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ある場面の創作もどき

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ノートに掲載した創作もどきをまとめてあります。
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2014年5月の記事一覧

ひとはどんなときに命が有限だと実感するのだろうか?

 今後、このテーマで、主人公を変えて何パターンか文章を作っていきたいと思っています。一回目は、ほぼ実体験でフィクション性が貧しいものになっています。

渡瀬徹(わたせとおる)53才 その一

 街中を歩きながら、店のガラス窓に映る自分の姿を見て唖然とした。
「なんか、お腹がぷっくりと膨らんでないか?」
 窓ガラスがピカピカに磨き上げられた、レストランを通り過ぎるときに、再度確認する。
「やっぱり膨

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ひとはどんなときに命が有限だと実感するのだろうか?

今後、このテーマで、主人公を変えて何パターンか文章を作っていきたいと思っています。一回目は、ほぼ実体験でフィクション性が貧しいものになっています。

渡瀬徹(わたせとおる)53才 その三

 今振り返ってみると、30才で体感したこの経験は、その後の人生に大きく影響を与えたと思う。あの頃にくらべれば、だいぶ記憶力は戻ったが、それでも人並みの記憶力はない。人の名前や数字の記憶力は、努力はしたが、直らな

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ひとはどんなときに命が有限だと実感するのだろうか?

今後、このテーマで、主人公を変えて何パターンか文章を作っていきたいと思っています。一回目は、ほぼ実体験でフィクション性が貧しいものになっています。

渡瀬徹(わたせとおる)53才 その二

 まず、1ヶ月も意識を失っていると当然のことながら、体がまったく動かなくなる。手も足もピクリとも動かない。筋肉が完全に落ちてしまっているのだ。
 しかし、筋肉の問題は、リハビリを始めると徐々に動かせる箇所がふえ

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