【コントラクトブリッジ】NTのスミスエコーについて考える【ワールドユース2022ペア本戦】

日中暑いのに夜寒すぎてつらい。KKTです。


無事にペア予選を4位で抜けて本戦へ。本戦の試合形式は6ペア3テーブルのMPでした。3テーブルしか無いのでBAMとほぼ変わらないです。1ラウンド3ボード、15ラウンドで45ボード、各ペアと3回当たります。同じ相手と対戦しすぎです。

予選と同じように、各フライトのファイナル進んだペア全員で2日間総当たりして各フライトに分けて順位決める方が楽しいし実力出やすくなるしで良かったんだけどなー。と個人的には思いました。早速振り返っていきます。


Session 1

1NTオープンにバランシングするしない?

あなたはイースト

#4 Both vul 4th

Q3
KJ964
T9864
6

P-(P)-P-(1NT);
P-(P)-?

アクションはどうしますか?














テーブルで考えたこと
・シェイプはバランシングに向いている。メルの法則のルールオブ2(バル関係やHCPは無視して、ダブルトンが2個あるハンドやボイドやシングルトンのあるハンドではパスをしないで介入すること)であれば、2452でも何かしら介入する。これは少しシンプルにし過ぎていてやりすぎ感もあるが、少なくとも55は鉄でバランシングするのだろう。
・ただ、今回はパートナーが初手でパスしているので11点以下、自分も6点しか無いので、ノースに6~8点程度あるのが分かる。ここでバランシングするとそのまま2Hでスタンドするとは考えにくい。おそらくダブルとかでリオープンされるだろう。悪い日には2Hxが1ダウンで200取られたり、相手の44の2Sが見つかって3メイク、みたいな展開になりかねない。

ここは安全策を取って1NTをパスすることにした。







結果は(U30, U25順)、

サウスの1NTはスペードリードからSQ捕まって、黒いスーツと赤い2A取られて4メイクされて25%のスコアでした。
バランシングで2Hをビッドすると、ノースがリオープンダブル、サウスが3Cにコンバート、ウエストが3Dかパスを選ぶという感じでしょうか。NSの3C(4C)になれば4メイクで130取られは50%のスコアになるので、バランシングが当たりでした。


後から振り返ると2Hでバランシングする方が良かったです。55のシェイプはバランシングするのに十分で、ハートかダイヤが当たればメイクするかもしれないし、当たっていなくとも必ず200取られるとは限らないです。相手が2Sとか3Cをプレーするかもしれないからです。
また、パスして1NTでスタンドしたときはパートナーからリードですが、ヒント無しなので黒いスーツを打って外れの可能性があります。2Hでバランシングしておけば、相手のコントラクトになったときにはリードのヒントがあるのが良いです。

メルの法則をそのまんま信じるわけではないですが、メルの法則の最も弱いレンジよりも良い手は介入しても大きく外れなさそうです。


続いて、

ハートは打ちぬけない?

あなたはイースト

#8 both non vul 3rd

732
KQ743
K6
KT9

P-(1D)-1H-(X);
2H-(2NT)-P-(3H);
P-(3NT)///

2NT=Bad 2NT

右の3NTになってオープニングリードはHKを選びました。ダミーは、

AK86
96
T92
AJ65

T1:HK-6-2-A
T2:SQ-2-6-5
T3:S4-3-A-J
T4:DT-3-4-K

シグナルはUDCAで他に特殊なものは使っていないとします。次に何を打ちますか?













結果は、

U30

P-(1D)-1H-(X);
2H-(2NT)-P-(3H);
P-(3NT)///

T1:HK-6-2-A
T2:SQ-2-6-5
T3:S4-3-A-J
T4:DT-3-4-K
T5:H4-9-T-J

うちのテーブルではイーストからHxが返ってきてHJが勝って5メイクでした。U30のテーブルは他も全てそうなったようです。

U25

U25もメイクしたテーブルがかなり多いみたいです。


ハートは打ちぬけないのでしょうか?
たしかにウエストのハートカモンはHJを持っているとき出ますが、他のスーツに何も持っていないときも出るかもしれません。HJは持ってそうですがはっきり持っているとも言えないです。
また、ノースはHAJxなら上がってダイヤフィネスをしてアボイダンスしそうです。AJとAxのときは上がってダイヤフィネスするしかありません。Axxだったら二回ダックして、三巡目を上がってDA、DQとプレーするかもしれません。でも結局ハート長い側に向けてフィネスするから、Axxでもダックしないかも?

