「簡易裁判①」

おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。

 私は簡易裁判を2度行っている。今日はその一回目のことをお知らせします。誠に個人的な内容で、いま思うと裁判などする必要のないことでした。良い経験ではありましたが、余計なことをしたと思っています。

 もう10年程前のことですが、父からもらった小淵沢の土地があります。300坪ありますが、固定資産税がかからない山林で、二束三文。売っても30万円にもならないクソ土地です。正直いらない。父は自分で処分に困った物を、息子たちに押し付ける性癖があります。兄は800坪、弟は200坪をもらっていた。
 その土地にて伐採業者が間違えて私の土地の木を半分切ってしまった!という連絡が来ました。面倒ですが、一度現地へ行かなければならず見に行きました。正直土地の場所も分からず、業者に小淵沢インターまで来てもらいました。
 実際に見てみると、土地の境目が分かりにくいのですが、私の土地以外にも回り一帯を伐採していたようです。しかも、その切った木をどうしたのか聞くと、既に売却してしまったというではありませんか?普通なら「もう別にいいよ!」となるところでしょうが、その売った木はいくらだったのかを聞くと、その業者の代表者(60を超えた爺さんで、作業着を着てとても代表者には見えない)は、平然と60万円程の領収書を見せてくれた。「おいおい、勝手に人の土地の木を切って儲けてんなよ!」私はこの男はうさん臭いと思い、その日は現地を見るだけにして家に帰り、家内と相談してその業者を調べてみることにしました。家内に法務局へ行ってもらい、その業者の登記簿を調べてもらいました。なんと、その業者は法人登記をしていなく、勝手な名刺を作り、勝手に代表を名乗っているだけの男でした。益々怪しい。小淵沢の町役場に電話をして、その男の住所が間違いないかなどを調べ、逃げられないように出来るだけのことを行った。
 いまにして思うと、何をむきになっていたのか?私もアホだな。と思うが、その時は正義感に火が付いてしまい、この男はあちこちの山林を荒らしまわっているに違いないと思い込み、切った木の売却代金の半分の支払いと切った木を植林することを交渉した。
 ところが男は金がないと言って交渉には全く応じようとはしなかった。「土地の位置を間違えて切った」と言い張り、過失であってわざとではない。との主張だった。これは埒が明かないと私は簡易裁判所に訴状を提出した。
 公判が行われた日、私の主張は、お金は不要だから、元の通りに植林をして戻すこと。それと、過失であることを証明することを条件にしました。
 業者の男は過失であって自分に責任はないの一点張りだった。司法書士の先生が機転を利かせてくれて「あなた木を切るにしても伐採許可を取っているでしょ?」と業者の男に聞いた。「はい町役場に届けを出しています」とのことだったので、「次回それのコピーを持ってくるように」ということで、その届け出た土地が私の土地とは違う住所なら、業者の男が過失で木を切ったことを証明できる。その内容に私も納得できたので、次回の公判を待つことにした。通常1日で終わる簡易裁判だが、2日を要する面倒な裁判となった。
 そして結果は、過失であることが証明され、私達は握手をして別れることが出来た。裁判官は、無料というわけにはいかない。ということで、「植林をして写真を付けて報告書を半年ごとに提出することと、金3万円を支払え」という命令で私がかけた経費代を被告に支払わせた。当然、業者の男はむき出しの現金を放ってよこすような人間だった。当然、報告書は一度きりしか来なかった。いまはその土地がどうなっているのか?見に行く気にもならないし。また場所も忘れちゃった!
 業者の男は法人登記もせずに木を伐採し、勝手な収入を得ていたことを申告していないということで、脱税にあたることを裁判官にも油を搾られていたので、いい気味だ。それなりに気分はすっきりしたが、まあ裁判なんてしても、お互い気持ちの良いものじゃないですね。それと、無意味で無駄な土地など持たないことですね。やれやれです。

 いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。

シンジ

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