【ブリッジ】XXの使いどころを考える【柳谷杯2日目①】

ゼルダの新作を買いました。プレーするのが楽しみなKKTです。


柳谷杯の2日目を振り返っていきます。1日目は3位で折り返したのでまだ優勝もあり得る位置。2日目は日本リーグのパートナーと組んで出場だったので、日本リーグの練習にもなれば良いなと考えてました。


午前

クローリングステイマン

あなたはサウス

#3 they vul 1st

K932
J8762
92
T6

P-(1D)-1NT-(P);
?

アクションはどうしますか?













特別な取り決めは無かったので、大人しく2DでTRFからの2Hでサインオフすることにしました。





実際のハンドは、

P-(1D)-1NT-(P);
2D-(P)-2H///

でパートナーの2Hになって2ダウン。50ブレークでかわいそうでした。


終わった後に「クローリングステイマンを使ってれば2Sで終わることができたなあ」と思いました。1NT-2C;2D-2Hでボスメジャーのサインオフを示すコンベンションで、ボスメジャー(55,54,45,44)の弱い手を持ってるときに良い2Mを探せます。自分たちはウォルシュリレーとか使ってないので、自然に導入することができます。

クローリングステイマンを導入した場合のコンベンションは、

1NT-2C;2D-2H=Both M、サインオフ
1NT-2C;2D-2S=H4、S5+、INV以上
1NT-2D;2H-2S=H5+、S4、INV以上

みたいになってスモーレンがオフになります。スモーレンできなくなることで4Mのサイドが悪くなるデメリットがありますが、それよりもボスメジャーでサインオフできるメリットの方が大きいので個人的には好きなコンベンションです。


続いて、

ディフェンスのゲス

あなたはサウス

#7 both vul 1st

86
A52
AQ865
742

P-(P)-P-(1C);
1D-(1S)-4D-(4S)///

左の4Sになって、パートナーのオープニングリードはD2。ダミーは、

AQT4
Q64
J7
AKQJ

T1:D2-7-A-T

次に何を出しますか?














テーブルで考えたのは、

・パートナーは5枚ダイヤなのでダイヤは1つしか取れない。
・ハートで3つ取らないと落ちなさそう。自分からハートを出すか、相手に手番を渡してハートが出てくるのを待つか。
・ディクレアラーのシェイプはS4枚以上でD1枚。ディクレアラーのスペードが6枚のときはS6C4で10個ウィナーが見える。先にハートを取り切らないとクラブの下にハートが消えるかもしれない。例えば、KJxxxx xxx x xxxみたいな手をしている場合はハートスモールへのシフトが正解。
・一方でディクレアラーがスペード5枚以下なら、5x1xというシェイプになるので、ハートとクラブに7枚あることになる。その場合はクラブで捨ててもハートが必ず3枚以上手に残る。ディクレアラーはいつか自分からハートを出すことになるから、ディフェンスで3枚取れる期待値が高くなる。例えばディクレアラーがKJxxx Jxxx x xxxみたいな持ち方をしていたら、ディクレアラーからハートを出させれば3枚取れる。
・ディクレアラーは2Sオープンしなかったのでスペードを6枚以上持っている頻度が若干低い。また、スペード6枚かつハート2枚以下はハートを出しても落ちないし、S6枚+HKの3枚とかも落ちない。

ダイヤを続けておいてディクレアラーが5枚以下のスペードに期待した方が良さそう。こちらからハートを出してしまうと振り込みで1IMP損することも結構有りそう。







実際のハンドは、

今回はハートスモールもダイヤもどちらも正解。平和な配置でした。


ラウンド終わった後パートナーにどっち出すのが良いか聞いてみると、「4Dって結構しっかりした手だから、x KJTx Kxxxx xxxみたいな持ち方してることも多いからハートシフトも良いと思う。ダイヤも有りだと思うけど。」と言っていました。

言われてみればたしかに、4Dにジャンプするときはスペードショートのこと多そうだからハートシフトも良かったかもしれないです。ノースはバルの2番手だから2Sオープンを控えたスペード6枚も有り得ます。またチーム戦ならアップメイクされても1IMPで済みます。

一方でKJTまで期待しないとダメなので分はあまり良くないです。ペア戦ならダイヤを出しておくのが安全そうです。


続いて、

オーバーコーラーのレンジを考える

あなたはサウス

#14 both non vul 2nd

QJ54
AT762
A3
K3

(1D)-1H-(P)-1S;
(P)-?

アクションはどうしますか?