ちょっと難しいので有識者に聞いてみました。
「ハートKリードにサポートしたパートナーが2をだしたのは4枚を示すのでオープナーは2枚でAJの可能性大、次はHQを出すべきだと思います。」
「Qx Axx AQJxxx xxでも同じプレイになりそうなので難しいですね。Kリードがカウント要求なら解決できるのかもしれないです。が、私なら初めにHxをリードしているので関係なく作られそうです。」
「例えばスミスを使ったとしても、よほどこのシチュエーションにハマる取り決めになっていないと区別するのは難しい気がします。フィールドが低め(低すぎない)とNorthがAxxなら2回ダックしそうですが、高いとよく分からないですし。単純なパーセンテージに頼るならWestにHが4枚配られててしかも2Hしか置けない方が少ないと考えて5メイクされそうです。」
「West目線、自分に3枚以上のハートがあることはビッドで伝えているため、EastがKQJxxならこちらのシグナルは関係ない。よってKQxxxの場合に備え8でノンカモンしHJを否定する。その後は、イースト目線でディクレアラーのウィナーが9こあることがわかるので、T8xxに期待してHQキャッシュすることになります。」
「シグナルをカウント優先にしてない限り難しそうかな。あとはNの即上がりからこの分かれをゲスできるか。ワンチャン、Wが一巡目にHTを出すというのも考えたけどうまく通じるか不明。Txxなら次にダミーのH9を叩き落しながらHJを挟む必要があるからTxxはTをプレーしない。Wから見ればディクレアラーの2枚を知っているから、HJが無いけどHTは要らないと伝えられる気がする。」
「Wは最初にHTを捨てます。ダミーにH9が見えてるからTxxから捨てるわけないからです。」
「ディクレアラーがAJxではないことを知っているWestは、状況を示唆する意思を持ってTを出すのはアリそうです。Eastに伝わるかというと、このボードでDK勝った展開につき他に期待する配置もないので上手くいきそうです。こういうのWestで正しく出してしかもパートナーに正しく伝わったボードってほとんど記憶にないので、テーブルで成功させたらかなりファインプレーってイメージです。」
「WはパートナーがAKでもKQでもアナーを続ければHが取れることが分かった一方で、EにH4枚が伝わっていないのでネックになってると思います。初手HTを捨てればE目線では①WはHJを持っていない、②EはディクレアラーがHAJxかもしれないリスクを侵してまでHTを捨てるはずがないのでWは4枚H、と分かるので正しいディフェンスが出来る気がします。」
「一番シンプルな方法はWestが3Hとプリエンプトすることでしょうが、こんなルーザーだらけのハンドでそんなビッドはできないという事でえれば、
➀Westが最初にディスカレッジする。2NTはbad 2NTだろうから、Eastにはディクレアラーには10トリック有るのが見えるので、落とすにはHが撃ち抜けるしかないのがわかる。MPだと難しいかもしれませんが。➁Westがトリック1で10をプレイ。ダミーに9が残っていて10でディスカレッジするのは普通は考えられないので、アラームクロックです。この場合はHJは持っていないけど、H4枚持っているというアラームになりそうです。」
「HKには、アチチュードの約束だよね。H2はカモンの約束になるんだよね。僕ならH2でなく8だね。H8出して、SJ、ST出したら、バートナーは想像可能では。H8は、JT8ならJだから、必ずHJないよね。ハートボロ3枚でハートばかり示唆はおかしい。サイド0点を示唆したいというのは、それならレイズしないから、そういう状況じゃない。じゃあ、4枚くらいしか考えられん、となるのでは。デクレアラがHQダブルトン、パートナーがAKJならカモン出して、叩け、シフトするな、は正しいだろうけど、3Hに3Nは確実なストッパーだからそれは無いよね。デクレアラはエース。SP出す暇が無いときも多いと思うけど、Jがない時点でノンカモンかなあ。パートナーに入ったとき、ノンカモンだからエントリーを探すか、叩く以下にチャンス無いと見るか、1トリック目に何でダックしなかったかの理由を考えたりして、Jの無い4枚を期待するかどうかじゃないかな。カモンが出てるけど、叩くか、ブロックしないようにローかをゲスする、というのは無いかなという感じ。」
「まずHKリードは大正解です。Hxはおしまい。HレイズしたのでH最初はカモンかノンカモン。HA/HQ/HJでカモン、HJ捨てはHJT。Txxxはノンカモンします。スミスエコーかリバーススミスエコーによって違うけど、ノーマルなスミスエコーだとしてS触ったときHはHのカモンをして枚数を示す( 4枚持っている)。SQSAのときにJ,Tとプレーするのはどうですか?」
「コンベンションで解決するのはずるいですが、smith echoを推奨します。私は断然最初ノンカモン、次にsmith echoを使って長さを示します。smith echoが無ければゲスになります。相手も状況が分かっていてあえてAxxホールドしない可能性があると思います。また、別のパターンとして、最初Jを出してディクレアラーのKに勝たれたとき、smith echoでカモンすればQを示します。」
「smith echoを使います。最初のHKに対してはノンカモン、スペードの時にハイローでカモンを示すことで長さを示します。イーストはウエストのTxxxが分かるでしょう。」

