ることになるでしょう。

国際会館駅前に戻り、次は直行40系統の往復です。直行40系統はその名の通り40系統の直行便で、国際会館駅前から京都産業大学前をノンストップで結びます。ただし、普通の40系統とは若干経路が異なります。

それは幡枝(妙満寺)のある通りを通らずに、一本東の29系統と同じ道を通ることです。29系統との分岐から40系統ほかとの合流までが単独区間となります。その他は何もないので割愛します。

直行40:国際会館駅前 - 京都産業大学前

30分ほどで国際会館駅前に舞い戻ってきて、次は46系統の往復です。46系統は烏丸北大路と国際会館駅前を結ぶ系統で、またもや平日のみの運行です。

やってきた車両は日野リエッセ(KK-RX4JFEA)で、ポンチョの一世代前にあたる車両です。ツーステップ仕様が仇となり現在製造を終了していますが、デザインがかわいらしいほか、運転もしやすく、人気の車両となっています。

そんなリエッセで再び宝ヶ池道を西進します。こんどは岩倉操車場前の北端を通り、40系統ほかが右折する道で左折。住宅地が過ぎると松ヶ崎丘陵を越える低い峠にさしかかります。

突然、左手が開け、古文に登場していそうな情趣のある池が見えます。これは深泥池(みどろがいけ)といい、氷河期から存在しているという大変歴史のある池です。この深泥池には流れ込んでいる川はなく、周りを低い山に囲まれています。また、池の南側から水域を隔てた池の中央部分に、全国的にも珍しい「浮島」が存在しています。この浮島は無機塩類がほとんど含まれない貧栄養性の湿原となっており、有機物の分解が進まず、枯死した植物が堆積していくため、コケ類を始め多様な植物が生育していることが確認されています。

ここでは触れませんが、その歴史からか数多くの不思議な言い伝えも存在していますので、興味のある方は是非調べてみてください。

そんな深泥池を過ぎ、上賀茂の町に入ります。ここも古い町並みが残っており、狭い道路の両側に木造の一軒家、という風景がしばらく続きます。途中で市バス4・特4系統が合流し、少しずつ商店が増えていくと、北山駅前停留所です。ここからそのまま南下すると下鴨中通で、かの有名な「春分の日のみ系統」のうちの一つによって路線免許が維持されている区間になります。

このバスは4・特4系統とともに左折、北山通を東進しますが、下鴨本通北山交差点ですぐに4系統とともに右折し、南下を始めます。特4系統に関しては左京区総合庁舎前を経由するため一本東の松ヶ崎通を通っており、北泉通で再び復帰してきます。が、3本の系統が重複する区間も束の間。下鴨本通北大路(洛北高校前)交差点が現れ、この46系統は烏丸北大路に向けて右折します。これより以南の下鴨本通は4・特4・205系統が一丸となって四条河原町・京都駅方面への輸送を担っており、河原町今出川からは17系統も合流し、以南では日中3〜4分間隔の本数を確保しています。

(紫色が46系統、水色が4系統、赤色が特4系統)

北大路通の洛北高校前〜北大路バスターミナル間の本数も多く、市バスだけでも1・204・205・206・北8系統が2〜3分毎にやってくるバス街道です。そんな中、小型車を使用する46系統は異質で、しかも北大路バスターミナルに入らず烏丸北大路止まり。当然乗車してくる客は全く無く、烏丸北大路までノンストップで快走しました。この系統は幡枝地区から北山、北大路方面への流動をターゲットにしているようです。

北大路は洛北地区を代表する駅で、「北大路ビブレ」というショッピングモールを中心に一体的に商業施設が展開しています。少し休憩したいところですが、46系統は1時間に1本。やむを得ず即座に折り返し、国際会館駅前に戻ります。北山駅前から学生を含む一定数の乗車があったように記憶しています。

国際会館駅前には16時02分に到着。しばらくの待ち合わせで、16時25分発の48系統に乗車。

48:国際会館駅前 → 幡枝(妙満寺)→ 幡枝八幡宮前 → 幡枝くるすの公園前 → 国際会館駅前

48系統は、国際会館駅前を起終点に幡枝地区を循環する系統で、平日昼間のみ運行です。幡枝(妙満寺)を経由して北陵高校前までの経路は40系統と同じで、そこから左に曲がり、幡枝中通りとともに南東に向きを変えて46系統の経路に合流し、国際会館駅前に戻ります。地図に経路を表示すると以下のようになります。

15分程で国際会館駅前に到着。循環系統で1周して元の場所に戻ってきたので、当然運転手には怪訝そうな顔をされますが、開き直るしかありません。もちろん自然な乗車をするように心がけていますが、本数の少ない路線では・・・。(以下略)

国際会館ループが終了し、次は上賀茂方面に移動します。途中の京都産業大学前まで40系統往路に乗車し、未乗系統を一本減らしながら市バス北3系統と46系統を乗り継ぎ、西賀茂車庫前へ到着しました。

