【コントラクトブリッジ】バランシング判断【2023神奈川②】
スプラ3のXマッチに昇格しました。敵の対面が強すぎて1対1で狩られまくっているKKTです。
お昼食べて午後のラウンド。午前中はアベマイナスだったのでこの辺りから浮上していきたいと思いながら臨みました。早速振り返っていきます。
バランシング①
ビッドはノースから。
1S-P-P-?
ウエストのバランシング判断。「バランシングは1K足して」の格言でやってますが、その基準だと2Cとパスの当落線上です。点数の配置が良い感じなので2Cでバランシングしました。
1S-P-P-2C;
2D-3C///
自分の3Cがスタンド。プレーはDA,SA,Sxから始まってスペードラフ避けられず2ダウンは-100。
裏は1Sが流れて4メイクは+170で2IMP取り。バランシングしてNSの4Mになったらメジャーのブレークが良くてメイクされそうなので、1Sをパスする選択も有りです。トラベリングを見ると1Sを流したのは7テーブル。3Cになったのは8テーブルだったので半々より少しバランシング派が多いという感じでしょうか。
次はゲームスイングで取られたハンド
我々のテーブルはNSのフリーランで1S-1NT;3H-4H///で6メイク。裏は1S-1NT;2H-Pで2H6メイクは10IMP取られでした。
ゲームルーズを防ぐためにノースが3Hと跳ねるのが良いか、サウスが3HでINVが良いかは微妙なところです。個人的にはノースの手はトリックが多いから3Hとジャンプするのが好みです。一方で、サウスは3Hと付けるのが良さそうです。ノースがM55だったらスペードを切って10個になりそうですし、44フィットだとしても15点くらいの良い手ならプレーは有りそうです。
ガジリ使っていれば1S-1NT;3H-4Hとか、1S-1NT;2C-2D;3H-4Hとか、うまくノースが余力を示すことができます。55の良い手が分かっていればサウスが4Hにレイズするのは簡単。ガジリはゲームに向かいやすくなるのが良いです。
次は日ごろの行いが悪かったハンド
P-P-P-1S;
P-2C-P-2D;
P-2H-P-3C;
P-3H-P-4NT;
P-5H-P-6S///
ウエストは4番手で1Sオープンと2Cオープンのジャッジ。2C-2D;2S-3Hとなったらダイヤ示しにくくなってしまうので、1S-1NT;3Dの展開を狙って1Sオープンしました。パートナーのdruryを見て6Sを意識。3Dで2スーターを示す判断もありますが、噛み合いが悪くてもハイカードでスラムが有りそうなので2Dでパートナーのハンドの情報を引き出す選択をしました。
2Hは3枚サポートのマックス。3C以降はキュービッドとRKCB。6Sは32ブレークならメイクなので良いスラムですが、不運にも50ブレークだったので2ダウンは-100。
裏のビッドは、
P-P-P-2C;
P-2D-2NT-3S;
P-6S-P-P;
X///
裏はウエストが2Cオープンを選んでサウスがサクションで介入。2NTはC+HかD+Sの2スーター。ウエストの3Sに対して、イーストは何がキュービッドになるか分からないからシンプルに6Sへジャンプ。裏でQJTの5枚スペードを抱えたノースが捕まえて6Sx。ノース視点は6Sxを6NTにコンバートされると少し嫌ですが、サウスが2NTで介入できる手を持ってるから6NTxも落ちそうです。裏の良いダブルで5IMPの得点。
次はパートナーが上手にエスケープしたハンド
P-1C-1NT-X;
2C-P-P-X///
1NTオーバーコールしたらノースにペナルティをかけられました。イーストの2Cはクラブ+何かのドント式エスケープ。自分はたくさんクラブを持っていたのでパス。ノースのダブルをサウスがペナルティと考えてパスしてパートナーの2Cxがスタンド。ジャストメイクで+180。
ユースなら「1NTダブルした後の一回目のダブルはテイクアウト」の約束なのでノースのダブルはテイクアウトになりますが、オポーネントの実際の取り決めがどうだったかは分からないです。
もし自分がイーストに座っていたら5枚スーツのハートに1スーターエスケープしていたかもしれないです。1C-1NTとなるときはウエストにクラブ結構有りそうだから2Cで2スーターを示すのが良さそうなんですね。勉強になりました。
裏は、
P-1C-1NT-2H;
P-3H-P-3S;
P-4S///