今回はHTをプレーすればアラームクロックでTxxxを示せるという意見と、ノンカモンしてからスミスエコーでハートカモンして枚数を示せば4枚のJ無しを示せるという意見がありました。個人的にはスミスエコーを使うのが良いのかなと思いました。コンベンションで一般化できるから他の状況にも応用しやすいのが良いです。
もちろんスミスエコーを使うと、カウントシグナルとどっちを優先すれば良いのか分からなかったり、取り決めたことを忘れていて出るべき場面でエコーを間違えて出してしまうとか、そういう副作用もあると思いますが、使っているうちにそういったことは減っていって、使わないよりもスコアは向上していくと考えます。


続いて、

1NTにダブルされた後の逃げ方

あなたはノース

#9 they vul 1st

K3
83
AKJ3
A9876

1NT-(X)-2H*-(X**);
?

2H*=Both M
X**=Take out

アクションはどうしますか?












テーブルの思考
・あまり見たくないエスケープを受けてしまった。長さに関する取り決めは無いのでどっちのメジャーが長いか分からない。
・どっちのメジャーでプレーする方が良さそうか、と考えるとスペードの方が良さそうに見える。Kxのサポートがあるので内容が良いし、こちらでプレーすれば強い手を隠しつつ、強い方からリードしてもらえる。2Hxはウエストからのリードになるから、強い手を挟んで強い手に向けて打たれてしまうし、ダミーが強いからディフェンスも分かりやすくなる。2Hxと2Sxの比較は2Sxの方が良さそう。
・ただ、2Hxはスタンドするとは限らない。ここでパスすればイーストが3mや2NTにコンバートするかもしれない。

でも2Sの方が切り札の内容もサイドも良さそうだし、2Hxは受けられそうな雰囲気を感じたので素直に2Sを選んだ。





結果は、

1NT-(X)-2H*-(X**);
2S-(X)///

2Sはイーストが喜んでダブルして2Sxになりました。ダミーが開いたら2Hxの方がずっと良かったのですが、なってしまったものは仕方ないので我慢強くプレーして2ダウンに抑えました。でも他のテーブルは逆サイドで2Sをプレーしていたのでボトム。


後から振り返ると2Hxはいったんパスする方が良かったです。理由は、
・2Hxも2Sxも外れに見えるから、受けられたらいずれにせよほぼボトム。パスしてイーストがコンバートしてくれることを願うのが良かった。
・必ずしも2Hより2Sが良いとは限らない。H5S4の可能性も有るし、同じ長さだったとしても2Hxの方がブレークが良いかもしれない。流されてもなお、2Sxより2Hxが良い可能性が若干残っている。

