「ブラック経営」

おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。今日で939日目です。

 経営の仕方が法令順守をしていない、「ブラック経営」について書こうと思う。特に未公開の株式会社や個人事業主に多い。耳の痛い方は、スルーされたし。

 未公開の株式会社の多くは、家族経営だ。父親が創業し、母親が経理をして、息子が後継者、よくある構図だ。誰もがうなずくことだろう。そこまでは問題はない。ただ、こうなると、会社のお金と個人のお金の境界線がはっきりしなくなるのだ。
 まず最初にいい加減になるのは、会社に私物を置くようになることだ。社長がゴルフバックを会社に置きだしたら、規律は乱れだしたと思ったほうが良い。
 社長は地域の経営者コミュニティなどに入る方が多い。そして、飲んで歩くことも多くあるだろう。良い活動もしているかもしれないが、翌日経理をしている奥さんに、領収書やレシートの束を渡して、経費にしている企業は極めて多い。
 経費の定義は国税庁が明確にしており、「自社の売上を上げるために使っている費用」である。それなのに、お姉ちゃんのいる店で飲んだ支払いも、経費で処理してしまうのだ。国税庁が年間800万円までは、交際費として費用計上を許可しているため、内容は細かく改めない。そのため、年間800万円までは、役員報酬以外に使用できるお金があるということだ。とんでもないことだ。これは脱税だ。
 個人事業主でもあることだが、一人の食事や飲み代は経費に出来ないが、二人以上だとお客さんと行ったことに出来る。ということを利用して、家族との外食を全て経費にしてしまう人もいる。これも脱税だ。
 近年減っているが、現金取引は一番危うい。現金は、売買などのあった証拠が残らない。売上を現金でもらったのに、会社の売上にせず、そのままポケットに入れてしまう。つまり、自店のレジから抜き取ったお金を、自分のポケットに入れるのと同じ行為は、脱税だけじゃなく、窃盗にもなる。会社が得るべき現金であり、そこには法人税や法人市民税の一部が含まれているのだ。それを窃盗してしまうとは、とんでもない犯罪なのだ。これを不正と思っていない方が、あまりに多い。
 これもよくあることだが、社長用の高級外車を会社が購入していることが多い。会社で購入しているので、車検や点検費用まで会社持ちだ。5月の自動車税まで会社が支払っているのに、従業員は指一本触れられない社有車となるわけだ。しかもガソリン代も会社持ちだ。
 これもよくあることだが、社長のゴルフ代は、経営者仲間との遊びにも関わらず、会員権から、プレー代や飲食代まで全て会社持ちだ。お客さんと一緒であっても、どちらにしろ、それは遊びです。同じことを社員がしても、会社がお金を払いますか?無理ですよね?
 もっと大胆な人は、家族旅行の費用まで経費にしてしまうのだから、もうメチャクチャだ。これで社員が怒こらないはずはない。でも、実態は経理担当の奥さんが全て握ってしまうので、誰にも分からずに何十年も同じことを続けている。仮に年間400万円の経費を、私利私欲に横領し続けていると、25年続ければ1億円だ。これを仕方ないと言えますか?
 そんないい加減な経営者に限って、社員のケツを叩き、仕事をバンバンやらせる。当然だ。そうしなければ、自分達が横領するお金がない。こういう経営者に限って、黒字経営をしており、もっと多くの利益が出たはずの会社から、利益をくすね、結果的に脱税をしているわけだ。何とも「ブラック経営」ではないだろうか?
 でも、黒字を出しているこういう覇道経営者は、意外と銀行でも地域でも、お客様にも支持され、地域の名士のような存在だったりもする。人生の成功者の様な人であったりするわけだ。結局、犯罪者であっても、金を持っている者におもねる者が多いというのが事実だ。ただ、覇道経営は2代続くことはない。後継者が父親と同じことをしていると、必ず会社はおかしくなる。後継者は父親と同じことをしているだけなのに、面白いことに、父親の引退や死と共に会社は衰退するものだ。
 更に、覇道経営の「ブラック経営者」は、周りが認めてくれるので、益々調子に乗り、自分が犯罪者だなんて1mmも思わないのだから、反省すらできない。税金を多く収めることの方が、悪いことだと思っている。税金の使い方は悪いが、脱税して良い理由にはならない。そもそも、節税と脱税の違いすら分かっていないことが多い。ついでに言うと、遺言と遺書の違いも分かっていないので、そういう経営者は畢竟(ヒッキョウ)遺言書を残さない。

 金を求めて、太陽に顔向けできない人生を送るのか?心豊かで幸せな人生を、太陽を見ながら生きていくのか?経営哲学の違いでしかないわけだ。私は太陽にも家内にも顔向けができないようなことだけは、決してしたくないですね。「ブラック」かどうかを決めるのは、私じゃないしね。

 いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。


シンジ

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