「経営安全率」
おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。
今回もみなさんの嫌いな会計の話です。考え方さえわかれば、計算は小学生で出来るレベルです。みなさんは経営安全率ってご存知ですか?何%売上が下がっても利益が出るのか?という指標です。コロナ禍のようなときに、売上が落ちると思います。その落ちた売上が何%までなら耐えられるのか?それを計算で導き出す方法です。どうです、計算してみたくなったでしょ?式は簡単で下記のようになります。(経営安全率のことを対粗利利益率RPGと呼ぶ場合もあります)
経営安全率=営業利益÷限界利益×100(経営安全率=営業利益率÷限界利益率)
※上場企業なら、営業利益部分を経常利益に。限界利益部分を売上総利益でも良い。
例えば、営業利益1,000万円÷限界利益1億円だと10%です。つまり、いまのまま10%の売り上げ減少で、赤字になるってことです。
例えば、100万円の売上があり、仕入が50万円だと限界利益は50万円です。固定費が40万円だったら、営業利益は10万円です。このときの経営安全率は、10万÷50万で20%になります。実際に売上を20%減らしてみましょう。
100万円の売上が20%下がるので、80万円になります。仕入は50%なので、40万円になります。限界利益は40万円で、固定費が40万円なので、営業利益が「0」になりました!売上がどの程度下がっても赤字にならないかが分かりますよね。
では、経営安全率は何%程度あれば安心なのか?分かりませんよね。業種によって違うよね。と思う方もいると思います。
営業利益率は業種によって異なってしまうため、比較する指標としてはベストではありません。ところが経営安全率は、業種に関わらず統一した指標で、その会社の実力を見ることができる良さがあります。どの業界であっても、経営安全率が20%を超えれば優良企業と言えます。10%を超えればまずまずです。10%を下回った場合は、少々危機感が必要です。5%に満たない場合は、かなりレッドゾーンと言えます。
経営安全率を20%固定で自社の限界利益率にかけ合わせると、必要な営業利益率を求めることができます。いわば目標ですね。
営業利益率=限界利益率×経営安全率20%
この計算式に合わせれば、仕入額が多く限界利益率が低い小売りなどの業種の場合。例えば、1,000万円の売上で変動費が800万円だと限界利益率は20%です。経営安全率20%をかけると、4%になります。つまり理想的な営業利益率は4%ということです。それを踏まえて、固定費を考えていけば良いってことになります。
また逆に仕入が小さい場合。1,000万円の売上で変動費が200万円だと限界利益率は80%です。経営安全率20%をかけると、16%になります。つまり理想的な営業利益率は16%ということです。それを踏まえて、固定費を考えていけば良いってことになります。
自社のビジネスモデルにより、限界利益率はそれほど変動しないでしょう。3~5年さかのぼって平均値をだし、理想的な営業利益率がどの程度なのかを出しておくと、目標になると思います。まずは過去決算を引っ張り出して、計算してみることをお勧めします。ただし、赤字の時は計算しても無駄です。まずは黒字が前提ですからね。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。
シンジ
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