ということで、なんとかなれと願って2Hxをパスする方が良かったです。あとパートナーはXXからハート1スーターで逃げた方が良かったと言っていました。たしかに、ボスメジャーエスケープはどっちか良い方に逃げて欲しいという意味になりますが、サウスの手はスペードが選ばれてなおハートの方が良いということも多いはずなので、ハート1本で決め打つ方が良さそうです。
例えばハートが一枚スペードに移動した形(Txxxx KJTx xxx x)とかであれば、ハートとスペードどっちが良いか微妙なので、ボスメジャーエスケープするのが良さそうです。


続いて、

ビッドからシェイプを考える

あなたはイースト

#16 we vul 3rd

AQ84
---
AKJ93
AK52

P-(1C)-X-(P);
1S-(2H)-3C-(3H);
X-(P)-?

アクションはどうしますか?















テーブルの考えは、
・スペードがフィットしたので3Cでスラムトライ。右手はクラブとハートを持っていて、左はハートのサポートがあって、パートナーはペナルティできるような手らしい。
・パートナー視点、こちらの3Cはスペードがフィットしたとは限らない。ハートにストッパーが無くて3NTを探している手もあり得るし、S3枚で行き場を探しているケースもあるし、もしかしたらダイヤのストロングを持っているかもしれない。
・自分視点は、4Sか6Sをプレーするつもりだったが、右手がクラブとハートのSTRを持っているとしたら6Sはイマイチかもしれない。点数を自分がたくさん持っているので、ノースの手はH5C6とかH4C7とかそういう感じのシェイプがある手だろう。スペードのブレークが悪いと想定できるから、6Sは厳しそうに見える。
・4Sはメイクしそうだが、パートナーが積極的にペナルティしたい手なら3Hxで800点を狙いに行った方が良いかもしれない。自分の手は4~5個くらい取れそうだから、パートナーにハートのマスターがあれば800点もあり得るだろう。

ということで、3Hxを流してみた。


結果は、

P-(1C)-X-(P);
1S-(2H)-3C-(3H);
X-(P)-P-(P)

3Hxは3ダウンで500しか取れずボトムでした。EWの6Sが良いコントラクト。

終わった後にパートナーから、「スペードからビッドしてハートにペナルティするときはスペードの方が長いボスメジャーなので、スペード5枚以上あるからスペードに向かった方が良いですよ。」と言われましたが、たしかにそうでした。テーブルでは良く考えていなかったですが、S5H5ならスペードからビッドするし、S4H5ならハートからビッドする方が自然です。だから、パートナーはスペードが5枚以上あることが多いです。

しかもサウスは自発的に3Hをビッドしているので、相手にとって3Hは良いコントラクトになってそうです。自分がCAKを抑えていることから、ノースにハートアナーが多いと考えられるため、こちらで取れるハートは少ないと想定できます。

つまり全体のレイアウトは、
N:クラブ+ハートを11枚持っている。ハートのアナーが多い手。
S:ハートを4枚以上持っている。クラブショート風のアンバランスハンド。
W:スペード5枚以上、ハート4~5枚のそこそこのボスメジャー。

こういう感じになっています。スペードのブレークは悪そうですが、少なくとも3Hxよりは4Sの方が良さそう。だから、スペードコントラクトに向かっていくべきでした。伝わるなら4C(4H)が良くて、ダイヤのストロングは4Dをビッドするだろうから、4Cと4Hはスペードで伝わりそうです。続くパートナーの4Sに対してはパスか5mか。パートナーは3Hを自発的にダブルしていることから、スペードコントラクトよりも3Hxに前向きであると分かります。SK無くてハートにマスターのある手も薄いけど存在するから、5Sは危ない可能性もまあまあありそうです。多分、4Sはパスが良いと自分は思っています。


そんなこんなでSession1はミスも多かったのですが、貰うことも多くて55%強取って2位。良いスコアだっただけに、#16の失敗が勿体なかったです。


Session 2

マッチポイントのコントラクトチョイス

あなたはノース

#1 both non vul 1st

A65
KJT97
KT54
K

1H-(P)-1S-(P);
?