(移動経路。赤色が40系統往路、青色が北3系統、桃色が46系統)

西賀茂車庫前はその名の通り市バス西賀茂営業所の最寄り停留所で、市内各地に向けてバスが頻繁に出入りします(1・4・特4・9・37・67系統)。2020年3月までは近隣に上賀茂神社前操車場が存在しており、4・特4・46・67系統の操車を受け持っていましたが、再開発に伴い廃止されたため、現在はすべての系統が西賀茂車庫前発着となっています。今から西賀茂車庫前 - 上賀茂神社前間の延伸区間を乗車し、界隈の市バス系統を完乗する予定です。その他の区間はすでにすべて乗車済みとなっています。

この延伸区間を目的に西賀茂エリアに来訪するのは2度目です。1度目は特4系統往路、特4系統復路、67系統復路に乗車したところで時間オーバーとなってしまったため、今回、4系統往路・4系統復路・67系統往路のリベンジをします。まずは67系統から。

67:西賀茂車庫前 - 上賀茂神社前 -(中略)- 松尾橋

67系統は平日の朝夕ラッシュ時に合計5往復のみ運行で、今から乗車する17時27分発が最終便です。車両はいすゞ・エルガの先代最末期ロット、QKG-LV234L3でした。この車はパワーがあると評判で、西賀茂車庫前を左折出庫すると猛スピードで西賀茂橋を渡り、南へ急旋回しました。最近世知辛い世の中になってきて運転がマイルドになりつつありますが、久々に京都市バスらしいトロピカルな運転です。

5分ほどでかつての終点、上賀茂神社前に到着しましたが、往年とバス停位置が異なっているため、念のため次の加茂川中学前まで乗車しておきます。御薗橋を渡って、定刻通り到着。今日は何度賀茂川を渡ったか数え切れません。

これで67系統は完乗です。あとは4系統の西賀茂車庫前 - 加茂川中学前を往復するのみですが、つい先ほど上賀茂神社前にて4系統復路とすれ違いました。4系統は30分間隔での運行なので、この間に往路を先に乗っておけば一回りの時間節約になります。ちょうど、西賀茂車庫前17時49分発の4系統往路があるようなので、賀茂川右岸を直行する9系統で先回りしましょう。

無事間に合い、全く同じ景色を見て加茂川中学前へ。ここでは0分の折り返しですが、4系統復路は遠く離れた京都駅前が始発。定刻で来るはずがありません。

予想通り、5分ほど遅れてやってきました。仕事帰りの客を少しずつ降ろし、もう真っ暗になった西賀茂橋を渡って終点の西賀茂車庫前に到着。これで西賀茂車庫前発着系統を完乗するとともに、西賀茂営業所の未乗系統も残り1本になりました。

ここで終了してもよいぐらいですが、もう少し粘ります。京都産業大学前に戻り、36系統復路に乗車して出町柳駅前まで。講義帰りの京産生とともに加茂街道を疾走し、河原町今出川を経由して出町柳駅前には18時57分に到着しました。


これで本日の目的は達成しましたが・・・
あと1本だけ乗車してから帰宅しようと思います。

庫:四条河原町 - 四条京阪前 - 三条京阪前 - 河原町三条 - 河原町丸太町 - 川端丸太町 - 高野車庫

この系統は京都バスおなじみの「免許維持路線」で、「春分の日のみ」とまではいきませんが、極端に本数が少ない系統です。この四条河原町 → 高野車庫系統は平日夜間に片道1本のみの運行で、丸太町通の河原町通から川端通の間が免許維持区間となります。

大原からの16系統と連続運行しているため、均一系統にもかかわらず整理券を出していました。

碁盤目状の街で右左折を繰り返し、終点の高野車庫には20時21分に到着。すぐにバスは給油に向かいました。やはり車庫内は狭く、嵐山営業所に応援を要請せざるを得ないのも納得です。

これで今日は終了です。洛北高校前まで歩いて特4系統で四条河原町。そこから阪急電車で帰宅しました。


▼今回完乗した系統

【京都市営バス】計6本

・4:西賀茂車庫前 ~ 京都駅前

・臨6:四条大宮 → 佛教大学前

・臨15:三条京阪前 → 立命館大学前

・67:西賀茂車庫前 → 松尾橋(往路)

・快速202(復路):立命館大学前 → 九条車庫前

【京都バス】計14本

・29:国際会館駅前 ~ 岩倉村松

・快速35(復路):京都産業大学前 → 出町柳駅前

・36:出町柳駅前 ~ 京都産業大学前

・直行36:出町柳駅前 ~ 京都産業大学前

・40(復路):京都産業大学前 → 国際会館駅前

・直行40:国際会館駅前 ~ 京都産業大学前

・46:烏丸北大路 ~ 国際会館駅前

・48:国際会館駅前 → 国際会館駅前

・四条河原町 → 高野車庫


合計20本

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