テーブルで考えたのは、

・フリーランなら2Sだが、オーバーコールした後の2Sにしては手が強すぎるかもしれない。オーバーコール後の2SはS3枚で仕方なくビッドするケースもあるし、10点前後の弱い手もあり得るから。
・フリーランの3Sへのジャンプはアンバランスハンドで15-17くらいになるが、オーバーコールのときは16-17の強い手は少なくなりそう。例えばAxxx AKxxx x KQx みたいな強い手はダブルから入る選択肢があるから。
・オーバーコール後は3Sの上限が低くなりそうなのと、2Sの下限が広いから、3Sの下限を少し広くした方がバランス良いはず。H5S4の13-14でしっかりした良い手は3Sに混ぜた方が良さそう。

ということで、今回の手は広がった3Sの下限として表現することにしてみた。












実際のハンドは、

(1D)-1H-(P)-1S;
(P)-3S-(P)-4S///

ノースの4Sになって5メイク。


ラウンド終わった後パートナーから、「3S良かったね。2Sだったらパスしてたかも。」と言われました。こういうとこ気づいてくれるのがパートナーの良いところです。

今回はばっちり上手くいった形でしたが、こういう手は3Sで捌くのが良いジャッジになることが多いと考えてます。2SにS4枚で13-14の良い手が含まれてしまうと、2S=10-14、S3~S4みたいな広いレンジになってしまうので、ノースのジャッジが難しくなってイマイチです。良い13-14のS4枚を除けば2Sのレンジを狭くすることができて、2Sが返ってきたときにノースがマージナルな手をパスしやすくなります。

一方で3S=S4枚の13-16(17)みたいになって、3Sがちょっと広くなってしまいます。でもちょっと広いくらいで大きな負担にはならなさそうですし、3Sがまずいコントラクトになることもそんなに多くはなさそうだと考えてます。


続いて、

3NTか、それ以外か

あなたはサウス

#15 we vul 1st

A
Q73
AKJ9763
T5

1D-(P)-1H-(2NT);
3D-(P)-3S-(X);
?

2NT=S+C

アクションはどうしますか?














テーブルで考えたのは、

・パートナーの3Sは取り決めないビッドだが、ハートは5枚以下で、ハイカードバリューがあって、コントラクトに困っている手が多そう。
・こちらはパス、XX、3NT、4Hの4択。
・3NTは結構メイクしそう。スペードストッパーと走れそうなダイヤがあるので9個取れそうだから。
・4Hはあんまり良くない。右に黒いスーツの55がいるから、左に長いハートがいそう。43の4Hはバッドブレークで厳しいことが多そう。あとは自分のダイヤが長くて内容良いので、パートナーに2枚ダイヤとかDQとかいれば4Hよりも5Dの方が良いことが多い。
・パスとリダブルはあまり良くなさそう。自分の手は特徴あるので、パートナーに決めてもらうよりもこっちから主張した方が良さそう。

3NTできそうだし、男らしく3NTに決め打ち。












実際の展開は、

1D-(P)-1H-(2NT);
3D-(P)-3S-(X);
3NT-(P)-4C-(P);
4H-(P)-5C-(P);
6D///

で自分の6Dになってジャストメイク。パートナーの4Cに助けられて無事に6D向かうことができました。


終わった後パートナーにビッドを聞いてみると「3NTじゃなくてXXが良いと思うけど。3NTよりも5Dとか6D目指していくべきじゃない?」と言っていました。

自分としては3Sってダイヤフィット確定では無いし、3NTに向かっていくジャッジは妥当と考えてます。それよりもノースがダイヤに絞って3Sではなく4Cとか4Dとかビッドしてダイヤセットした方が簡単ですし、5Dが悪いコントラクトになることほとんど無さそうに見えます。