アクションはどうしますか?












テーブルでは特に意識せず2Dをビッド。パートナーが強いなら4S見つかるだろうし、3NTも4Hも6Dも狙えるから問題ないでしょう。




結果は、

2Dがスタンドしてジャストメイク。2Sをプレーしていると3メイクでトップボードを狙えるかもでした。


パートナーが「こういう手はマッチポイントなら2Sが良いですよ。」と言っていました。言われてみればたしかに、2Sをビッドする方が良かったです。
2D,2Hは7枚フィットで、2Sはフィットしているというケースがあり得ます。また、2Sが7枚フィットだったとしても、短い方でクラブをラフすることでトリックを増やせます。場合によってはハートとクラブでクロスラフすることもできるかもしれないです。そして2Dよりも2Sの方がトリック数による点数が大きいのでMP形式だと有利です。

MPなら遠くの6Dや5Dを重視するよりも近くの2Rと2Sを重視した方が良いということでした。もちろん、良いダイヤコントラクトを逃すリスクもあるし、たまに43の4Sになってしまって困るということもありますが、それを背負っても2Sで得れるリターンは大きいです。

心配なら2way GTを一部工夫して3枚か4枚か区別できるようにすることも可能です。あとはインターチェンジ1NTとか、トランスファーレスポンスとか、そういうのを使えば43か53か44か分かりやすくなります。メジャーが有利なゲームだから、メジャーフィットを探しやすい工夫をした方が良いと自分は思っています。


続いて、

NTのリードのシグナル

あなたはノース

#5 we vul 1st

954
J853
754
A84

P-(1NT)///

右手の1NTになってパートナーのオープニングリードはS7。ダミーは、

AK32
972
T9
T952

T1:S7-2-9-J
T2:D2-3-T-7
T3:D9-4-K-A
T4:C3-2-A-7

次に何を返しますか?













テーブルの考えは、
・打ってきたクラブを返すか、スペードを返すかの二択。
・クラブは一番下から打ってきているので4枚+アナーを持っている可能性が高い。
・ただ、安直にクラブを返すとパートナーは黒いスーツでスクイズにかかるかもしれない。例えばスペードがQTの4枚で、クラブがQxxxとかならディクレアラーはCK上がって赤いスーツを取ればサウスがスクイズにかかってしまう。

スペードのエントリーを切っておけばパートナーはスクイズにかからなくて済むのでスペードを出した。



結果は、

クラブを取り逃して4メイクは50%のスコアだった。クラブを返して3メイクで抑えればトップボードだったので惜しい。


パートナー「クラブは一番下を出したのでクラブ打ってほしかったです」と言っていました。たしかに、クラブを返すべきでした。パートナーのクラブが一番下から出ているのでKJxxみたいな強いリードをしている可能性が高く、その場合にはクラブを取り切った方が良いです。また、スペードを挟んで欲しいのであれば、クラブは上から2番目とか3番目とかを出すこともできます。

NTのディフェンスをしていて、途中の段階では4th bestよりもATTを出したい場面はあります。特に今回のような、スペードとクラブどっちが本命なのか分からないようなときにはATTを出したいはず。

あとはもっと分かりやすくしたいなら、ダイヤのフォロー順でATTを出すことが出来ます。リバーススミスエコーを使っていれば、ダイヤを上からフォローしたならスペードのノンカモン、下からフォローしたならスペードのカモンになります。NSどちらもダイヤを上からフォローして、サウスが三巡目のダイヤを上がってクラブの一番下を出せば、クラブを返すべきでしょう。


続いて、

1NTにダイレクトで介入するしない?

あなたはイースト

#13 Both vul 2nd

KQJ865
74
A84
64

(1NT)-?

アクションはどうしますか?