ノースの4Sになって5メイクで13IMP取り。裏も若干事故っていて、2HがTRFなのかNATなのかの行き違いがあったようです。個人的にはTRFを導入する方が好み。ノースはシェイプで4Mをプレーしたいような手を持つことがあるので、PENから入るよりも自分のスーツを示してゲームを目指したいときがあるから。今回のような55の良い手とかは特に、なるべく早い段階で自分のスーツを示したいです。
次は高い台の競り合いが上手くいったハンド
1H-P-3C-3S;
4C-4S-5C-P;
5H///
イーストの3Cはリミットレイズ。サウスの3Sに対してウエストは4Hまでは当然ビッドしますが、ノースが4Sで競り合ってくる展開が有りそうです。それを読んで4Cでアドバンストバリューショーイングをしました。4Cをビッドしておくと、ノースが4Sをビッドしたときにパートナーにジャッジを手伝ってもらいやすくなるのが良いです。
パートナーがイマイチな手でパスならこちらもパスで4Sノンダブル、ダイヤとかスペードを抑えていてダブルしたら4Sx、クラブを持っていてオフェンシブなら競ってもらって5H。今回はパートナーがクラブバリューとスペードショートのオフェンシブな手なので競り合ってくれて5Hに到達してジャストメイクは+450。作戦成功です。
裏は
1H-P-3D-P;
3H///
3Dはバランスハンド傾向のリミットレイズ。裏ペアのサウスはパスを選択し、3Hが流れてきてもパスしてウエストの3H。相手のゲームルーズによって6IMPの得点。いぶし銀のような渋い技を見せていました。
自分なら1回目に3Sとオーバーコールしたいですが、パスするのも大人なジャッジだと思ってます。3の台のオーバーコールは捕まったときの失点リスクがあるのと、良い手を期待されてオーバーランしうるので。オーバーコールの下限を強くして失点リスクを抑えつつ、アクションの期待値を上げるのは有効な戦略です。
Rd3は裏表ともに概ね良いスコアで32-16の16IMP勝ちは14.42VP。ほぼアベレージまで復帰して1日目の最終ラウンドへ。
Rd4
グランドトライを考える
ビッドはパートナーの2Cオープンからフリーラン。
2C-2D;2H-2S;3H-3S;3NT-4D;4NT-5H;5S-?
2H=kokish
2S=pup
3H=H 1suiter
5S=K ask
アクションの方針はどうしますか?
テーブルで考えたのは、
・Q2枚とHJをまだ示してないので余力がある。
・パートナーの5Sは全キーカード揃っていることを示すので、パートナーはHAKQ、CAを持つ。2Cオープンはあと10点くらいの余力がある。
・K askに対する答えはステップなので、5NT=CK、6C=DK、6D=SKが基本だが、こちらはクラブのキュービッドを飛ばしたので既にCKを否定している。その場合は5NT=DK、6C=SK、6D=何かのエクストラバリューになりそう。今回の手はQ2枚とHJがあるのでエクストラバリューを示すのが良さそうに見える。
パートナーに伝わることを信じて6Dをビッド。もし6Dの後にパートナーが6HでサインオフしたらKが無いと厳しいという意味になりそうだから、6Hにはパスするつもり。
ハンドは、
2C-2D;2H-2S;3H-3S;3NT-4D;4NT-5H;5S-6D;6H-P
パートナーの6Hが7メイク。パートナーは「6DはK無くてエクストラバリュー分かったけどそんなに持っていると思わなかった。2QとHJあれば7H上げて良いんじゃない?」と言ってました。たしかに13トリックあることも多そうですし、もし12トリックだったとしてもフィネスの50%はあるから7H良さそうです。
一方で、パートナーはウエストにKが無いのは知っていたはずなので、7トライは別のアクションの方が良かったのではないかと思ってます。5Sをビッドしてもほぼ6Hが返ってくるでしょうし、ウエストが余力を持っていても上げて良いか分かりにくそうです。
個人的にはイーストはDQを聞くのが良いと考えてます。ウエストにDQがあれば、ダイヤ4枚目、SQ、スペード5枚目、Cフィネス、などのいろいろな13トリックチャンスがあるので7Hが悪いコントラクトということは無いでしょう。RKCBで聞いた側が主体的に最終コントラクトをジャッジする方が楽なので、可能なら決め切る選択をしたいです。
他のテーブルでは、2C-2S;3H-4NT;5D-5S;6D-7Hという展開で7Hになったようです。ウエストから聞く展開もトリックが数えやすいので良さそうです。
続いて、
スラムトライ判断
あなたはウエスト
1D-2S-X-P;
4H-P-?
アクションの方針はどうしますか?