ジャッジが難しいので有識者に聞いてみました。

「ノースは3Sでいいと思います。スペードダブルトンなのでこの時点では3NTを目指します。サウスはアンバランスでパートナースーツにアナーの3枚があり、全く3NTのハンドではないです。特に今回は幸運にも3Sをオポーネントがダブルしてくれたのだから、リダブルしてファーストコントロールを示すべきです。ダブルされていなくても僕は3NTではなく4Hをビッドしますね。ノースの3NTに対する4Cは冒険的ですね。特に2NTオーバーコール後の3Dは強い保証はないから、このビッド展開でサウスを信用するなら3NTをパスするでしょう。」
「ノースは4Dとつけたいがフォーシングの自信はない。3S良いかもしれないです。サウスのハンドは3NTビッドしないです。XXちょうどいいと考えます。パートナー xxxx AJxx x AKxx みたいなハンドでも5Dが良いパターンもあり得るので。 」
「ノースは4Cが良い。サウスがD6枚あるとき常に3Dをビッドするなら3S。サウスは3NTでなくて4H。保証はなくともオークション上ダイヤを持っていないことは考えづらい。絵札の位置もよく、5枚ハートが否定されたわけでもないので、3NTは選ばない。」
「ノースは3NTを越えていくべきだ。3Dは良い手のはずでダイヤ6枚のミニマムということは無いだろう。6Dもあり得るので4Cとまっすぐダイヤのスラムトライを伝えるのが良い。サウスはXXが良いと考えるが、3NTだったとしてもそれをノースがパスするのはあり得ないだろう。」
「ノースは3Sでなくて4Cを言うべきと考えます。5Dまでは耐えていて6Dも十分有りそうです。サウスは3NTでなくてXXを言うべきです。」
「ノースは3Sでなくて4C。Cは敵スーツだから誤解なくDアグリーのキュー。サウスは3NTでなくてXX。3NTやるとしてもパートナーの方が良さそう。パートナーが3NTならパス。」
「IMPですので3NTを捨てて4Cが良いと思います。5Dが落ちることはほとんど無いと見るのが自然かと。サウスは3NTよりもXXが良いのでは?3NTに決め打ちせずパートナーに任せてみるのが良いと思います。」

ノースは4Cが多数派、サウスはXXが多数派でした。たしかに3NTよりも5Dや6Dが良いパターンは結構有るので、XX良さそうでした。なんかストッパーがあって9個見えると3NTに向かいがちなところあるみたいです。こういうのXXを上手く使ってスマートに捌けるようにしたいです。



次はプレーで妙技が決まったハンド

自分はサウスで、ビッドはノースの1Dオープンからフリーランで1D-2C;2H-2S;3C-3NT///で自分の3NT。

ウエストのオープニングリードはDT。DAで上がって、CAでハンドに戻って、Hx→Q→A。イーストはSKにシフトしてそれを勝たせた。SJが続いてそれも勝たせた。続くS4をSAで上がって、HK、Hx→Jとしたらイーストがショーアウト。CQを取ったら今度はウエストがショーアウト。

T10時点で下の状況です。

ウエストの3451が分かったのでH5でスローイン。ウエストからダイヤが返ってくるのでダミーのDKをプレー。DKの時にイーストがスペードとクラブでスクイズにかかってジャストメイク。残り4トリックでスーサイドスクイズみたいなのが決まった珍しいハンドでした。


次はうまくグランドまでビッドできたハンド

サウスの自分の1Hオープンからフリーランで、1H-4D;4NT-6D;7H///

ダイヤのSPLが来た時点で激熱。6Dでダイヤボイド+HAが分かって灼熱。HQあるかもしれないし、H5枚でも良いし、H4枚でも22なら耐えてるから7Hをビッド。パートナーの4Dと6Dの跳躍が美しくて、芸術点の高いビッドとなりました。

もしボイドSPLを取り決めていれば、1H-3S;3NT-4D;4NT-5C;5D-6H;7H///と言う感じで7Hに辿り着けます。介入されない前提ですが。

ちなみに裏は下のようなビッド展開で7Hへ。

1H-(P)-4D-(X);
P-(P)-XX-(P);
5NT-(P)-7H///

イーストのダブルが入ったので、サウスはパスしてファーストラウンドコントロールを確認。グランドスラムフォースして、HAQを確認して7Hへ。裏も美しいビッド経過でした。

もしウエストが5DとレイズしてたらNSは難しくなります。サウスがダイヤボイドとHAQを確認しにくいので。ノースが6DをビッドしたらDボイドと良い手を示せて、それを見たサウスがHAを期待して7Hにレイズできるかもしれないです。


最後にウイーク2Dで得点したハンドを紹介します。

自分の2Dオープンから、2D-(P)-3NT-(4D);P-(4H)-X///

でウエストの4Hxになって、DAリードをラフ、S2-4-8-T。HK-A-T-2。S3-J-5-Q。HQ、Hx。S7-D3-H6-6。CQ-5-2-K。みたいな展開で4ダウンは1100取りでした。

日本リーグだったらマルチ2D使っているので、サウスの手は3Dオープンはできないからパスしていたでしょう。サウスのパスから始まれば1100取れることは無かったです。ウイーク2Dの得点となりました。


午前中は良いボードが多くて、データムは24ボードで+24IMP。感覚としてはボード+2くらい稼いでいたつもりでしたが、EWに厳しいボードセットだったから稼ぎ足りなかったらしいです。裏は不運なボードが多くて3ラウンドで30VP弱取って5位/14になりました。優勝は厳しくなりましたがまだ諦めずに午後のラウンドへ。


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