・2Dで介入するか、パスするか?
・スーツの内容は良くてプレーに向いた手をしている。
・バルのダイレクトオーバーコールには少しパワー不足している。3Sxとか4Sxで200取られるリスクがある。

チーム戦ではこういうのをパスしているが、MP戦は介入した方が良いのか?良く分からなかったのでいつも通りパス。





結果は、

1NTが流れて1ダウンでボトム。こちらのスペードコントラクトが4メイクする形で大外れでした。


パートナーは「2Dでオーバーコールした方が良いですよ。MPならもちろんしますが、チーム戦でもすると思います。」と言っていました。たしかに、言われてみると2Dでオーバーコールした方が良かったです。理由は、
・今オーバーコールしないとこちらのスペードコントラクトが見つからなくなる可能性がある。
・パートナーもこういったオーバーコールは想定内だろうから、2Sや3Sで止まった方が良い時は止まれるかもしれない。
・4Sまでパートナーがビッドしたときは、13点でサポートがあるとか、シェイプのある4枚サポートとか、そういった手だから4Sにプレーがあるだろうし、相手の4Hや3NTをサクリファイスできるかもしれない。

もちろんオーバーランによる200取られでボトムというケースもあり得ますが、それでもこちらのスペードを探しに行くメリットの方が大きかったです。

ちなみにメルの法則はダイレクトポジションで1NTに介入する手についても基準を示していました。
ルールオブ8:1NTにダイレクトで介入したいときに下の基準を満たしていれば介入する。
①長いスーツ二つの枚数合計ールーザー数≧2
②最低でも6HCP以上

今回の手は②は当然満たしているとして、①の方については、
9枚ー7枚=2枚
となるから、満たしていると言えます。メルの法則から考えても介入だったらしいです。次からこういうプレーしやすい手は介入します。


Session 2は2Sをチョイスできなかったり、1NTでクラブを返せなかったり、1NTに介入できなかったりで、かなり失点してしまいました。この失点が響いてスコアは43.33%。
トータルスコアは49.47%で順位を3位に落としました。この時点で2位が54%だったので、2位に追いつくのは厳しそう。4位がチームメイトのオーストラリアペアで49.21%、5位がチームメイトの日本ペアで48.68%。6位は40%を割っていたので、最終ラウンドは3位のメダルを3ペアで争う形になりました。


Session 3

vsオーストラリアペア直接対決

最終セッションの最初のラウンドはオーストラリアペアとの直接対決でした。日本ペアとのラウンドは終わっていたので、我々はこのラウンドが一番大事なラウンドでした。ダイジェストで振り返ります。

最初のボードはノースの自分から1Hオープンで始まって4Hになりました。
ダイヤリードから、DA、CA、Cx-9-x-x、DK、Dx-ラフ、Cラフと進みました。後はスペードがラフされなければメイクなので、SA、Sx→Kとしたら二巡目のスペードを切られてハートを出されて無念の2ダウン。4Hxのテーブルがあったので50%で耐えでした。


次のボードは自分の2Hオープン(ボスメジャーウイーク)からパートナーの6Sになりました。クラブリードから、スペードを自然な方向にフィネスしたら外れで2ダウン。他のテーブルはプラススコアだったので0%。


最後のボードはイーストから、(1D)-1S-(X)-2S///で、相手のディフェンスが失敗して2Sが3メイク。このボードは良い結果だと思いましたが、裏は4Cx3ダウンと5C3ダウンで荒れていて0%。直接対決は2-10で大負けでした。


残りの2ラウンドは良いスコアでしたが、オーストラリアペアも良いスコアだったので追いつけず。そのまま10点差(5%差)くらいで4位でフィニッシュでした。

BAMなのでこういう形で運によって結果が左右されてしまうのは仕方ないです。でもSession1とSession2で何回か失敗したのを改善できれば3位になれていたし、インドのペアは予選も決勝もずっと1位だったのでシンプルに実力で差も出ていました。


ペア戦は4位だったので惜しくもメダルは取れなかったものの、試合は楽しかったです。特に予選は全員との総当たりでスコアが大きく動かなくなるところまでやって収束していく感じが、実力を競い合う感があって楽しかったです。こういう形式の試合があったらまた挑戦したいと思いました。チーム戦へ続く。


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