テーブルで考えたのは、
・スラムトライするか、4Hをパスするかの二択。
・スラムに必要なカードはHA、HK、HQ、DA、DK、CKあたりから5枚程度。ハイカードで16~17点くらい。
・パートナーの4Hはどれくらい強いか?こちらのネガティブダブルは10+ハイカードバリューのH4枚を示す。パートナーの12-14平凡なミニマムH4枚は3H、18+の激強いH4枚は3Sからの4Hとすると、4Hはその中間くらいのハンド。15-17のアンバランスハンドでH4枚。典型的には1453の15-17がありそう。
・こちらにはハイカードで30点程度有りそうだし、x AKxx AKQxx xxxくらいで良いスラムになるのでトライした方が良さそう。
・一方で激熱ではないので、パートナーがRKCBできないなら撤退する。
4Sでトライして、パートナーの4NTを期待することにした。
ハンドは、
1D-2S-X-P;
4H-P-4S-P;
5D-P-5H///
パートナーの5Hは配置が悪くて2ダウン。パートナーの手は想定していたよりも弱かったですが、スペードボイドなら4Hをビッドするのは有りそうでした。
後から考えると4Hはパスする方が良かったです。理由は、
・パートナーはどちらかの黒いスーツがショートなのでハンドの噛み合いが良くない。噛み合いが悪い時はハイカードが必要なスラムになるが、しっかりハイカードを持つ良い手は3Sでキュービッドするだろうから、4Hの時は足りなそう。
・切り札の内容が悪い。相手がプリエンプトしたときはブレークが悪い傾向で、8枚フィットでトランプの内容が悪い時はトランプのルーザーが出やすいから、少し抑えめにした方が良い。
・スペースが足りないから、スラムトライすると必ず5Hまで行ってしまう。5Hは切り札の配置が悪いだけで落ちうる。また6Hまで行けたとしても、バリュー不足とか切り札のブレークが悪くて落ちるとか有りそう。
4Hで手堅いプラスを狙うのが良いジャッジでした。裏は4Hストップだったので11IMP取られ。
続いて、
バランシング②
我々のテーブル
1H-1S-P-2H;
3C-P-3H-3S///
ノースの3SになってHHCC取って、その後スペードのゲス外して1ダウンは+100。
裏のテーブル
1H-P-P-P
1Hがスタンドして4メイクされは-170で2IMP取られでした。ノースは二番手のバルでオーバーコールするにはハイカードが足りないしシェイプも無いのでパスが良さそうです。
サウスは1Hが流れてきたらパス、ダブル、1S、2Dの選択。チームメイトはダブルしたら相手の4Hへ押し上げてしまうかもしれないこととか、NSのクラブコントラクトになることを嫌って1Hをパス。大人なジャッジをしていました。
個人的にはダブルが良いと考えてます。NSのスペードかダイヤになれば嬉しいですし、良い時には相手の1Hxを捕まえたり、NSの3NTがメイクすることも有るでしょう。1Hを流すには勿体ないです。裏のノースもダブルに賛成していました。
日本リーグのチームメイトに聞いてみると、ダブルが1人と2Dが3人という感じでした。2Dは相手のハートになったときにリードショーイングができるのと、NSのクラブになるのを防ぐことが出来るのが良いです。Eの1Hxを捕まえる頻度はそんなに高くないので、2Dとビッドするのが良いのかもしれません。
4番手の取り決めとして、ダブルからの2Dをこういう手にするのも良さそうです。パートナーに2Cと言われても2DをビッドしてD+OMを示せるので、バランシングの競り合いに強くなります。1X-P-P-となるときは2番手がある程度ハイカードを持つケースが多いので、競り合いに強い取り決めにするのは理にかなってます。4番手が激強ハンドを持っているときビッドに困ることになりますが、キュービッドとかジャンプオーバーコールでうまく捌くようにすればある程度対応可能です。
最後は少し工夫したハンド
パートナーのウイーク2Dオープンから、
2D-(2NT)-?
アクションの方針はどうしますか?
テーブルで考えたのは、
・パス、ダブル、3D、3Hの4択。
・ウイークオープンするパートナーのスペードは3枚以下だろうから、相手には8枚以上スペードがフィットしてそう。
・パスした場合は大抵ノースが3Hでトランスファーして右の3Sか4Sになるだろう。スペードが44フィットでノースが弱い時だけ2NTスタンドする。
・ダブルしたら相手の3Sになるだろう。スペード44の時も、NSのリダブルからエスケープで3S見つかりそう。パスしたときよりも展開が悪い。
・3Dは妥当なジャッジ。こちらの3Dは良いコントラクトだろうし、ノースがトランスファー出来なくなるから、ノースが弱くて5枚スペード持ってるときにビッドしにくくなる。
・3Hはタクティカルなビッド。相手の3Sを防ぐ狙いは3Dと一緒だが、ノースが強かったりスペード6枚以上持っていて4Sになる場合に、パートナーにハートリードを示唆することができる。トランスファーできないからノースの4Sになることも多く、その場合はオープニングリードからハートを出してもらえる。一方で、3Hが流れると少し渋い。
3Dと3Hで迷って、勝負の3H。ノースは強そうだと直感したから、ディフェンスで効きやすいビッドを選んだ。
実際のハンドは、
2D-(2NT)-3H///
自分の3Hになってクラブリード。ダミー見るとハート1枚、スペード3枚、そこそこハイカードの多い手。相手は競りにくい形なので、3Dにしておけば良かったと後悔しました。実際にはH33でD22のQ表なので落ち目は無く3Hジャストメイクは+140。裏は3Dジャストメイク-110だったので1IMP取りでした。ラッキーです。
相手のスペードを意識して良いビッドしたと思ってましたが、裏ペアに聞くと3Dが良いのではないかと言ってました。スタンドする場合3Hより3Dの方が良いのと、ハート示唆しなくてもハート打ってくれそうだから。たしかに、パートナーはリード上手なので当ててくれること多いですし、3Dで流れることも結構有りそうだから3Dが良さそうでした。
Rd4は24-27で3IMP負けは9.03VP。4Hパスしてたら勝てていたので悔しいです。1日目はほぼアベレージで折り返して2日目へ続く。