「サンクコスト」

おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。

 御社には売れ残ったまま何年も倉庫で眠っている在庫がないだろうか?いつか売れるかもしれない?折角だから、もったいない。そう思うのも無理はない。しかし、本当にそのままでよいのだろうか?
 例えば、100万円かけてつくった機械だったが、思うように売れず2個在庫が残ってしまったとする。つまり200万円だ。在庫評価額は売上原価×商品数だからだ。売値は関係ない。とすると、この200万円は貸借対照表に計上されるだけで、その年の損益計算書の売上原価には加算されない。そのため、利益は増えるし、法人税額も増える方向になる。当然、この機械を製造した時に支払った金額は未回収なのだから、会社としてはその商品分赤字になっているわけだ。損益計算書が黒字であれば、他の商品で穴埋めをしていることになる。しかも保管コストも考慮すると、そんなことを何年も続けていても、良くないことは誰にでも分かると思う。では、どうすればよいのか?
 まずは粗利「0」円まで値引きをしつつ販売するという方法もある。しかし、以前に正規価格で購入したお客様に知られたら、気分を害されるに違いない。値引きが不可能な場合は行える手は一つだけ、廃棄処分をするのだ。廃棄証明を取って廃棄すれば、経常利益より下の特別損失に計上できるから、経常利益が出ているけれど、最終赤字になったとしても、銀行も気にしない。法人税も安くなる。
 既に回収不可能となったコストのことを「サンクコスト」という。日本語だと「埋没費用」という。いままでにかけたコストを惜しんで、廃棄が出来ない心理のことを「サンクコスト効果」と呼ぶ。意外と、どの企業もこの「サンクコスト」商品や「サンクコスト効果」を持っているものです。企業によらず、個人にも当てはまります。

 例えば、ダイエットをしようとジムに通うことにして入会金を払い、月々の会費を払っていたが、「仕事が忙しい」「体調が悪い」「感染症が怖い」と休む理由ばかり見つけて、行かなくなった場合は、すぐに解約すれば良いのだが、ズルズルと月会費が口座から引き落とされている。これは完全な「サンクコスト効果」の呪縛にかかっている。
 例えば、業界団体に入ることがステータスと思い込み、社長の見栄で月会費を払い続けているが、会社として何もメリットがない。そういう会社も多くあるでしょう。これも「サンクコスト効果」です。
 例えば、子供の通信教育を毎月取っていたが、溜まる一方で子供は全然勉強していなかった。これも「サンクコスト効果」だ。
 例えば、アマゾンプライムに入って、買い物に利用したり、動画を見たりしていたけれど、ここ数か月は忙しく動画も見ていないし、買い物もしていなかった。という人は、サンクコストとして、プライム会員を解約することをお勧めする。ほぼ、解約手続きは面倒になるように設計されている。サンクコストを処分しようとする気持ちを折るようになっている。きちんとサンクコストだという意識をもって対処しないと、途中で心折れてしまい、無駄なコストを払い続けることになるのだ。

 考えてみれば、様々な場面でサンクコストになっていることがあると思います。プライドや見栄のために続けていること。ここまでやってきたのだから、せめて最後まで。などと考えることが間違いです。現状使用していないのであれば、この先も使用しないのです。見切りをつけて、スパッと切らなければなりません。みなさんも、自社及びプライベートでも見直しをしてみてはいかがでしょうか?

 いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。

シンジ

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