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Pixey『Free To Live In Colour』リヴァプール×マンチェスター=マージー川ホットラインな新世代ポップ

KKV Neighborhood #104 Disc Review - 2021.10.21
Pixey『Free To Live In Colour』(Chess Club)
review by TAISHI IWAMI

Pixeyはリヴァプールを拠点に活動するシンガーソングライター/プロデューサー/マルチインストゥルメンタリスト。2019年にファーストEP『Colours』をリリースしたあと、アルフィー・テンプルマンやフィービー・グリーンらが在籍するレーベル、チェス・クラブと契約し、2021年3月にリリースしたセカンドEPが本作『Free To Live In Colour』だ。

ビートルズやラーズら地元リヴァプールのレガシーを受け継ぐマージー・ビートやサイケデリックロックが、ストーン・ローゼズやハッピー・マンデーズら80年代後半~90年代のマンチェスター勢を思わせるミクスチャー感覚でブレイクビーツと融合し、ダンサブルに躍動。そんなマージー川ホットラインとでも呼びたくなるようなサウンドに、10年代のベッドルームポップを経たモダンでフェアリーな色彩を加えた彼女ならではのスタイルが光る。まさに名刺代わりと言えるシングル“Just Move”や、リヴァプールへの愛を感じる歌詞とメロディが印象的な“The Mersey”など粒揃いの全5曲。ファッション・センスも抜群で、アイコニックな存在感にも引き込まれる。

Pixeyは10月29日にチェス・クラブからの2枚目となるEP『Sunshine State』をリリースする。より切れ味を増したビートで攻める先行曲“Sunshine”や”Take Me On”からは、『Free To Live In Colour』で筆者が感じた強烈な印象を上書きする、天井知らずと思えるほどのポップな発想力と勢いが漲っている。これからますますワイドに活躍するであろう彼女から目が離せない。


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